優秀人材の長期リテンションが数十億ドル規模のM&Aの成否を左右する

マーサー:M&A リテンション/トランザクション・プログラム調査より

マーサー ジャパン株式会社

2013-03-18 18:00

M&A(買収・合併)では、優秀な人材の引き留め(リテンション)がうまくいくかどうかが、M&A全体の成功を左右すると考えられている。世界最大級の人事・組織コンサルティング会社マーサー(本社ニューヨーク)の「M&A リテンション/トランザクション・プログラム調査」では、長期的な成功のために重要とされる経営者の70% がリテンション・プログラムの対象であり、統合作業に不可欠な中核社員の場合は53%が対象との結果が得られている。
グローバル 東京

M&A(買収・合併)では、優秀な人材の引き留め(リテンション)がうまくいくかどうかが、M&A全体の成功を左右すると考えられている。世界最大級の人事・組織コンサルティング会社マーサー(本社ニューヨーク)の「M&A リテンション/トランザクション・プログラム調査」では、長期的な成功のために重要とされる経営者の70% がリテンション・プログラムの対象であり、統合作業に不可欠な中核社員の場合は53%が対象との結果が得られている。

海外企業を対象とするクロスボーダーM&Aの場合では、リテンション・プログラムの採用率はさらに高まり、経営者では80%、中核社員では 60%であった。

マーサーは、リテンション・プログラムとトランザクション・ボーナス・プログラムがどの程度広く活用されているか調査した。リテンション・プログラムは、ディール中やディール終了後に社員を引き留める施策として広く受け入れられている。これに対し、トランザクション・ボーナスは、ディール中にディールの完遂を動機付けるためのものであるが、それほど頻繁には実施されていない。

「買い手はまず自社の買収戦略を見て、対象会社の優秀な社員が退職しないよう、リテンション・プログラムが必要かどうかを決めなければいけません。必要と判断された場合にはさらに、対象者、付与額、支払のタイミングや構成、業績の状況、そして全体コストなどの検討が必要となります」とマーサーM&Aアジア中東地域代表のエイク・アヤウォングスは述べている。

マーサーの「M&A リテンション・トランザクション・プログラム調査」では、M&Aに積極的に携わる全世界42の企業から得られた情報を分析した。これらの企業において過去3年間に完了した70以上のディールに関し、リテンション・プログラムとトランザクション・ボーナス・プログラムを詳細に調査している。

リテンション・プログラム 
リテンション・プログラムは、統合プロセスに不可欠である経営者やシニア・マネジメントの引き留めに用いられる。調査の結果、過去3年間に完了したディールのほぼ3分の2 (62%) でリテンション・プログラムが採用された。デューデリジェンスのプロセスの早い段階でリテンション・プログラムが必要かどうかを判断し、その後ディールのクロージングが近づいた時に対象者を決定するのが一般的である。

リテンション・プログラムは、ディールのタイプによって使い分けられる。例えば、売却側よりも買収側のほうが、より頻繁にリテンション・プログラムを提供している。買い手企業の半分以上 (57%) が、長期的成功のために重要な経営者を常にリテンション・プログラムの対象とする、と回答している一方、売り手企業の場合は、これらの経営者を常に対象とすると回答したのは 44%であった。

国ごとの差異も明らかになった。基本給に対する割合でみると、米国とカナダの企業はヨーロッパやアジア・パシフィックの企業に比べてより多額のリテンション・プログラムを提供している。(表1参照)

「どんな状況にも合うようにリテンション・プログラムを設計するのは、無理と言うものです」と アヤウォングスは語る。「一般に共通する原則もありますが、リテンション・プログラムの設計はディールの規模や複雑さ、ディールのタイプ、業界やクロスボーダーM&Aであるか否か等により変わってきます。戦略的にリテンション・プログラムを活用しようと思ったら、市場ベンチマークをきちんと行い、さらに自分達の独自のニーズを分析することが重要です。」

トランザクション・ボーナス・プログラム
トランザクション・ボーナスの対象は、一般的にCEO、その他の経営者やディールチームのメンバーである。マーサーの調査では、CEOがトランザクション・ボーナスの対象となったディールは全体の31%、CEO以外の経営者の 場合は42%、ディールチームのメンバーの場合は33%であった。

また、ヨーロッパやアジア・パシフィックの企業では、米国やカナダの企業よりもCEO等の経営者にトランザクション・ボーナスを付与することが多い。また、ヨーロッパの企業はディールのチームメンバーにトランザクション・ボーナスを付与するが、アジア・パシフィックではそのようなケースは見られなかった。(表2参照)

詳細はこちらからご覧ください。
(リンク »)

###

マーサーについて
マーサーは、世界40カ国以上、約180都市において、組織人事、福利厚生、退職金・年金、資産運用分野で25,000社以上のクライアントにサービスを提供するグローバル・コンサルティング・ファームです。
世界各地に在籍する19,000名以上のスタッフがクライアントの皆様のパートナーとして多様な課題に取り組み、最適なソリューションを総合的に提供しています。

日本においては、30余年の豊富な実績とグローバルネットワークを活かし、あらゆる業種の企業・公共団体に対するサービス提供を行っています。
組織変革、人事制度構築、福利厚生・退職給付制度構築、M&Aアドバイザリー・サービス、グローバル人材マネジメント基盤構築、給与データサービス、年金数理、資産運用など、「人・組織」を基盤とした幅広いコンサルティング・サービスを提供しています。
マーサーは、ニューヨーク、シカゴ、ロンドン証券取引所に上場している、マーシュ・アンド・マクレナン・カンパニーズ(証券コード: MMC)グループの一員です。
マーサーについての詳細は、以下をご参照ください
マーサー ジャパン (リンク »)
Mercer (Global) (リンク »)

マーシュ・アンド・マクレナン・カンパニーズについて
マーシュ・アンド・マクレナン・カンパニーズ (ニューヨーク証券取引所コード: MMC) は、グローバルプロフェッショナルサービスを提供する企業グループとして、顧客企業にリスク、戦略、人材分野の助言とソリューションを提供しています。
マーシュ・アンド・マクレナン・カンパニーズはマーシュ(保険仲介とリスクマネジメント)、ガイカーペンター(再保険仲介・コンサルティング)、マーサー(組織・人事マネジメント・コンサルティング)、そしてオリバーワイマン(戦略コンサルティング)から構成されており、年間総収入110億米ドル超、全世界に53,000名の従業員を擁し、100ヶ国以上で顧客に分析、アドバイスを行い、各種取引を支援しています。
当グループは責任ある企業市民として事業展開しているコミュニティに貢献しています。詳しい企業情報については www.mmc.com、今日企業が直面する課題に取り組む当グループの国際的な実務能力とソリューションについては www.PartneringImpact.com をご覧ください。

###

本件に関するお問い合わせ
マーサー ジャパン株式会社
広報
小原 香恋 Karen Ohara
Tel: 03-5354-1674 pr.japan@mercer.com

グローバルM&Aコンサルティング部門
Tel: 03-5354-2037 MA.japan@mercer.com
(リンク »)
本プレスリリースは発表元企業よりご投稿いただいた情報を掲載しております。
お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。

【企業の皆様へ】企業情報を掲載・登録するには?

御社の企業情報・プレスリリース・イベント情報・製品情報などを登録するには、企業情報センターサービスへのお申し込みをいただく必要がございます。詳しくは以下のページをご覧ください。

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    ISMSとPマークは何が違うのか--第三者認証取得を目指す企業が最初に理解すべきこと

  2. セキュリティ

    情報セキュリティに対する懸念を解消、「ISMS認証」取得の検討から審査当日までのTo Doリスト

  3. 運用管理

    IT管理者ほど見落としがちな「Chrome」設定--ニーズに沿った更新制御も可能に

  4. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  5. セキュリティ

    シャドーITも見逃さない!複雑化する企業資産をさまざまな脅威から守る新たなアプローチ「EASM」とは

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]