横浜市立大学 国際総合科学部 小島伸彦 准教授の研究室チームが、平成28年2月11日に渋谷ヒカリエ(東京都渋谷区)で開催された「攻殻機動隊 REALIZE PROJECT the AWARD」で「最優秀 攻殻コンテスト賞」を受賞した。同研究室チームは、「攻殻機動隊の義体を支える臓器設計技術」として、細胞を用いた高機能化人工臓器の作製手法を発表した。
「攻殻機動隊REALIZE PROJECT」は、国内外で絶大な人気を誇るアニメ「攻殻機動隊」の世界(2029年)におけるテクノロジーを実現するためにスタートしたプロジェクトで、産学が一体となったイノベーションを目指している。
平成28年2月11日に開催された「攻殻機動隊 REALIZE PROJECT the AWARD」では、東京・神戸・福岡の3都市で開催されたコンテストイベントを勝ち抜いた10チームによる体験型の展示が行われ、「最優秀 攻殻ハッカソン賞」と「最優秀 攻殻コンテスト賞」の2部門の最優秀賞が決定された。
小島研究室チームは、東京大会を勝ち抜き、本大会に参加。「攻殻機動隊の義体を支える臓器設計技術」として、バラバラの状態に懸濁された細胞を用いて短時間のうちに三次元的な組織形成や、細胞の配列制御による臓器の高機能化という人工臓器の作製手法を発表し、「最優秀 攻殻コンテスト賞」を受賞した。
【研究概要】
小島研究室では、生体の機能や構造を備えた3次元的なミニチュア臓器を試験管の中でつくる方法を研究している。これまでに種々の臓器設計技術を開発しており、バラバラの細胞を「組み立てる」という方法で、肝臓や膵島、骨髄といった臓器・組織の再構築に取り組んでいる。さらに、生体に準じた臓器を再構築する一方で、細胞の組み立て方を工夫するというアプローチでより高機能な臓器や、生体には存在しない新機能をもった臓器の開発にも取り組んでいる。
受賞の対象となった発表は、まさにこのような高機能化臓器を設計するコンセプトに関するもので、人体をより機能的に高める臓器の開発は、攻殻機動隊の世界など近未来に通じる技術として注目されている。
【小島伸彦准教授のコメント】
今回、IT技術やロボット技術を使わない我々の発表が攻殻機動隊REALIZE PROJECT・攻殻コンテストにおいて最優秀賞を獲得できたのは、細胞をパーツとしたボトムアップ的なものづくり・設計論の面白さが、技術志向の高い参加者にうまく伝わり、かつ、我々の健康に直結する技術であると理解されたことが大きな要因と思う。
本プロジェクトは近未来技術を“REALIZE=現実化”することが目標となっている。本受賞を機に、大学発ベンチャーなどによる技術の現実化に挑戦していきたいと考えている。
◆関連リンク
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