ヤンマーエネルギーシステム株式会社
廃食油を再生可能エネルギーとして有効活用するバイオディーゼルマイクロコージェネレーションを発売
ヤンマーエネルギーシステム株式会社(本社:大阪市、社長:梅垣直也)は、廃食油などのバイオマス燃料で運転可能なバイオディーゼル仕様のマイクロコージェネレーション「CP25BDZ-TC」を開発し、2017年7月1日(土)より受注を開始します。
廃食油を活用したバイオディーゼル燃料は、従来から一部の都市部などにおいてバスやトラック等の燃料として使用されていました。しかし、十分なメンテナンスが行われない場合は運転中に不具合が発生する等の問題から活用が進んでおらず、自治体や企業は廃棄される食用油の処理・利活用などの課題を抱えています。
ヤンマーでは、このような状況に着目し、環境意識の高い企業等と連携しながら定置型発電システムでのバイオディーゼルの実証試験に取り組んできました。そしてこの度、耐久性などの実証とともに廃食油の特性に合わせたシステムを構築し、商品化しました。
当社はこれからも、資源循環型社会を実現するリーディングカンパニーとして、市場のニーズに合わせた製品ラインアップの充実を図り、環境に配慮した様々なソリューションを提供することで、人々の豊かな暮らしと地球環境との調和を目指していきます。
■商品概要
商品名: バイオディーゼルマイクロコージェネレーション「CP25BDZ-TC」
受注開始日: 2017年7月1日(土)
販売価格: 15,000,000円(メーカー希望小売価格、税抜)
※タンクユニット、付帯工事など、別途追加費用がかかります。
販売目標: 2020年度までに200台
主要目:
機種名 CP25BDZ-TC
使用燃料 FAME/SVO
出力(連系時) 25kW
回収熱量 34kW
温水取り出し温度 85℃
発電効率 35.0%
廃熱回収率 48.0%
総合効率 83.0%
燃料消費量[LHV基準] 71kW
外形寸法(高さ×幅×奥行 mm) 2,010×1,990×800
質量(kg) 1,250
■主な特長
(1)バイオディーゼル燃料で運転可能
本製品は下水処理場などに累計500台以上販売※1しているバイオガスマイクロコージェネレーションをベースに、動力源をガスエンジンから液体燃料が使用可能なディーゼルエンジンに対応できるよう開発しました。家庭や飲食店等で廃棄されていた使用済みの油などの廃棄物系バイオマスを燃料として発電及び熱供給することが可能です。バイオディーゼル燃料はカーボンニュートラルの特性を持つ環境に配慮した燃料です。燃焼させても大気中のCO2濃度が増えない為、低炭素社会の実現に貢献します。
(2)FAMEとSVOの2種類のバイオディーゼル燃料に対応
「FAME(脂肪酸メチルエステル)」と「SVO(ストレートベジタブルオイル)」は、いずれも原料は同じ廃食油(植物油) ですが、生成プロセスが異なります。本機は生成プロセスの少ないSVOにも対応し、バイオディーゼル発電にかかる燃料生成 の費用や手間を軽減しました。
・ FAMEは植物油にメタノールを添加し、エステル交換反応させて生成します。副産物としてできるグリセリンなどの不純物除去の精製工程が必要ですが、軽油と同等の燃焼性を有しています。
・ SVOは不純物を取り除いただけの植物油(廃食油)です。常温で粘性が高い(軽油の約10倍)ため、用途は限定的ですが、生成プロセスが少ないことが特長です。ヤンマーでは、SVOタンク※2を加温して粘度を下げることで「常温で固形化す る」という難点をクリアしました。
(3)分散型小型パッケージ構造を採用
1機あたりの出力が25kWと小容量のため、小規模な店舗や工場、施設などにも設置が可能です。地域で発生した廃食油を地産地消で有効活用できます。また、本機を複数台連携して設置することで、高出力化に対応できるだけでなく、運転を止めない効率的なメンテナンスも実現しています。さらに本機はコージェネレーションシステムに必要な機能をパッケージ化し、現地施工を簡素化しています。定置型で系統連系が可能な常用発電設備としては国内最小クラスを実現しました。
(4)遠隔監視などのサービスによる安心のメンテナンス体制
ヤンマーでは、バイオディーゼル発電における実証試験を通じて推奨メンテナンス項目を整備しました。長年コージェネレーションで培ったメンテナンス体制と部品供給網により、お客様の機器管理をサポートします。また、ヤンマー独自の遠隔監視システム「RESS」で機器ごとの運転状況を把握し、運転時間や発電電力量などをモニタリングします。不具合が発生した際はエラー情報を表示し、サービス担当の迅速な情報把握と対応を行います。
※1 2017年5月現在。
※2 SVOタンクユニットは別売り。
<注記>
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