アストラゼネカ 生物学的製剤ベンラリズマブでの治療により最も効果が期待できる重症気管支喘息患者さんを特定する新たな結果を発表

アストラゼネカ株式会社

From: Digital PR Platform

2017-09-12 13:00


ベンラリズマブの第III相SIROCCO・CALIMA試験の追加解析の結果により
有効性が強化され、過去の増悪頻度および・またはベースライン血中好酸球数が
治療効果の主な予測因子となることを証明

ベンラリズマブの効果が期待できる患者さんをより正確に特定し
患者さんにおける臨床効果を最大化する個別化治療へと導く結果に

アストラゼネカ(本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は9月11日、ヒト化抗IL-5受容体αモノクローナル抗体製剤ベンラリズマブ(遺伝子組換え)(以下、ベンラリズマブ)の第III相国際共同試験のSIROCCO試験およびCALIMA試験のサブグループ解析の結果により、ベンラリズマブでの治療効果が最も期待できる、コントロール不良の重症気管支喘息患者さんを予測する主な因子が同定され、ベンラリズマブの高い有効性が確認されたと発表しました。

ベンラリズマブは、自然免疫システムの構成要素であるナチュラルキラー細胞を動員し、直接的、速やかかつほぼ完全に好酸球を除去するモノクローナル抗体製剤です。気管支喘息患者さんの約半数は、好酸球という生物学的エフェクター細胞によって気道炎症および気道過敏性を起こすとされ、喘息症状の悪化、呼吸機能の低下、頻回な喘息増悪を経験しています。

今回の事後解析において、投与開始前の血中好酸球数にかかわらずベンラリズマブの有効性が示される中で、過去の増悪頻度および・またはベースライン血中好酸球数が高いほど、より高い治療効果が得られることが示されました。ベースライン血中好酸球数と喘息増悪頻度の両方が高い患者さんは、ベンラリズマブによる治療でさらに高い奏効が予測されました。さらに、経口ステロイド薬(OCS)での治療を受けている患者さんや鼻ポリープをもつ患者さんで、より高い治療効果を示す傾向がありました。本結果はイタリア・ミラノで開催中の2017年欧州呼吸器学会(ERS)国際会議において発表されるとともに、The Lancet Respiratory Medicineオンライン版においても同時に掲出されました。

ベンラリズマブ群およびプラセボ群の総合的な安全性プロファイルは、SIROCCO試験およびCALIMA試験の双方において同様であり、ベンラリズマブの総合的な安全性プロファイルは過去のデータと一貫していました。

CALIMA試験の治験統括医師であるMark FitzGerald, MD(Vancouver Coastal Health Research Institute 心臓・肺健康センター所長)は、「治療を行う医師として、私はコントロール不良の重症気管支喘息患者さんに最大のベネフィットをもたらす正しい治療薬を、患者さんに処方しているという確信を持ちたいと思っています。この重要な解析によりベンラリズマブは、標準治療薬の投与を受けているにもかかわらず、喘息増悪頻度がより高い患者さん、および・またはベースライン血中好酸球数がより高い患者さんに対し、より優れたベネフィットを提供することが示されました。この知見はベンラリズマブでの治療によって恩恵を享受する患者さんを特定し、結果的にコントロール不良の重症気管支喘息治療管理の改善に役立つことでしょう」と述べました。

アストラゼネカのグローバル医薬品開発部門呼吸器領域の責任者であるColin Reisnerは、「世界中で何百万人もの人々がコントロール不良の重症気管支喘息に苦しんでおり、喘息の増悪は生命を脅かし得るものです。このSIROCCO試験およびCALIMA試験の新たな解析と、すでに発表済みの第III相ZONDA試験の最新データによって、コントロール不良の重症気管支喘息患者さんの治療薬であるベンラリズマブの臨床エビデンスが更に蓄積されたことになります」と述べました。

ベンラリズマブは米国、EU、日本およびその他数カ国において承認審査中であり、米国においては処方箋医薬品ユーザーフィー法により2017年第4四半期に審査終了が予定され、その他の地域における薬事当局の判断は2018年第1四半期に得られると予想されています。

以上

*****

重症気管支喘息について
気管支喘息は世界3億1,500万人の人々に悪影響を与えており、喘息患者さんの最大10%は標準治療である高用量の喘息コントロール薬による治療にもかかわらず症状のコントロールが不良の重症喘息であり、経口ステロイド薬(以下、OCS)の継続使用が必要になる場合があります。
コントロール不良の重症気管支喘息は死に至ることもある過酷な疾患で、患者さんは頻回な症状増悪や、呼吸機能の低下、生活の質(QOL)の著しい制限を余儀なくされます。コントロール不良の重症気管支喘息患者さんの死亡リスクは重症気管支喘息患者さんの8倍とされています。
コントロール不良の重症気管支喘息は、OCS依存を引き起こす可能性があります。全身性ステロイドの投与によって、体重増加、糖尿病、骨粗鬆症、緑内障、不安感、うつ、循環器疾患および免疫抑制を含む重篤な副作用を短期間または長期間起こすことがあります。さらに重症気管支喘息患者さんの疾患による身体的負担ならびに社会経済的な負担も大きく、喘息関連費用の約50%にあたるとも言われています。

WINDWARDプログラムについて
喘息に関するWINDWARDプログラムはSIROCCO試験、CALIMA試験、ZONDA試験、BISE試験、BORA試験およびGREGALE試験を含む6つの第III相臨床試験により構成されています。今回の解析に含まれた2つの主要試験SIROCCO試験およびCALIMA試験は、増悪傾向のある12歳以上の患者さんを対象に、ベンラリズマブの標準治療(定量30mgの皮下投与)の有効性および安全性を評価する、無作為化二重盲検対照群間プラセボ対照試験です。
SIROCCO試験およびCALIMA試験は、重症喘息の標準治療(高用量の吸入ステロイド薬と長時間作用性β2刺激薬 [ICS/LABA] を含む)を受けている患者さん計2,295例(SIROCCO試験1,204例、CALIMA試験1,091例)が、ベンラリズマブ 30mgを4週間ごとに投薬する群と、ベンラリズマブ30mgを最初の3回は4週間ごと、その後8週間ごとに投薬する群、もしくはプラセボ群に世界中から無作為に割り付けられました。ベンラリズマブはプレフィルドシリンジによる皮下注射で投与されました。薬事承認申請を目的とする3番目の試験であるZONDA試験は、コントロール不良でOCS依存傾向がある、好酸球性重症気管支喘息患者さんにおいて、ベンラリズマブ投与群はプラセボ群との比較で、維持療法としてのOCS投与量が、統計学的に有意かつ臨床的に意味のある減量することを示しました。ベンラリズマブによる治療をうけた患者さん群のOCS投与量の減量中央値は75%で、プラセボ群の患者さんに比べOCS減量の可能性が4倍以上高いことが示されました。本結果はthe New England Journal of Medicineの2017年5月号オンライン版に掲載されました。
WINDWARDプログラムに加え、重症の慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者さんにおけるベンラリズマブの有効性および安全性を評価する第III相VOYAGERプログラムも現在進行中です。

ベンラリズマブ(遺伝子組換え)について
ベンラリズマブは、好酸球の表面に発現するインターロイキン-5(IL-5)受容体に対し直接的に作用するヒト化抗IL-5受容体αモノクローナル抗体製剤です。喘息患者さんの中には、好酸球とよばれる生物学的エフェクター細胞が炎症と気道過敏性を起こし、症状が重症化する患者さんがいます。ベンラリズマブ は、抗体依存性細胞傷害活性(ADCC活性)を高め、IL-5受容体を発現している好酸球を速やか且つほぼ完全に除去する特徴を持っています。早期第I/II相試験により24時間以内に効果発現することが確認されています。さらに、主要第III相SIROCCO試験およびCALIMA試験では、ベンラリズマブによって、コントロール不良の好酸球性の重症喘息患者さんの喘息増悪頻度を減少し、呼吸機能および喘息症状を改善する結果が示されています。
ベンラリズマブは、協和発酵キリンの完全出資子会社であるBioWa社から導入され、アストラゼネカのグローバルバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンと協和発酵キリンにより開発されました。なお、アストラゼネカ株式会社は、2016年10月に協和発酵キリンと締結していた独占的オプションを行使し、重症気管支喘息および慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬としてのベンラリズマブの日本国内における製造販売権利を取得しました。
ベンラリズマブはどの国・地域においても未承認ですが、現在米国、EU、日本およびその他数カ国において承認審査中です。

アストラゼネカにおける呼吸器疾患について
呼吸器疾患はアストラゼネカの注力疾患領域のひとつで、製品ポートフォリオは年々成長し、2016年には世界中の1,800万人以上の患者さんに当社製品をお届けしました。アストラゼネカは、吸入配合剤を中心に、特定の疾患治療のアンメットニーズに応える生物学的製剤や、疾患原因を解明する革新的なサイエンスを通じて、喘息およびCOPD治療を向上させることを目指しています。
アストラゼネカは、呼吸器領域における40年の歴史をさらに発展させており、当社の吸入器技術はドライパウダー吸入器(DPI)、加圧噴霧式定量吸入器(pMDI)、ならびに画期的なCo-Suspension(TM) Delivery Technologyなどに及びます。また、当社の生物学的製剤には、米国、EUおよび日本において現在薬事承認審査中のベンラリズマブ(抗好酸球、抗IL-5受容体ɑ抗体)、現在第III相試験を実施中のtralokinumab(抗IL-13抗体)、および第IIb相試験の主要評価項目の達成に成功した tezepelumab(抗TSLP抗体)が含まれます。アストラゼネカは、肺上皮組織、肺免疫および肺再生に焦点を当てた、基礎疾患のドライバーを解明する研究を行っています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。また、炎症、感染症およびニューロサイエンスの領域においても、他社との提携を通じて積極的に活動しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細については (リンク ») または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。
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