アジアが次のAI技術開発のフロンティアに

日本マイクロソフト株式会社

From: 共同通信PRワイヤー

2018-04-06 10:18

2018年4月4日

日本マイクロソフト株式会社

アジアが次のAI技術開発のフロンティアに


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 日本マイクロソフトは、アジア太平洋地域が、AI(人工知能)に必要な(1)データ、(2)人材、(3)活用シナリオ、の3つの理由から、AIの技術開発の中心地になるという予測を本日公開しました。

【ラルフ ハウプター Microsoft Asia プレジデント】
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 わずか数年間で、AIが大きな脚光を浴びることになり、現実離れした SF 小説の題材のような存在から、アジア中のお客様、パートナー、業界リーダーとの対話に頻繁に登場する話題となりました。
AI が今日のような状況に至るまでの道筋はおよそ 70 年の長きにわたるものでした。しかし、ここ数年の間に、ビッグデータ、強力なクラウドコンピューティングの普及、そして、ソフトウェアアルゴリズムと機械学習のブレークスルーにより、魅力的なAIの活用が現実のものとなりました。

 今日の AI は、組織の、そして国家のデジタルトランスフォーメーションの中核にあります。調査会社 IDC は、2019 年までに、AIは新しい業務運営と収益化モデルのためのタイムリーで重要な洞察を提供し、アジア地域のデジタルトランスフォーメーションの 40%を支援すると予測しています。
(リンク »)

※2021 年までにデジタルトランスフォーメーションが日本のGDPに約 11 兆円貢献し、AI が将来の成長の主要な推進要因となることについては、こちらの記事
(リンク »)
をご参照ください

 AI は想像力と大量のデータを活用し、幅広い恩恵をもたらします。たとえば、マイクロソフトとパートナー企業による、日本の旅行者の道案内を支援するソリューションがあります。毎年、日本には 2,800 万人以上の旅行者が訪れると推定されており、2020 年の東京オリンピックに向けさらに増加するのは確実です。多くの人が述べるように、旅行者が案内なしに日本を旅行するのは容易ではありません。そこで AI が役に立つというわけです。

 新しいモバイル旅行アプリ 「Japan Trip Navigator  (リンク ») 」は AI チャットボット MIKO を活用しています。旅行代理店のJTB 、ナビゲーションソフトを提供するナビタイムジャパン、そして、マイクロソフトが共同開発した MIKO は、日本の旅行者に対して公式な情報やアプリの他ユーザーからのリアルタイムな情報を提供します。また、ホテルなどの予約も支援してくれます。
さらに、MIKO の最も先進的で興味深い機能のひとつは、マイクロソフトのCognitive Services AI プラットフォームを使用したイメージ認識機能が取り込まれている点です。これにより、ユーザーが撮った写真に応じた情報を提供できます。

【アジアがグローバルのAI技術開発におけるキーに】

 AI の大規模な開発を推進していく上でアジア地域はユニークな位置にいます。それには以下の 3 つの理由があります。

AI にはデータが必要:
 AI が適切に機能するためにはデータが必要です。AIシステムに供給するデータ量が増えるほど良好な結果が得られます。アジアは世界で最も多くの人口を擁しているだけでなく、デジタルによるつながりが最も普及した地域でもあり、AIシステムが必要とする大量のデータを提供できます。これは、マイクロソフトの特に大きな強みといえます。マイクロソフトは、Windows、Office、LinkedIn、Bing、Cortana などを活用して情報の「グラフ」を構築し、人々のニーズを適切に予期し、対応できる AI ツールの開発に役立てています。また、AI の採用に伴い、たとえば、データの適切なアクセスや利用といった倫理的な課題が必然的に発生します。マイクロソフトは、公平性、信頼性と安全性、プライバシーとセキュリティ、ダイバーシティ、透明性、そして、説明責任という 6 つの倫理基準を確立しAIの学際的な開発と活用を支援します。

AI には人材が必要:
 マイクロソフトは、今年、大規模なAIの活用が行なわれると予測していますが、より強力で洗練された AI プログラムの開発にはまだ時間がかかります。そのためには、テクノロジ企業や研究機関のAI機能の開発に貢献できる STEM(科学、テクノロジ、工学、数学)分野の人材の蓄積が必要です。これらの人材がアジアから生まれる可能性が高まっています。たとえば、UBS によれば、2025年までに中国とインドのタレントプールの合計が米国を上回ると予測されています。

 マイクロソフトは、20年前に北京に Microsoft Research Asia を設立した時から、この重要な技術を擁する人材へのアクセスがもたらす可能性を認識していました。Microsoft Research Asia は、米国外ではマイクロソフト最大の研究開発組織となり、数 100 人の研究者、開発者、客員研究員が長期的な技術的課題の解決のために協力しています。マイクロソフトはバンガロールにも Microsoft Research India を開設していますが、この世界最高クラスの両研究機関は。、AI の世界において業界を先導する研究成果を定期的に達成しています。たとえば、Microsoft Research Asia は、人間と同等の品質と正確性で新聞記事を中国語から英語へ翻訳できる最初の機械翻訳システムを開発したグローバルチームの一員でした。

AI には活用が必要:
 前述のとおり、より多くのデータが AI システムに供給されれば、より良好な結果が得られます。アジアのユニークな特性のひとつは、生まれた時からデジタル世界に慣れ親しんでいるデジタル若年層人口の多さです。国連は、世界の若年層人口の 60%がアジア太平洋地域に居住すると推定しています。これらの「デジタルネイティブ」たちは、自分の生活を向上するためにデジタルテクノロジを積極的に活用します。これに加え、アジア諸国の多くは過去においてテクノロジの採用に消極的であったことから、古いインフラに依存する他国を追い越して新しい生活や仕事の形態を取り入れていく可能性があります。

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マイクロソフトの音声認識、自然言語処理、機械翻訳の取り組みを統率するテクニカルフェロー、ゼドン ファン (Xuedong Huang) (写真提供:スコット エクルンド/Red Box Pictures)

【アジアにおけるマイクロソフトの AI 関連投資】

 マイクロソフトは、アジア地域における AI の将来について大きな期待を寄せており、私と私のチームは今日、そして長期的に、お客様とパートナーに対して AI による最適な支援を行うために、以下の 4 点を最優先事項としています。

1.AI 能力の育成: 研究開発を推進する世界最上級のSTEM人材、そして、関連するプログラムや応用がなければAI革命は起こりません。マイクロソフトは、政府機関、業界団体、他組織との協業によるアジア地域の AI 能力の開発を継続していきます。台湾のテクノロジと産業分野のイノベーションを支援するための、マイクロソフトと台湾政府の協力による台湾AI研究開発ハブのへの3,300万ドルの投資が、このような取り組みの良い例です。

2. パートナーエコシステムの開発: マイクロソフトは、アジア地域の IT パートナーエコシステムを革新し、政府機関、教育機関、ヘルスケア、製造、金融サービス、小売業界へのフォーカスを強めて AI 機能を市場に投入していきます。このために、スタートアップ企業との共同販売体制、ローカルおよびグローバルなエコシステムにおけるコラボレーション推進のための新たなコラボレーションスペース、そしてマイクロソフトテクノロジへのアクセスを提供するために、今後 2 年間にわたり 5 億ドルの投資を行うことを最近発表しました。

3.AI プラットフォームの構築:マイクロソフトは、ハイパースケールのクラウドプラットフォームであるMicrosoft Azure の強化を継続し、アジア地域に強力な AI 機能を高いセキュリティと共に提供していきます。今日、Azure は、世界140カ国のお客様に 50 のリージョン(アジア地域では 15 リージョン)で提供していますが、これは他のクラウド事業者を上回る規模です。これにより、世界中のお客様とパートナーに対して大規模な AI プログラムの提供に必要なプラットフォームが提供されます。

4.アジアのワークフォースのスキル再構築: マイクロソフトは、既存のワークフォースが AI 中心のデジタルの世界でも成長できるようにする技術の再構築の支援を、官民連携で推進をしていくことにコミットしています。たとえば、最近、マイクロソフトは、南オーストラリア州エリザベス地区のホールデン社工場の2017年末の閉鎖に伴い配置転換された自動車サプライチェーン労働者にデジタルスキルを提供するために、オーストラリア州開発省とソルズベリー市との協力のもと南オーストラリアにおいて National Skills Program を立ち上げました。

 最後になりますが、私は、今世紀はアジアの世紀になることを固く信じています。AI はアジア地域に成長、生産性向上、イノベーションの多大な機会、そして、重要な社会問題を解決する可能性を提供していくでしょう。
これから大きな変化が起こります。今まさに始まろうとする革命に向けて心の準備をしておきましょう!



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