【京都産業大学】タンパク質の細胞内輸送を校正するシステムを発見 -- 米国科学誌Molecular Cellに掲載

京都産業大学

From: Digital PR Platform

2019-08-28 14:05




京都産業大学は名古屋市立大学、山形大学、熊本大学の研究グループとの共同研究により、ミトコンドリアにタンパク質を誤配送しても、配送を校正するシステムが存在することを初めて見出し、生命の基本現象の理解を根本的に大きく前進させる発見をした。




 細胞内でつくられる数万種類のタンパク質は、それぞれ働く場所が決まっており、サイトゾル、ミトコンドリア、核、小胞体(そこから細胞外)等、そのタンパク質が働くべき場所に移行することが、正常な細胞機能には不可欠である。タンパク質自身には働くべき場所が宛名として書き込まれており、細胞内にはそれを読み取って目的地への配送を行うシステムが備わっている。タンパク質の目的地への配送はきわめて正確に行われ、その配送が狂うと細胞機能は損なわれ、さまざまな病気につながるものと考えられていた。

 今回、京都産業大学は名古屋市立大学、山形大学、熊本大学の研究グループとの共同研究により、タンパク質の配送には間違いが起こりうること、しかし、いったん配送を間違っても、配送をやり直す校正システムが存在することを初めて見出した。生命活動の基本現象であるDNAの複製、DNAの情報に基づくタンパク質の合成等のプロセスについては、それらがきわめて重要であるが故に、たとえ間違いが生じてもそれを修正、校正する仕組みがあることがわかっていたが、今回タンパク質の配送という生命活動の基本的プロセスについても、そのやり直し、校正を行うシステムが発見されたことになる。本研究の成果により、病気や老化等との関連について研究が進むことが期待される。

 この研究成果は、2019年8月22日Molecular Cell に掲載された。

むすんで、うみだす。  上賀茂・神山 京都産業大学

関連リンク
・タンパク質の細胞内輸送校正システムを発見
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・生命科学部 遠藤 斗志也 教授・河野 慎 研究助教等の研究グループが、ミトコンドリアのプレ配列をもつタンパク質の内膜透過に必須の膜電位の役割を解明しました!
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・京都産業大学タンパク質動態研究所
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