静岡市
関ヶ原の戦い直前、当時駿河を治めていた中村家へ宛てた
徳川家康書状、駿府城にて初公開
11月4日(月)まで
駿府城公園 坤櫓(静岡市葵区駿府城公園1-1)
静岡市では歴史文化施設の開館(令和4年度予定)に向け、展示資料の収集を進めています。この度、収集した資料の1つである、徳川家康が関ヶ原の戦い直前に当時駿河を治めていた中村家へ宛てた書状の原本を11月4日(月)まで、駿府城公園 坤櫓にて初公開します。
この書状は、関ヶ原の戦い直前の慶長5(1600)年7月27日の日付で出されており、これは家康が石田三成の挙兵を聞いた直後の時期にあたります。家康が当時駿河を治めていた中村家を自分の味方に引き止めるべく出したものと思われます。これまで写しの存在は知られていましたが、今回その原本が発見され、静岡市が購入し、公開する運びとなりました。
徳川家康が築いた駿府城で、静岡市の歴史を体感してみませんか。
概要は以下のとおりです。
【画像: (リンク ») 】
徳川家康書状 公開概要
◆会 場:駿府城公園 坤櫓(ひつじさるやぐら)※所在地:静岡市葵区駿府城公園1-1
◆日 程:2019年11月4日(月)まで
◆時 間:9時~16時30分(入場は16時まで)
◆休館日:月曜日(11月4日は開館)
◆入場料:大人100円(団体30名以上は80円)、小人50円(団体30名以上は40円)
◆内 容:このたび発見された、徳川家康が関ヶ原の戦い直前に当時駿河を治めていた中村家に宛てた書状を初公開します。坤櫓ではそのほか、徳川家康公と駿府(静岡)との関わり、櫓の建築の様子などの映像展示も鑑賞いただけます。
◆WEBサイト: (リンク ») (駿府城公園)
書状を鑑定した専門家のコメント
静岡大学名誉教授 本多隆成(ほんだ たかしげ)
専攻:日本近世史
主な著書:「徳川家康と関ヶ原の戦い」「定本徳川家康」「徳川家康と武田氏」
豊臣秀吉は天正18 年(1590)に小田原の北条氏を滅ぼすと、徳川家康を関東へ転封させ、東海地域の家康の旧領には、豊臣系大名をいっせいに配置した。駿河一国は中村式部少輔一氏に与えられ、一氏は14 万5,000 石で駿府城に入った。
この文書は、これまでは「写」では知られていたが、日付はなく、内容の記載にも誤りがあった。しかも、家康の中村氏宛の文書は極めて乏しいこともあり、静岡市が駿府の中村氏宛の家康書状「原本」を購入したことは意義が大きい。
この当時、家康は会津の上杉景勝攻めのため関東に下向しており、25 日にはいわゆる「小山評定」が行われた。江戸へ戻るため家康が小山を発ったのは8月4日であるから、この書状は 小山で書かれている。この一ヵ月半後の9月15 日には関ヶ原の合戦となっており、合戦前の 緊迫した状況下で出された書状という意味でも、貴重な文書である。
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