東京工芸大学(学長 義江 龍一郎)の名誉教授で、写真家の田沼武能氏(たぬま たけよし。以下、田沼名誉教授)がこのたび、令和元年11月3日付で、令和元年度 「文化勲章」を写真家として初めて受章することが決定しました。
田沼名誉教授は、昭和24年に東京写真工業専門学校(現、東京工芸大学)を卒業し、サン・ニュース・フォトスに入社し、同時に木村伊兵衛の助手となり写真家としての人生をスタートしました。同26年より新潮社『藝術新潮』の嘱託写真家として文化人の肖像写真による連載で注目を集め、同40年にはアメリカのタイム・ライフ社と契約し、フォトジャーナリズムの分野で世界的に活躍しました。また、同59年から黒柳徹子ユニセフ(国連児童基金)親善大使の援助国訪問に全て同行するなど、これまでの取材活動は世界各地120カ国以上に及んでいます。
同氏は90歳を超えた今日までの70年余、常に第一線の写真家として優れた作品を発表し続けながら、
平成6年に東京工芸大学芸術学部写真学科教授、同16年に名誉教授となり、長年にわたって写真教育に携わり、多くの後進の育成にも尽力してきました。
このような活動に対して、同2年には紫綬褒章、同14年には勲三等瑞宝章を受章、同15年に文化功労者に顕彰という栄に浴しています。現在も毎年のように写真展を開催するなど、精力的に活動する一方で、多年にわたり写真界の要職に就き、我が国の写真界の発展、写真文化の向上に力を尽くしてきたことが、今回の栄誉につながりました
※文化勲章の概要
文化勲章は、我が国の文化の発達に関して顕著な功績のあった者に対して授与される勲章です。受章者は、文化審議会に置かれる文化功労者選考分科会に属する委員全員の意見を聴いて文部科学大臣から推薦された者について内閣府賞勲局で審査を行い、閣議に諮り、決定されます。受章者は、毎年11月3日の文化の日に、宮中において天皇陛下から親授されます
■田沼 武能(たぬま たけよし)プロフィール
1929年 東京都に生まれる。1949年 東京写真工業専門学校(現・東京工芸大学)を卒業。同年 サン・ニュース・フォトスに入社。1950年 日本写真家協会の設立に参加。1965年 世界の子供達の姿を撮影し始める。
1984年 黒柳徹子のユニセフ親善大使就任後の親善訪問に同行をはじめる。1985年 菊池寛賞を受賞。
1990年 紫綬褒章を受章。1994年 東京工芸大学芸術学部写真学科教授に就任。
1995年(社)日本写真家協会会長に就任。(2015年退任、現在常務役員)2003年 文化功労者に顕彰される。
2004年 東京工芸大学名誉教授に就任。(現在に至る)
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