国際児童青年精神医学会、「IACAPAP 2020 World Congress」をバーチャルで開催 300人以上の講演者が、児童期および青年期のメンタルヘルス向上のための研究と臨床観察の成果を発表

国際児童青年精神医学会

From: Digital PR Platform

2020-11-13 19:12


シンガポール -Media OutReach- 2020年11月13日 - 国際児童青年精神医学会(IACAPAP)は83年の歴史において初めて、2年に一度の国際会議をバーチャルプラットフォームで開催します。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な感染拡大(パンデミック)の影響で、当初、シンガポールで開催される予定だった第24回 国際児童青年精神医学会議が、2020年12月2~4日にバーチャルで開催されます。

期間中、産学合わせて300人以上の専門家が延べ180時間にわたり200を超えるプレゼンテーションを行い、児童青年期精神医学における最新の研究やトレンドについて発表を行います。

IACAPAP 2020 国際会議の議長を務めるInstitute of Mental HealthのDepartment of Developmental Psychiatry(発達精神医学研究部)准教授兼チーフ&シニアコンサルタントのSay How ONGは次のように述べています。「今回の会議は『Starting from the beginning - laying the foundation for lifelong mental health(ゼロからのスタート-生涯メンタルヘルスの基礎を築く)』をテーマに取り上げます。これは生涯を通じたメンタルヘルスの向上のために児童青年期の早期における介入の重要性を反映したものです。

子供たちは未来を担う柱であり、健康的な生活を送って社会に大いに貢献できるようになるために十分な注意を払い、投資が行われるべき存在です。精神的な疾患は一般的に青年期に発症し、幼少期の逆境的な体験が後に精神的な障害を発症するリスクを高めることを考えれば、そうした状況にある子供たちを見つけ出してできるだけ早期に介入することが重要であり、そうすることによって子供たちがメンタルヘルスの問題にうまく対処する術を身に着け、将来遭遇するかもしれない精神的な疾患の影響を軽減する土台を築くことができます。」

IACAPAP 2020のハイライト

今回の基調講演および全体会議では、児童青年期のメンタルヘルス診療を改善するための方法を取り上げます。

基調講演は、遺伝子と環境の相互作用が脳の機能に与える影響についての幅広い研究で知られるMichael Meaney教授によって行われます。同教授は、Singapore Institute for Clinical Sciences(シンガポール医療科学研究所)のTranslational Neuroscience(トランスレーショナル・ニューロサイエンス)プログラムのディレクターを務めており、シンガポール国立大学の小児科学教授、カナダ・マギル大学の医学部教授でもあります。今回の「Developmental Processes & Epigenetics(発達過程とエピジェネティクス)」と題した基調講演では、生物科学における最新の知識を取り入れて、将来的なリスクや精神疾患の発症脆弱性が予想される環境条件にさらされた子供たちを特定する方法について語る予定です。


全体会議ではJames Hudziak博士が、神経科学に焦点をあてて、ストレスが脳の発達構造にどのような影響を与えるのか、家族を支援することで環境をどのように改善し、生活における子供たちのストレスへの対応力を高めて健康な脳の構築に役立つのか、「Building healthy brains through promoting healthy families(健全な家庭の推進を通じた健康な脳機能の育成)」と題する講演を行います。同氏は精神科遺伝学や児童青年期の行動の発達神経画像における研究は世界的に知られており、Vermont Family Based Approach(バーモント州における家族ベースのアプローチ)の考案者でもあります。

アジア各国における精神医学研修のほとんどが、圧倒的に西洋医学を志向しています。韓国の児童精神医学のパイオニアであるMichael Hong教授は、全体会議で「Clinical implications of the East-West cultural differences in Asian countries; does it really matter?(アジア諸国の臨床における東西の文化的相違に本当に重要な意味があるのか?)」と題し、こうした文化的な違いが臨床現場で何を意味しているのかについて論じます。またこの中で、研修課程に伝統文化や価値観が必須である理由や、東洋と西洋のバランスの取れた心理学を教えるための協調的な取り組みを推奨する理由についても説明します。

全体会議では、児童青年期のうつ病や双極性障害の現象学と治療に関して275本以上の論文や投稿を執筆しているGabrielle Carlson博士が「Emotionally dysregulated children: who are they, what happens to them, and what can we do about them(感情のコントロールができない子どもたち:彼らは何者で、彼らに何が起き、それにどう対処できるのか)」をテーマに取り上げ、精神疾患を抱える子供たちの現在の治療手法とその成果について発表します。

オーストラリア・シドニーのニューサウスウェールズ大学乳児・児童・青年期精神医学部長、サウスウェストシドニー児童精神医学アカデミックユニット(AUCS)長、およびBestSTART サウスウェストシドニー児童健康ユニットのディレクターを務めるValsamma Eapen教授は、全体会議で「Early life determinants of health(若齢期における健康の決定要因)」と題して、長期的な世代間格差による負のサイクルを断ち切るためには、人生の早い段階における健康決定要因に対する投資が重要であることを論じます。小児期の神経発達障害と行動障害に特に焦点をあてて、医療制度の生物心理社会的変革の目標として生物学的、社会的の両方の決定要因とその相関関係を累積的に検討します。

会議は、IACAPAPのプレジデントで、Institute of Mental Healthの医事委員会議長Daniel Fung博士によるGerald Caplan の講義で締めくくられます。「Starting small: developing child centric mental health policies(小さなことから始める子ども中心のメンタルヘルス政策の開発)」をテーマに、シンガポールを例に取り、さまざまな側面から子供を中心に据えたメンタルヘルス政策を展開する上での知見を提供します。


報道関係者の取材について

本会議は公開で開催され、報道関係者の取材が行えます。

セッションへの参加や講演者へのインタビューについては、2020年11月27日までに下記あてにご連絡の上、希望の取材登録をお済ませください。
IACAPAP 2020 World Congress 報道関係者のお問合せ先

Ai Choo QUEK (Ms)
Email: ai_choo_quek@imh.com.sg
Tel: +65 6389 2865
Institute of Mental Health

Fiona FOO (Ms)
Email: fiona_wy_foo@imh.com.sg
Tel: +65 6389 2986
Institute of Mental Health

Ms Lalitha NAIDU (Ms)
Email: LN_GOPAL_KRISHNAN@imh.com.sg
Tel: +65 6389 3887
Institute of Mental Health

主催者について

国際児童青年精神医学会(IACAPAP)は政策、実践、研究を通じて、子どもと青少年のメンタルヘルスの増進を提唱し、発達を促進することを使命としています。また、児童青年精神医学や心理学、ソーシャルワーク、小児医学、公衆衛生、看護、教育、社会科学、その他関連分野の専門家との連携に重点を置いて研究や治療、ケアを促進し、児童や青少年およびその家族に関わる精神的、情緒的な疾患や障害の予防を推進しています。

ソーシャルメディア

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Twitter: @IacapapE

Institute of Mental Health(IMH、シンガポール精神衛生研究所)は精神医療分野におけるシンガポールで唯一の三次精神医療機関です。23ヘクタールに及ぶ広大なキャンパスを持つIMHは、病院やコミュニティをベースにした環境で、精神医学、リハビリテーション、セラピーなど、学際的かつ包括的なサービスを提供しています。2000床の病院は、小児・青年科、成人、高齢者の3つの患者グループの臨床ニーズを満たすことを目的としており、医療サービスの提供だけでなく、シンガポールにおけるメンタルヘルス研究と精神医学における次世代の専門家のトレーニングをけん引しています。 (リンク »)

Singapore College of Psychiatrists.(シンガポール精神科カレッジ)のもとに設立されたSection of Child Psychiatry(児童精神医学科)は、児童及び青少年のメンタルヘルスの増進と精神的・情緒的な疾患の治療やケアの向上を目的としています。また、精神疾患の管理や治療のためのベストプラクティスガイドラインを開発する上でも、中核的な役割を果たしてきました。2014年には専門家がエビデンスに基づいたADHDの治療法を理解し、ADHDを持つ小児や青年の治療計画が立てられるようにするために、科内の精神科医グループ/医学学会と保健省によって「注意欠陥多動性障害(ADHD)に関する臨床実践ガイドライン」を発行しています。 (リンク »)

ニュースワイヤーパートナーについて

Media OutReach Newswireはアジア太平洋地域で設立された初のグローバルメディア配信企業であり、本社を置く香港のほか、シンガポール、マレーシア、ベトナム、台湾、日本に拠点を置き、北米および欧州のグローバルリセラーとパートナーシップを結んでいます。独自のネットワークでアジア太平洋地域の24カ国をカバーする唯一のグローバルメディア配信社である同社は、自社の成功の中核としてクライアントのパフォーマンスを重視すること、事業の原動力である従業員を重視すること、地域コミュニティを重視し貢献することの3つを基本的な価値観として企業を構築しています。 (リンク »)

IACAPAP CONGRESS 2020 -プログラム

第1日 -2020年12月2日(シンガポール時間GMT+8)

・0800 - 0830 オープニングセレモニー
・0830 - 0930 基調講演: Michael Meaney
Developmental Processes & Epigenetics (発達過程とエピジェネティクス)
・0930 - 1015 全体会議1: Valsamma Eapen
Early Life determinants of Health(若齢期における健康の決定要因)
・1015 - 1115 シンポジウムセッション 1 - 11
・1115 - 1145 スポンサーシンポジウム
・1145 - 1200 休憩
・1200 - 1300 シンポジウムセッション 12 - 23
・1300 - 1315 休憩
・1315 - 1400 最先端講座 1
Christel Maria Middeldorp: Psychopathology Across the Lifespan: Factors Influencing the Persistence of Childhood and Adolescent Symptoms(生涯にわたる精神病理学:児童期および青年期の症状の持続性に影響を与える要因)

最先端講座 2
Rebecca Ang: The Referral Paradox: Enhancing Support for Children and Adolescents with Mental Health Needs
(照会のパラドックス:精神保健を必要とする児童・青少年への支援強化)

最先端講座 3
Kim Bung-Nyun: New Understanding of Neurodevelopmental Disorder: Gene and Environment Interaction
(神経発達障害の新たな解釈:遺伝子と環境の相互作用)

最先端講座 4
齊藤 卓弥: Hyperscanning in social communication
(ソーシャルコミュニケーションにおけるハイパースキャニング)

・1400 - 1445 全体会議2: Eric Chen
Catching Emergent Mental Disorders in Youth: Early Intervention Paradigm in Psychosis and Youth Mental Health
(青少年の緊急精神障害の発見:精神病と青少年のメンタルヘルスにおける早期介入のパラダイム)
・1445 - 1530 全体会議3: Michael Hong
Clinical Implications of the East-West Cultural Differences in Asian countries; Does it really matter?
(アジア諸国の臨床における東西の文化的相違に本当に重要な意味があるのか?)


IACAPAP CONGRESS 2020 -プログラム

第2日 -2020年12月3日(シンガポール時間GMT+8)

・2100 - 2145 全体会議4: Gabrielle Carlson
Emotionally Dysregulated Children: who are they, what happens to them, and what can we do about them?
(感情のコントロールができない子どもたち:彼らは何者で、彼らに何が起き、それにどう対処できるのか)
・2145 - 2230 全体会議 5: James Hudziak
Building Healthy Brains Through Promoting Healthy Families
(健全な家庭の推進を通じた健康な脳の育成)
・2230 - 2245 休憩
・2245 - 2345 シンポジウムセッション 1 - 12
・2345 - 0015 (Dec 4) スポンサーシンポジウム
・0015 - 0030 (12/4) 休憩
・0030 - 0130 (12/4) シンポジウムセッション 13 - 24
・0130 - 0145  (12/4) 休憩
・0145 - 0230(12/4) 最先端講座 5
Myrna M. Weissman: 30 Years of Studying Families at Risk for Depression (うつのリスクにある家族に関する30年間の研究成果)

最先端講座6
Robert Hendren: Enhancing Neurodevelopmental Resilience from Conception to Adulthood
(受胎から成人までの神経発達学的耐性の強化)

最先端講座7
Andria Amador: Role of School in Mental Healthcare
(メンタルヘルスケアにおける学校の役割)

最先端講座8
Karl Tomm: Generative Questions in Clinical Interviewing
(問診における生成的質問)

最先端講座9
Paul Plener: Non-suicidal Self Injury: A New Normal or an Epidemic?
(非自殺的自傷行為:ニューノーマルか一過性の流行か)

・0230 - 0315 (Dec 4) 全体会議 6: Guilherme V. Polanczyk
Promotion of Development and Prevention of Mental Disorders
(発達の促進と精神障害の予防)

IACAPAP CONGRESS 2020 -プログラム

第3日 -2020年12月4日(シンガポール時間GMT+8)

・1600 - 1645 全体会議 7: Olayinka Omigbodun
・1645 - 1745 シンポジウムセッション 1 - 12
・1745 - 1800 休憩
・1800 - 1900 シンポジウムセッション13 - 24
・1900 - 1930 スポンサーシンポジウム
・1930 - 1945 休憩
・1945 - 2030 最先端講座 10
Kai von Klitzing: Infant Psychiatry and Psychotherapeutic Interventions in Early Childhood
(幼児期における乳児精神医学と心理療法的介入)

最先端講座 11
Christina Schwenck: Selective Mutism: What We Have Learned So Far (選択性緘黙に関するこれまでの研究成果)

最先端講座12
Cecilia Essau: Challenges and Opportunities in Adapting Evidence-Based Interventions for the Prevention of Youth Anxiety and Depression Across Cultures
(文化の枠を超えた青少年の不安とうつの予防のためのエビデンスに基づいた介入の適応における課題と可能性)
・2030 - 2045 休憩
・2045 - 2145 Gerald Caplan 講義
Daniel Fung: Policy for Child and Adolescent Mental Health」
(児童および青少年のメンタルヘルスのための政策)
閉会あいさつ


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