酪農学園大学の長谷川靖洋助教が、世界的に増加しているブロイラーの異常胸肉に関する研究報告を発表 -- 同大の全学的な取り組みの成果、国際学術雑誌『Animal Science Journal』に掲載

酪農学園大学

From: Digital PR Platform

2021-02-16 20:05




酪農学園大学(北海道江別市)食と健康学類応用生化学研究室の長谷川靖洋助教による、ブロイラー(肉用鶏)の異常硬化胸肉に関する研究報告が、このたび、国際学術雑誌『Animal Science Journal』に掲載された。ブロイラーの異常硬化胸肉は世界中で報告が増えており、同大ではプロジェクトチームを作り全学的な取り組みを行っている。今回の研究報告は、その成果の一つとなるもの。論文では、異常硬化胸肉中に加齢マーカーとして有名なリポフスチンが蓄積していること、さらにその蓄積量が胸肉の異常な硬さと高い相関を示すことを世界で初めて報告した。




 2015年頃から世界中の養鶏場で胸肉に異常を認めるブロイラーの報告が増えており、日本の養鶏場でも発現が報告されている。発現した胸肉は廃棄、または品質低下による価格の下落といった経済損失が生じるため、大きな問題になっている。
 酪農学園大学では、循環農学類、食と健康学類、獣医学類の3学類の教員が現場の獣医師とプロジェクトチームを作り、同大フィールド教育研究センター(FEDREC)肉畜生産ステーションの鶏舎を活用した胸肉異常の再現実験と、大学の研究施設を利用した科学的解析ならびに解決方法の開発に取り組んでいる。
 このたび研究成果の一つとして、異常胸肉にリポフスチンが蓄積していることを発見。研究報告「Accumulation of lipofuscin in broiler chicken with wooden breast」は、国際学術雑誌『Animal Science Journal』に掲載された(10.1111/asj.13517)。


 今回の基礎研究により、ブロイラーの異常硬化胸肉の原因が明らかになりつつあり、原因が明確になれば飼料や飼育方法等で対処することが可能となる。

●長谷川靖洋助教のコメント
 ニワトリは数ある畜産動物のなかでも世界的に群を抜いて飼養数が多い家畜です。さまざまな気候に順応して、世界中で飼育されています。また、ウシやブタに比べて食のタブーが少なく、さまざまな国の貴重なタンパク質資源です。このために産業的に積極的な育種改良が進められ、胸肉歩留まりの高い個体を生み出してきました。
 ブロイラーの異常硬化胸肉は、このような背景のもとで進められた育種改良の結果です。我々は2015年から現場の獣医師、獣医学者ならびに畜産・食肉の研究者で研究チームを組織して、日本国内でのブロイラー異常硬化胸に関する研究を積極的に展開してきました。研究報告は本論文で7報目となります。

■酪農学園大学におけるブロイラーの異常胸肉研究プロジェクト
 酪農学園大学は、畜産現場と獣医・畜産・食肉といった研究者が、垣根なく畜産の課題(問題)に取り組むことが可能な研究機関であり、同プロジェクトは2018~2020年の3年間、学内共同研究課題に採択され、研究費を獲得して研究を展開することができた。
 共同研究チームには、山田未知准教授(循環農学類、中小家畜飼養学)、岩崎智仁教授(食と健康学類、応用生化学 ※「崎」は正しくは「たつさき」)、長谷川靖洋助教(食と健康学類、応用生化学)、細谷実里奈助教(獣医学類、獣医解剖学)、渡邉敬文准教授(獣医学類、獣医解剖学)の学群・学類を横断する5名が参加。ブロイラー生産現場の問題を研究し、その成果を学術論文を介して、日本国内だけではなく世界中の生産現場に還元している。
 世界中の鶏肉の安定供給への貢献を目指す同プロジェクトは、これまでにも以下の通り複数の国際論文を発表している。

(関連論文の概要)
・Effect of wooden breast on postmortem changes in chicken meat, Food Chemistry,
  (リンク »)
・Physiological and pathological mitochondrial clearance is related to pectoralis major muscle pathogenesis in broilers with wooden breast syndrome, Frontier in physiology,
  (リンク »)
・Nutrition during the early rearing period affects the incidence of wooden breasts in broilers, Journal of Poultry Science,
  (リンク »)

【参考】関連記事(酪農学園大学HP)
◆2021.02.15 世界中で発生しているブロイラーの異常胸肉研究プロジェクトの紹介 ― 循環農学類・食と健康学類・獣医学類の協働による安定的な鶏肉の生産に向けた取り組み ―
  (リンク »)
◆2020.10.27 学内共同研究成果報告会を開催しました
  (リンク »)

▼本件に関する問い合わせ先
 酪農学園大学 農食環境学群 食と健康学類
 応用生化学研究室 助教 長谷川靖洋
 〒069-8501 江別市文京台緑町582番地
 TEL:011-388-4903
 E-mail: hasegawa@rakuno.ac.jp


【リリース発信元】 大学プレスセンター (リンク »)
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