アルプスアルパイン株式会社(以下、「アルプスアルパイン」)は、Wi-Fi®アクセスポイント位置情報の精度向上とお客様側でのシステム構築・運営を簡略化するクラウドサービスMonoTra™を開発しました。屋内外を往来するような通信状態が安定していない環境での移動を要する「モノ」においても、正確な位置情報が取得できます。位置情報精度の向上には、屋内や建物が密集した都市部などさまざまな環境で正確な位置情報を取得できるSkyhook Wireless, Inc.,(以下、「Skyhook」)の精密測位システム、Precision Location ソリューション※1を採用しました。本サービスは物流トラッカー向けとして2021年3月より販売を開始しました。
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アルプスアルパインでは、位置情報をIoTやDXで活用可能な一要素として捉えて、幅広い市場に向けたさまざまな技術開発をグローバルで各社と協業して進めています。
この度、当社が新たに開発したMonoTra™は、屋内外を往来するような通信状態が不安定な環境での移動を要する「モノ」においても、正確な位置情報の取得を可能とするクラウドサービスです。2021年3月より当社の物流トラッカー向けとして販売を開始しました。本サービスを導入することにより、物流トラッカーの位置情報の精度向上およびシステム構築・運用を簡略化し、お客様により高品質かつ扱いやすい物流資材管理ソリューションを提供します。
物流トラッカーは、Wi-Fi®アクセスポイント※2のMACアドレス※3を利用することで物流資材の位置を把握しています(図1)。MonoTra™では、SkyhookのPrecision Location ソリューションを採用し、同社がグローバルに保有する54億以上のWi-Fi®アクセスポイントのデータを活用することで、位置情報の精度向上を実現します。加えて、プライベートデータベースを提供しており、お客様自身でWi-Fi®アクセスポイントの位置情報を登録いただくことで、更なる位置精度の向上を可能としています。
さらに、従来は物流トラッカーを使用するために、お客様にて回線契約やデバイス登録、データ取得のシステム構築等を行っていただく必要がありましたが、MonoTra™を利用することでそれら煩雑な作業が不要となりシステム構築が簡略化されます。また、お客様が物流トラッカーからの情報を可視化しやすいように、事前に加工処理したデータを提供する独自のAPI※4も用意しており、システム開発を効率的にします。
物流トラッカーは既に欧州大手物流会社など多くの海外企業をはじめ、国内ではAGC株式会社のガラス運搬用パレットに採用されており、累計で25万台以上の市場実績があります。本サービスの導入により、物流トラッカーをよりお客様が扱いやすいソリューションへと進化させることで更なる市場拡大を図り、物流課題の解決に貢献します。また、物流トラッカーへの導入に限らず、Wi-Fi®アクセスポイントによる高精度な位置情報を活用したさまざまなアプリケーション展開も検討します。
※1 Wi-Fi®、GNSS、携帯電話の3つの信号を利用することで、どのような環境下においても対象の
位置を特定するシステム(MonoTra™ではWi-Fi®の信号のみを利用)
※2 Wi-Fi®端末がネットワークに接続する際の、接続先となる機器
※3 ネットワーク機器に割り当てられた固有の識別番号
※4 Application Programming Interfaceの略。ソフトウェア間で機能を共有するためのインターフ
ェース仕様
図1 MonoTra™を導入した物流トラッカーの利用方法
(リンク »)
① 物流資材に物流トラッカーを装着
② 物流トラッカー内の加速度センサとタイマーにより、物流資材の特定の動きパターンを検知
③ 物流トラッカーの周辺にあるWi-Fi®アクセスポイントのMACアドレスを2つ取得
④ 取得したMACアドレスを、Sigfox基地局を経由してSigfoxのクラウドへ送信
⑤ Sigfox基地局情報から物流トラッカーの位置を推定
⑥ 物流トラッカーから受信したデータと位置推定結果をアルプスアルパインのクラウドへ送信
⑦ SkyhookのPrecision Locationソリューションを活用し、③で取得したMACアドレスから物流トラ
ッカーのより詳細な位置を推定
⑧アルプスアルパインのクラウドにアクセスして情報(緯度・経度・時間など)を取得
※お客様にてデータの可視化および分析(時系列で地図上に表示、滞留分析など)を実施
以上
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