1.DXへの取り組みと課題
近年、多くの企業がデジタルトランスフォーメーション(以下DX)に取り組んでいます。DXは、事業革新を目指すもので、業務・事務の効率化を主体とする従来のIT投資の域を大きく超える取り組みです。
DX実現の鍵となるのが、予見や新たな知見を得るデータ活用であり、それに基づくデータ駆動経営です。しかし、この実現には、目標設定が難しいDX戦略の立案、データ群の異なるシステムへの分散と集約の困難さ、データ活用環境構築コストや迅速なチューニングを要するロジック開発コストの増大、DX人材の不足等、多くの課題があります。
データを活用する場合、まず環境を用意して、データを収集/加工し、分析のためのAIモデルやロジックを構築します。次に、その成果を利用するためのアプリケーションやAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を開発します。ユーザ管理や権限管理、保守運用やセキュリティ対策なども必要となります。そして、最終的な業務利用/サービス運用に至る長い道のりの中で、以下のようなさまざまな課題・問題に直面します。
・データが散在、システムから取り出せない
環境整備からデータの収集、分析に膨大な時間とコストを要し、なかなか業務利用にたどり着かない
クラウドの利点は理解しているが扱える体制がなくセキュリティも不安。オンプレミス(社内のシステム環境)の保守で手一杯
・PoC(Proof of Concept:概念実証)疲れ
PoCで効果を検証できても、開発コストが膨大でROI(投資利益率)を得られない
さまざまなツールを導入しデータ利用環境を整備したがデータ連携やユーザ習熟が進まず利用されない
・人材不足
データ分析、AI人材が社内に不足し外力頼み。結果、内製化が進まない 等
2.クラウドBDAサービス「ForePaaS」
クラウドBDAサービス「ForePaaS」では、データ活用の流れをオールインワンで、かつ、高度なプログラミングのスキルがない人でも簡単に開発できる環境を運用保守含め提供します。低コストかつ高速、安全にデータ活用のサイクルを回して、自らイノベーションを創出することが可能です。
すべてが統合されたプラットフォーム
例えば、AIモデリングは○○製品、ダッシュボードは××製品など、複数のツールを導入すると、操作性が異なり習熟に時間を要することに加え、各ツール間のデータ連携や加工に予想以上の手間とコストが必要となります。ForePaaSは、データ収集・加工からAIモデリングやアプリケーション作成、チーム管理まで、データ活用プロジェクトの全てをカバーし、QCD(品質、コスト、期間)を大幅に向上させることが可能です。既に他のツールを導入されている場合も、豊富なインターフェースにより総合的に活用することができます。
ユーザ管理、運用保守などビジネス適用までカバーしたオールインワン
データ活用プロセスだけでなく、ユーザ認証や権限管理、計算リソースの管理、運用保守まで、運用に必要な仕組みまでをトータルで提供します。PoCで確認された成果を、環境を拡張することでシームレスにビジネス適用につなげることが可能です。また、APIを介して既存の業務システムや認証基盤とも柔軟な連携が可能です。
高セキュリティ
プラットフォーム上で保管するデータは、FISC(金融機関等コンピュータシステムの安全対策基準)に準拠したセキュリティレベルで保護されます。セキュリティ面に関するさまざまやご心配やご要望についても、オプションサービスの利用により、解消・改善を図ることができます。
誰でも簡単に使え、データ分析の民主化を実現
シンプルかつ分かりやすいデザインで、プログラムなし=GUIで簡単に利用できるので、誰でも簡単にデータ活用プロジェクトを開始することができます。データ分析やプログラミングのスキルがあるハイレベルなユーザはもちろん、高度なプログラミングのスキルがない人でもカスタマイズが可能です。データ駆動型経営への近道は、業務をよく知るユーザが、自らの手でデータを活用することです。
スピーディーな導入とPDCAサイクル
環境設定は数日で完了します。また、データ活用プロジェクトのためのオールインワンプラットフォームであり、推進の鍵であるPDCAサイクルを高速に回すことが可能です。最初から重厚なデータベース/データウェアハウスを作ることや、データ活用のツールを取りそろえることを目的にするのではなく、ユーザの小さなアイデアを気軽に形にできる環境提供こそがイノベーションへの近道です。
3.サービス提供体制
本サービスはMRIと業務資本提携先であるForePaaS社の製品を活用し、三菱総研グループ企業である三菱総研DCS株式会社、日本ビジネスシステムズ株式会社と共同で提供するクラウドサービス(PaaS)です(クラウドはマイクロソフト社Azure日本リージョンを使用)。
4.今後の展開
MRIはこれまで、お客さまの経営戦略に寄り添い、課題解決型のDX戦略の策定から、データ活用戦略立案、環境構築の支援、さらにはお客さまに伴走しながらデータ活用スキルの移転、データサイエンティスト育成を支援してきました。本サービスをラインナップに加えることで、今後は、データ活用に関する戦略立案から、事業革新、AI活用のプラットフォームまでワンストップで提供し、お客さまのデータ駆動経営の実現、デジタルトランスフォーメーションのさらなる加速を支援します。
参考情報:
三菱総合研究所、仏ForePaaS社と業務資本提携
データ駆動経営をワンストップで支援、DX推進を加速します
(リンク »)
「データ駆動型事業運営」シリーズ 第4回:データ分析環境を高度化する「民主化基盤」
(リンク »)
三菱総研グループDX事業コンセプトのご紹介
(リンク »)
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