はじめに
今回からは、2021年に公開された論文「CliqueMap: Productionizing an RMA-Based Distributed Caching System」を元にして、Google社内で使用されているインメモリ分散キャッシュシステム「CliqueMap」のアーキテクチャーを紹介します。CliqueMapでは、ネットワーク経由でサーバーのメモリーにアクセスする「RDMA(リモート・ダイレクトメモリアクセス)」の技術を利用することで、一般的な分散キャッシュシステムよりも高い性能を実現しています。今回は、RDMA技術の概要を説明した上で、CliqueMapでどのようにRDMAが利用されているのかを紹介します。
RDMA技術の概要
はじめに、RDMA技術の概要を簡単に説明しておきます。RDMAは、サーバー上で稼働するプロセスのメモリ領域をネットワーク経由でアクセス可能にする技術です。Google社内では、Pony Expressと呼ばれる独自のRDMA技術が用いられており、サーバー上で稼働するプロセスは、自身が管理するメモリの指定部分を(L2レイヤーの)ネットワーク経由で外部に公開することができます。他のサーバー上のプロセスは、RDMA用の仮想メモリアドレスを指定して、公開されたメモリ領域のデータにネットワーク経由でアクセスします。
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