LONDON and TOKYO, 2023年2月21日 - Georgeson 「2022年日本定時株主総会シーズンレビュー」の調べによれば、日経平均採用銘柄の、2022年の定時株主総会における争点決議件数は321件に上り、246件だった2021年から3割強(30.5%)増加したことが判明しました。
本レポートによると、10%以上の反対を受けた「争点決議」のうち、取締役選任の占める割合は85%に上ることがわかりました。
また、外部からの買収を防ぐことを目的とした「ポイズンピル」決議は、引き続き高い水準で株主の反対を受けており、それらの提案に対して40%の株主が反対票を投じていることが明らかになりました。昨年は、3社が買収防衛策を提案、いずれもプロクシー・アドバイザーのISSおよびGlass Lewisは反対を推奨しました(これは2020年、2021年と同数)。
GeorgesonのグローバルCEOであるCas Sydorowitzは、次のように述べています。「株主のポイズンピルに対する反対意見が全体的に増加している背景には、企業が将来の発展と拡大を理由に、株式の希薄化を防ぎ、買収の防衛を図るための措置を講じていることに対する反動と捉えることができます。
取締役選任決議案の争点数の増加は、政策保有株式の過度な保有が認められる場合において、投資家による政策株の持ち合いに関する監視の目が厳しくなったことが一因と考えられます。
また、2021年のコーポレートガバナンス・コードの改訂と東京証券取引所の市場再編は、日本の企業および政府にとって世界の投資家が高い優先度を持つことを世界に示すものでもあります。」
本レポートによると、プロクシー・アドバイザーが支持しなかった決議の多くは、投資家から高い反対を受けており、このことはプロクシー・アドバイザーによる分析と推奨が、機関投資家の議決権行使の判断に影響を与えていることが示唆されます。
Georgesonによるデータ分析により、更に以下事項が明らかになりました:
日経平均採用銘柄の内、争点となった決議事項が1件以上あった企業の割合は2021年の40.2%に対し、54%となった
2022年の定時株主総会シーズンにおいて、経営陣が提案した決議で否決されたものはなかったものの、日経平均採用銘柄の内、60%未満の支持に留まったものは数件散見された
2021年以降、日経平均採用銘柄の取締役選任が争点となった決議は38.4%増加した
争点となった役員報酬決議の割合は、2021年の18.4%(98件中18件)から2022年には7.2%(111件中8件)に減少した
環境・社会(E&S)関連の株主提案は、2021年の23件から2022年には30件に増加した。最も多かったのは、原子力施設の段階的廃止に焦点を当てたものだった(昨年中に12件)
日経平均採用銘柄の内、222社が定款変更決議、221社が取締役選任決議を行った。その他で決議が多かったのは、利益配分に関する決議(155社)、監査役選任に関する決議(103社)だった
日経平均銘柄の大多数(83%)が6月に総会を開催、その内、相応の割合(21%)が日本の定時株主総会シーズン終了1日前の6月29日に開催することを選択した
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備考
Georgesonは、日本の2022年の定時株主総会シーズンを2021年7月1日から2022年6月30日と定義しています。
2022年1月1日時点で日経平均採用銘柄は224社でした。 Nippon Expressホールディングスは、2022年1月5日に追加されたものの、今回のサンプルからは除外しております。
本レポートに係わる取材は、上記メディア問い合わせ先宛て照会ください。
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