マーケティング担当者にとって、
「責任あるマーケティング」、「AIによる効率化」、「コンプライアンス」、「技術集約」
が来年の最重要課題に
AIおよびアナリティクスのリーディング・カンパニーである米国SAS Institute Inc.(以下 SAS)は、生成AIの台頭、マーケティング予算の削減、マーテックの乱立に対する懸念の中、2024年に向けたマーケティングに関する予測を発表しました。
詳細なトレンドと予測については、SASによる2024年の予測( (リンク ») )をご覧ください。
責任あるマーケティングの浸透
責任あるマーケティングは、目新しいものではありません。しかし、経済の先行き不透明感、デジタル消費者の増加、それに伴う顧客データの急増、個人情報保護への配慮は、責任あるマーケティングの基本的な考え方、すなわち顧客データとテクノロジーの責任ある利用、法令遵守、倫理的事業活動、社会的に弱い立場に置かれた人々の保護、企業の社会的責任の推進が、マーケティング組織にとってこれまで以上に不可欠であることを改めて明確に示しています。
―SASの エグゼクティブ・バイスプレジデント兼SAS最高マーケティング責任者、ジェニファー・チェイス(Jennifer Chase)
コンプライアンスによって試されるガバナンス
データの非推奨化、ゼロソースや ファーストパーティソース、さらにはデータクリーンルームやネットワーク、データ交換といったセカンドパーティソースが新たに重視されるようになったことで、ブランドはデータガバナンスやセキュリティ、プライバシーのあり方を再考する必要に迫られています。また、包括的なデータコンプライアンスを実施している企業もあれば、そうでない企業もあります。少なくとも今はまだです。2024年も、国際的、各国内、地方自治体のデータ関連規制の策定が続き、これがデータガバナンスの実践をさらに後押しすることになるでしょう。企業は、責任あるマーケティングの概念、特に顧客データやマーケティングデータを責任ある方法で使用するデータの要素に注目し、問題を回避する必要があります。2024年は、各企業が自社のデータプロセスをしっかりと見直す時期になるでしょう。
― SASのマーテック・ソリューション・マーケティング責任者、ジョナサン・モラン(Jonathan Moran)
GenAIの導入で重要度の高い仕事に専念
この1年間、私たちは生成AIのモデル開発と普及において、目覚ましい進歩を目の当たりにしました。OpenAIのChatGPTアプリケーションは、わずか2か月で1億人のユーザーを獲得し、一般ユーザーがこのテクノロジーを利用できるようになりました。2024年に向けて、マーケティング担当者は、特に生産性と創造性の向上という点で、このテクノロジーから実際に具体的なメリットを得られる可能性を手にしています。マーケティングの反復作業を自動化し、データ分析と活用を促進し、キャンペーンとカスタマージャーニー管理を合理化してくれる、AI搭載型アシスタントが登場するでしょう。GenAIの利用により、人が重要度の高い仕事に専念し、効率性と創造性を追求できる新たな時代になるのです。
― SASのカスタマー・インテリジェンス・システム・エンジニア、マック・カールトン(Mac Carlton)
CMOは技術集約に照準を
CMO Councilによる2023年の調査では、マーテックの課題トップ6のうち3つが、CX/マーテックの未統合、顧客データソースの統合、技術的俊敏性の欠如でした。このため、マーテック・プラットフォーム・ソリューションにポイントソリューションを統合しやすくする機能を求めるCMOにとって、マーテックの集約が重要な課題になりつつあっても不思議ではありません。これは2024年に、マーケティングのROIを向上し、CMOが既存のアプリケーションの利用率を高められるようになると同時に、必要な技術的俊敏性を獲得する道を開くでしょう。
― SASのカスタマー・インテリジェンス、プリンシパル・プロダクト・マーケティング・マネージャー、リサ・ロフティス(Lisa Loftis)
AI活用による顧客対応が会話型マーケティングを促進
消費者やオーディエンスが、回答や対応、提案を「すぐにほしい」と求めるようになると、これまでは主にカスタマーサポート用のチャットボット形式だったバーチャルアシスタントは、「会話型マーケティング・エンゲージメント・マシン」へと進化していくことになるでしょう。 このマシンの利用により、リアルタイムで個々のカスタマージャーニーの変遷を追跡して、コンバージョンイベントの高速化・効率化、パーソナライズ、クロージングを支援するとともに、顧客満足と長期的なロイヤリティにつなげられるようになります。
― SASの通信業界リード、マリ・ニルソン・ビョルクマン(Mari Nilsson Björkman)
AI開発は後戻りできない
2023年、AIはコールセンターとチャットボットにおいて、実験段階から本格的な実用段階に入りました。2024年には、こうした分野でAIの利用が拡大し、テクノロジーの対話能力と共感性が向上することで、こうしたサービス機能に接する顧客の満足度も向上し続けると考えられます。また、チャットボットはサービスのサポートから会話型マーケティング・アプリケーションに移行していくでしょう。このアプリケーションは、ユーザーの嗜好(ゼロパーティデータ)を収集し、ユーザーごとの操作やニーズに基づいて製品やサービスを推奨するようになります。また、AI活用の第二波が主流になるでしょう。これには、Webサイトでの購買体験のパーソナライズや、携帯電話やウェアラブル端末などのプラットフォームに搭載される組み込み型AIなどの技術が挙げられます。
― SASのカスタマー・インテリジェンス・グローバル・プラクティス、プリンシパル・ビジネス・アドバイザー、マイク・ターナー(Mike Turner)
CDP業界を揺るがすコンポーザビリティ
160社以上のベンダーが存在し(CDP Institute)、2027年の売上高は190億ドルに達すると推定される(Markets and Markets)この業界では、新たなトレンドや機能に関してベンダーが差別化を追求し続けることは必至です。これまでのところ、市場は問題なく存続してきましたが、コンポーザビリティという概念の中でも、特にアプリケーションとデータの親和性という点が、この状況を変える可能性があります。現在まで、CDP業界に目立った将来予測は存在していませんが、これは注視すべきトレンドです。
― SASのカスタマー・インテリジェンス、プリンシパル・プロダクト・マーケティング・マネージャー、リサ・ロフティス(Lisa Loftis)
ハイパー・パーソナライゼーションが企業の差別化要因に
不特定多数を対象にしたマーケティング・キャンペーンの時代はとうの昔に終わりました。パーソナライゼーションに関するマッキンゼーのレポート( (リンク ») )によると、78%が、パーソナライズされたコンテンツによって、その企業から再購入する可能性が高まったと回答しています。また、今年のCMO Council( (リンク ») )のレポートによると、企業はコストの重要度を下げ、差別化の手段としてパーソナライゼーションを重視していると明確にしています。真の顧客理解に時間と労力を投じるのは、当然のことです。GoogleのCookieが廃止された今こそ、AIとともにファーストパーティデータを活用し、有意義な関係や信頼の構築に役立てるチャンスです。ブランドを信頼する顧客は、ブランドが顧客の嗜好に真に沿ったコンテンツを提供するうえで役立つ個人情報を進んで共有するようになります。引いてはブランドの信用度を高め、顧客がロイヤリティの高いリピーターになる可能性を高められるのです。
― SASのカスタマー・インテリジェンス・プロダクト・マーケティング・マネージャー、ジェニファー・ピアソン(Jennifer Pearson)
SASのマーテック・ソリューション の詳細についてはこちら( (リンク ») )をご覧ください。
*2023年12月12日に米国SAS Institute Inc.より発表されたプレスリリースの抄訳です。
(リンク »)
本原稿はSAS本社プレスリリースの原稿を抄訳したものです。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語を優先します。
SASについて
SASは、アナリティクスのリーディング・カンパニーです。SASは、革新的なソフトウェアとサービスを通じて、世界中の顧客に対し、データをインテリジェンスに変換するためのパワーとインスピレーションを届けています。SASは「The Power to Know®(知る力)」をお届けします。
*SASとその他の製品は米国とその他の国における米国SAS Institute Inc.の商標または登録商標です。その他の会社名ならびに製品名は、各社の商標または登録商標です。
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