株式会社enechain (本社:東京都港区、代表取締役:野澤 遼) は、開発提供する日本の電力市場に特化した初のリスク管理アプリケーション「eScan」を、株式会社リミックスポイントが導入したことを発表します。
「eScan」は、発電事業者や電力小売事業者の電気のポートフォリオが抱えるリスクを診断し、定量的に評価するウェブアプリケーションです。需給ポジションと最新の価格データを基に、粗利益やEaR (Earnings at Risk ※1) をデイリーで定量化するだけでなく、販売・調達条件に応じたシミュレーションや、市場高騰時のストレステスト、販売提案・料金メニューを策定する料金メニュー検討など、リスク管理や営業に必要な機能を体系的、網羅的に提供しています。
リミックスポイントは、電力市場や顧客ニーズの動向、変化を速やかに捉え、他社に先駆けて新プランやサービスに落とし込むことで、電力小売事業の持続的・安定的な成長の実現を目指しています。同時に、お客様に安定的に電力をお届けするために、適切なリスク管理の実行が、事業運営上の最重要課題であると認識しています。
今回、営業競争力向上と、より一層お客様に安心いただけるリスク管理体制の構築を目的として、ETRM(Energy Trading and Risk Management ※2)と呼ばれるリスク管理システムを比較検討し、「eScan」を導入することに決めました。
発電事業者や電力小売事業者は、市況が高騰し仕入れと販売が逆ざやになるリスクや、不況などで需要が低下し不良在庫を抱えるリスクなど、様々なリスクを常に抱えています。エネルギー事業はその規模が大きいため、リスクが顕在化した際には巨額の損失を被る一方で、これまでその複雑なポートフォリオに潜むリスクを定量的に診断する日本の電力市場に特化したアプリケーションは存在しませんでした。
昨年春enechainが提供を開始した「eScan」は、日本より15年以上前に電力自由化した欧米で確立された最先端の金融工学の理論を基に、日本の電力業界ならではの規制や商慣習も考慮し、利用企業が抱えるリスクを診断でき、現在トライアルを含め十数社にご利用いただいています。「eScan」は、enechainが市場参加者のニーズに合わせて開発する、決済機能、取引支援アプリケーション、データサービスといった、エネルギー取引を支援する付加サービスのひとつです。
「eScan」は、enechainのデータサービスである「eCompass」と連携しているため、データを手入力することなく、常に最新の電力、燃料の将来価格を基にしたポートフォリオの収益やリスク状況をシミュレーションすることが可能です。
また、販売提案に伴う検討メニューの経済性や競合優位性を即座に評価でき、競争力のあるメニューを迅速に負荷少なく提案できるようになりました。
enechainは、電力から燃料、環境価値まで、あらゆるエネルギーの価値を交換できる、誰にも開かれたフェアなマーケットを通じて、日本の豊かな経済とサステナブルな社会を実現することをミッションに掲げています。主力の卸電力の取扱高は累計2兆円に迫り、エネルギーのヘッジマーケットとしては日本最大を誇り、世界のエネルギー価格の変動が国内の電力業界に与える影響を最小化し、ひいては日本経済の安定化に貢献しています。昨年取り扱いを始めた環境価値取引も、累計取扱高と取引事業者が順調に増えており、脱炭素社会の実現を支える取り組みも着実に進めています。
※1 EaRは、過去の実績に基づき、将来の市場価格の確率分布を想定し、小売電気事業者にとって不利な方向に大きく価格が変動した場合に、どの程度の損失が生じうるかを、その確率とともに定量化したもの
※2 ETRMは、電力・燃料(石炭、石油、ガス等)に係る各種取引とリスク管理のこと
プレスリリース提供:PR TIMES (リンク »)
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