アリババグループのデータ・インテリジェンスの中枢であるアリババクラウドは本日、独自の大規模言語モデル(LLM)ファミリーであるQwen(別名「通義千問(Tongyi Qianwen)」)の重要なマイルストーン達成を発表しました。2023年6月以来、Qwenファミリーはアリババクラウドの生成AIプラットフォームである「Model Studio(モデルスタジオ)」を通じて、家電、自動車、ゲームなど、幅広い業界で9万社以上の企業導入を実現しました。この圧倒的な導入実績は、Qwenが中国で最も注目されているLLMの一つであることを裏付けています。
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AIソリューションに対する需要の高まりを受け、アリババクラウドはQwenモデルファミリーの最新追加製品であるQwen2.5を発表しました。さらに、同社はオープンソースコミュニティへのコミットメントに基づき、一連の新しいQwenモデルをリリースし、企業ユーザーからの急増するAI需要に対応するために、新しいAI開発リソースを備えたModel Studioをアップグレードしました。
アリババクラウドインテリジェンスの最高技術責任者(CTO)の周 靖人(Jingren Zhou)は、次のように述べています。
「アリババクラウドの大規模言語モデルQwenファミリーが企業顧客に受け入れられ、幅広い業界から非常に多くの創造的なアプリケーションを目にし、その力強い成長を目の当たりにすることは、刺激的な経験でした。一方で、当社は顧客により革新的なサービスが提供できるよう、モデルの機能強化とAI開発サービスの拡充に努めています。引き続き、オープンソースコミュニティへ多様なAIモデルを提供し続け、生成AI開発の急速な成長に伴う巨大な機会を捉え、顧客や開発者との協力をさらに深めていくことを楽しみにしています。」
Model Studioによる企業ユーザーのQwen採用拡大
Qwenファミリーは、2023年6月にAI開発プラットフォームModel Studioを発表して以来、驚異的な成長を遂げており、9万以上の企業ユーザーに導入されています。また、220万以上の企業ユーザーが、アリババのインテリジェント・コラボレーション・ワークプレイスおよびアプリケーション開発プラットフォームであるDingTalkのQwen搭載AIサービスにアクセスしています。
一方、オープンソースのQwenシリーズは、5億から1,100億パラメータまでの幅広いモデルを提供しており、Hugging FaceやGitHubなどのプラットフォームで700万回以上のダウンロードを記録しました。
さらに、アリババクラウドが主導する中国最大のAIモデルコミュニティであるModelScopeは、現在4,000以上のモデルを収容し、過去数年にわたって積極的に活動する約500万人の開発者ベースを有しています。
コンシューマーエレクトロニクスとゲーム産業におけるQwenの統合
コンシューマーエレクトロニクスとスマート製造のリーダーであるシャオミ(Xiaomi)社は、アリババクラウドのモデルを同社のAIアシスタントである「Xiao Ai」に統合しました。この統合により、最新のスマートフォンシリーズとスマート電気自動車の画像生成と理解などの機能を強化しました。Xiao Aiは音声コマンドだけで車のインフォテインメント・システムに画像を生成し、乗客にインタラクティブなエンターテインメント・オプションと車内体験を提供します。
さらに、Xiaomiのスマートフォンユーザーは、アリババクラウドの画像生成モデルである通義万相(Tongyi Wanxiang)と高度な視覚言語モデルであるQwen-VLを利用して、ビジュアルの作成、写真の分析、料理画像からのレシピ生成など、さまざまなアプリケーションを利用することができ、これらすべてがユーザー体験全体の向上に役立ちます。
また、中国のゲーム会社パーフェクト・ワールド・ゲームズ(Perfect World Games)社は、Qwenをゲーム開発に統合しました。クラウドとAIの能力を組み合わせることで、プロット、会話、オーディオ、アニメーションの生成など、ゲーム開発の複数の分野でプラスの効果をもたらしています。両社は今後、AI NPC(ノン・プレイヤー・キャラクター)、リアルタイムコンテンツ生成などのゲーム要素で協業を深め、ゲームプレイにおけるAIを共同で探求していきます。
法人向けModel Studioの充実
アリババクラウドは、2022年以来、開発者向けにAIモデル開発を簡素化し、AIイノベーションの創出を可能にするフルスタックのサービスを提供しています。モデルのトレーニングと推論の費用対効果と効率性さらに高めるため、生成AIモデルおよびアプリケーション開発プラットフォームであるModel Studioをアップデートし、より広範で洗練されたモデルとAIツールおよびサービスを提供しています。
開発者は現在、Baichuan AIなどのAI企業が提供する高水準のサードパーティーモデルにアクセスできます。Model Studioの幅広いポートフォリオは、さまざまなサイズのQwenを含む100以上のモデルが用意されています。
刷新されたModel Studioには、チャットボットや、分析ツールなどのアプリケーション開発向けにLLMの強化を容易にするオープンソースフレームワークであるLlamaIndexを組み込んだ、一連の先進的開発者ツールが含まれています。
さらに、アリババクラウドは高度なAIアシスタントの開発を簡素化する新機能「アシスタントAPI」をリリースしました。この機能は、コンテキストを意識した応答を作成するためのRAG(Retrieval Augmented Generation)技術のシームレスな統合を促進し、マルチエージェントの調整やメモリ管理などの高度な機能をサポートします。
Qwen2.5の導入とオープンソースLLMの拡大
新たにリリースされたQwen2.5は、Qwen2.0に比べて、推論、コード理解、テキスト理解が著しく進化し、Qwen2.5は、Model Studioを通じて利用が可能となりました。大規模モデル評価システムのOpenCompassによると、Qwen2.5はSOTA(State-Of-The-Art)LLMの中でさまざまなカテゴリにおいて競争力のある結果を示しています。
オープンソースコミュニティへの献身的な貢献者として、アリババクラウドは多様なサイズのQwenモデルを提供しています。これには、驚異的な1,100億パラメータを持つQwen1.5-110Bが含まれ、OpenLLM Leaderboardの事前学習済みモデルカテゴリでトップのパフォーマンスを達成しました。また、70億パラメータを誇るコード最適化バージョンのCodeQwen1.5-7Bは、現在Hugging FaceのBig Code Models Leaderboardの基本モデルのトップに君臨しています。同社はまた、今後数ヶ月のうちに、Qwen2.0の70億パラメータ版と720億パラメータ版を公開する予定です。
■参考資料(英語)
・OpenCompass
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・OpenLLM Leaderboard
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・Big Code Models Leaderboard
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プレスリリース提供:PR TIMES (リンク »)
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