増大するデータワークロードに対応するハイパースケールストレージのトレンド

ファルコンストア・ジャパン株式会社

2016-03-14

下記はファルコンストア技術担当副社長のFarid Yavariが自社ブログサイトで掲載した内容を翻訳したものです。今、増大する各種データワークロードに対して、ハイパースケールストレージの利用状況や対応状況などがどのようになっているか、そのトレンドを説明しています。是非、ご一読下さい。

02 Feb 2016付け『Trends in Hyper-scale Storage for Growing Data Workloads』 by Farid Yavari – Vice President, Technology, FalconStor より翻訳した内容になります。

(»リンク)

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ファルコンストア技術担当副社長、Farid Yavari
2016年2月2日

今、ストレージがこれまでにない注目を集めるようになっています。大きなイノベーションと変化が起こり、ストレージの柔軟性、密度、およびパフォーマンスの新たなニーズ拡大への対応が求められています。フラッシュの価格下落、多様なストレージクラスのメモリの登場、データセンターインフラストラクチャのコモディティ化に対する要求の高まりは、データの格納とアクセスの方法におけるイノベーションを促進しています。

企業は、増大し続けるデータをCTOやCFOにも受け入れられるコストで効率的に格納しながら、エンドユーザーとアプリケーション向けのストレージサービス提供において、適正なレベルのパフォーマンスとSLAを維持していくという課題に直面しています。同時に社内のIT部門は、パブリッククラウドにおける外部的に提供される柔軟性と価格に対抗するという課題も抱えています。

コンピューティング、メモリ、およびストレージのニーズに応じて対応が必要とされる「ハイパースケール型」の次世代データセンターおよびストレージインフラストラクチャ向けソリューションを設計する上で、2つの新たなトレンドが登場しています。データセンターにおいては、オンデマンドのプロビジョニング、迅速なキャパシティ管理、および個々のコンポーネントを独立して拡張する柔軟性などが要求されており、コスト効率やTCOに直接大きな影響を及ぼします。

まず第一に、以下の表に示すとおり、トランザクションのOLTPワークロードを実行するレガシーのSAN環境は、主としてFibre ChannelとNFSをベースとしており、ハイパフォーマンス(500K以上のIOPS、アプリケーションに5ミリ秒未満で応答)のSLAターゲットが設定されています。この環境の基盤となる、全面的なHA機能を備えたストレージアプライアンスとSANのインストレーションは、データ保護とサービスの耐障害性をアプリケーションに提供します。従来のSAN環境の成長率は、他のストレージインフラストラクチャに比べて低くなっていますが、収益におよぼす影響は十分に大きく、追加の費用を支払ってでもHAやデータ保護機能を完備する有名ブランドのストレージテクノロジーを使用することが理にかなっています。OLTPインフラストラクチャでは、安定性、セキュリティ、および可用性が主な目的となるため、この環境で画期的なテクノロジーを試すことに多くの企業が消極的になるのも当然です。

*表については下記リンク先よりご参照ください。
(»リンク)

表の右手3列に示された第2のアーキテクチャは、NoSQL、クラウド、およびビッグデータのワークロードを実行するスケールアウト環境であり、すべてのデータセンターにおいて最も成長しているセグメントと言ってもよいでしょう。ストレージの観点では、これらの環境は通常はDAS(Direct Attached Storage)、またはISCSI、PCIe、NVMeなどの多様なプロトコルに基づく非集約型のストレージモデルで運用されます。ストレージインフラストラクチャの規模(特にビッグデータ分析向け)は数百ペタバイトに達することもあるため、TCOがその運用を大きく左右することになります。このような環境で実行される多くのアプリケーションは、耐障害性を組み込み、ハードウェア障害を見越して対応し、アプリケーションレイヤーでの自己回復が可能です。ドキュメントやKey-Valueストア、ならびに分析アプリケーションは、サーバーアウェア、ラックアウェアのレプリケーションによるデータの耐障害性を備えており、ハードウェア障害からデータを保護します。データ保護と自己回復の機能がアプリケーションレイヤーで処理されるので、ストレージレイヤーでHA機能を実装する必要がなくなります。これにより、障害が起こった場合もサービスの可用性に影響を与えることなく、コンシューマーグレードのコモディティハードウェアを使用する可能性が開かれます。

今後のブログでは、ハイパースケールデータセンターにおけるこれらのトレンドについて、また、望ましいTCO、耐障害性、およびパフォーマンスを達成する方法について、より詳細に解説していきます。

著者紹介
ファルコンストア・ソフトウェアの技術担当副社長、Farid Yavariは、ハイテク業界でのハイパースケールストレージソリューション技術の主導、エンタープライズクラスデータセンターの大規模展開向け戦略およびビジョンの策定において長年の経験を有しています。ファルコンストア入社前は、eBayのデータセンターインフラストラクチャチームの上級メンバーとして、ストレージ業界との密接な連携によりイノベーションを推進し、また業界リーダーと共にストレージテクノロジーの未来の形成に尽力してきました。Farid Yavariは、大学や業界フォーラムでのさまざまな講演活動を通じて、積極的に仲間やハイテク業界と見解や経験を共有しています。

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