クラウドが盛り上がる以前、注目を集めたのが「仮想デスクトップインフラストラクチャ(=VDI)」だ。シンクライアントと同様に、社内で扱う端末のデスクトップをサーバに集約し、管理対象を絞るという考えかただ。Windowsはもちろん、各種業務アプリケーションのインストール、アップデートをワンストップで行えるため、日々メンテナンスに走るIT担当者には嬉しい概念だった。
しかし、サーバスペックがそのまま使用感に直結してしまうため、社員が出社した際のログイン時、ウイルススキャンを実施した際など、各種ストームを防ぐことが難しくなってしまう。また、それに伴い社内ユーザから問い合わせが増えてしまい、折角省いた手間の分、問い合わせ対応に追われることになってしまう。
同時に、業務に関わるアプリケーション、データを保存しているサーバ自体が落ちてしまえば、業務が一切行えない状態になってしまう。スペックとともにミッションクリティカル性を確保しなければならないなど、利点に反しデメリットが大きかったのが、盛り上がらなかった理由だろう。
しかし、2011年の東日本大震災により業務継続や在宅勤務のニーズが増加。同時にクラウドの盛り上がりにより、仮想化技術やサーバ、ストレージも進化を遂げ、ストームの回避はもちろん、冗長構成などにより、可用性の向上も行えるようになった。
こうした時代の流れから、VDIに注目する企業が増えている。「Trend Micro DIRECTION」では、「シトリックス」をゲストに迎え、モバイルを絡めた仮想デスクトップの活用方法を提示する。また、「日立製作所」は、仮想デスクトップを構築する上で、セキュリティ性確保のポイントを解説。
そして、仮想化技術のリーディングカンパニー「ヴイエムウェア」とは、VDIを紹介するハンズオン体感トレーニングセミナーを実施。同時に、トレンドマイクロの仮想化環境向けセキュリティ「Deep Security」により、ストームを回避し、高いセキュリティを確保した仮想デスクトップについて、セッションと導入事例を持って解説するなど、VDIの利便性を体感しながら、最も大きい不安材料"セキュリティ"も学べる場となっている。
事業継続…東日本大震災でフォーカスされたトレンドのひとつ。例え、厳重なセキュリティを敷き、機密データを守っていたとしても、保存しているストレージが使えなくなってしまえば、サイバー犯罪者はもちろん、"自社"も情報を拾い上げることができなくなってしまう。また、ウェブサービスを提供していた会社の場合、自社のビジネス自体がなくなってしまうとも言えるだろう。
こうした状態を避けるために、自社のデータを分散して保存する方法にも注目が集まっている。アマゾン データ サービス ジャパンが提供している「Amazon Web Services(=AWS)」は、日本にクラウドを定着させたサービスのひとつ。社内向けのポータル作成、業務アプリケーション稼働基盤、開発環境として使えるほか、社外向けのウェブサービス基盤としても利用できる、柔軟性の高いクラウドサービスだ。
事業継続性にも早くから着目し、国内国外ともに急速にデータセンターを増やしていることから、企業に評価され導入社数を伸ばしている。しかし、データが分散され、利用範囲が拡大していくと、やはり"セキュリティ"および"コンプライアンス"の問題は気になってくる。
同イベントではAWSのセキュリティトレーニング講座も実施。仮想サーバに対して基本となるセキュリティ設定はもちろん、仮想化環境に強い「Deep Security」を用いた設定方法を、45分で習得できる。
もちろん、内容は"仮想化環境"に留まらない。標的型攻撃の仕組みから対策を解説するセッション、個別のクライアント向けの対策ポイントを実践で学習できるセミナーなど、あらゆる視点で企業の財産を守るトレンドマイクロの豊富なラインナップを余すことなく体感できるのだ。また、世界的に注目されている「制御系システム」など、普段では到底触れることができない大掛かりなシステムに対する対策も、トピックを織り交ぜて解説。
事例も昨今のトピックに則した内容がラインナップされている。「三菱化学エンジニアリング」は、自社の製造ラインで利用している制御システムをいかに守っているかを紹介。そして、病院情報システムをVDIに移行した「高知大学」は導入から効果、セキュリティをどのように担保したのかを語る。
このように"ユーザ視点"のセッションが充実しているだけでなく、「IT環境の変化とともに進化するセキュリティ」と題したセッションなど、これまで企業の情報資産を守りつづけてきたトレンドマイクロだからこそ言えるセッションも充実しているのが「Trend Micro DIRECTION」の見所の一つだろう。コンシューマライゼーションが進んだ現在において、旧来の"セキュリティ"からワンステップ上のレイヤーから新たな"防御"を考えなければならないと、"セキュリティ業界目線"の内容となっている。
「Trend Micro DIRECTION」は11月14日、ザ・プリンスパークタワー東京で開催。参加費無料でセキュリティはもちろん、現在のトレンドを把握し、導入までの道筋までを惜しむことなく提示している。ぜひとも本イベントで「ITフル活用するためのセキュリティ」を手に入れて欲しい。