担当者が匿名で語るデスクトップ仮想化座談会--効果とコスト、導入の秘訣

経営層の理解は、どう取りつけた?気になる裏側

A氏: 経営層の理解は進んでいると思います。金融業界ですのでセキュリティへの意識はもともと高い。とはいえ、セキュリティ対策の目的だけで導入するには敷居が高いので、管理性が高まるという効果も訴えました。故障しても何時間かで元に戻せるので業務が止まりにくくなりますよとか、PCの場合ディスクが壊れると利用者と復旧担当者双方の工数がとられる形となるので、年間でいくらの損失になりますよとか、目に見えにくい効果を数字で示しましたね。単純に比較するとどうしても高価に見えますので、そのあたりは工夫をしました。また、同業他社の動向もポイントでした。「(VDIは)時流としてどうなの?」と聞かれたので、「大手であったり、VDIに向いているところから導入が進んでいるみたいですよ」と答えました。最終的にはその一言が決め手になったようです。

B氏: 私の場合、トップがセキュリティの重要性を認識し、そのための予算が立てられていたので、進めやすかったです。タイミングとしても、基幹システムのサーバ仮想化がほぼ終わり、クライアント管理をどうするかというときの事故でした。事故があったことで意思決定がすばやくなった。経営トップもそうですが、社内にシンクライアントやVDIなら安全という雰囲気が醸成されたことがポイントでしょう。

宮原氏: 一方で、コストに対する理解はどうでしょうか。管理性が高まれば全体のコストは減りますが、ハードウェアなどの導入コストだけ見れば割高に見えます。CさんやDさんのケースではコストが導入の障害になっているようです。Cさんの場合は、今ではPCは1人1台になったのですよね。

C氏: そうですね。2台分のセットアップが必要なくなったのでだいぶ楽になりました。それでも、拠点は全国にありますし、新入社員のために毎月20台程度をセットアップするので、大変なことには変わりません。現在はWindows® 7への以降作業を1台1台行っているのですが、これには膨大な工数がかかっています。VDIで集中管理できれば、そこからも解放されるのですが。とにかく、運用の負荷を軽減したいです。

A氏: じつは私の会社でもセキュリティ確保の観点で、デスクトップPCを1人2台以上使用しています。セキュリティ面を担保できる環境が整ったので、既存PCをそのまま仮想化するのではなく1人1台にまとめることで、導入コストはハードウェアを購入するよりも安くなるということを説得の材料にしました。Cさんの場合、拠点ごとにセットアップをする人がいるのですよね。集中管理するメリットは大きいと思いますよ。

C氏: はい。セットアップを行う担当者が各拠点に1人はいるので、その作業がなくなるだけでもコスト的なメリットがでるはずです。

D氏: 私の会社ではまだ具体的な提案にはいたっていません。ただ、現状ではシンクライアント端末は普通のノートPCを購入するよりも高くつくという印象はあります。先日、出張者が拠点間でRDPを利用するためシンクラの専用端末を導入したのですが、それは1万円以下の中古の端末を探してきて採用したものです。普通のPCでも1台5万円くらいで買えますから、それより高くなると経営層はOKしにくいかもしれません。

B氏: ハードウェアというより、集中管理によるコスト削減の効果じゃないでしょうか。個人的には、管理の手間が100分の1になった感覚です。VDIは100台規模になる見込みですが、管理のための人件費はずいぶん減りました。

宮原氏: VDIのメリットは理解されているけれど、導入時に投資対効果が見えにくい点はやはり大きな課題になるようですね。

板橋氏: コストは導入の1つの大きな壁ですね。同様に悩まれているお客様が沢山いらっしゃいます。この壁を乗り越えるにはいろいろな方式があると思います。管理の効率化もそうです。VDIの場合、業務サーバとVDIサーバが同一施設にあれば、物理的に近くなりますので、業務アプリケーションのレスポンスが早くなるケースもあるかと思います。例えば、メールアプリケーションの読み込みに30秒かかっていたのが5秒で終わる。1回当たりの短縮時間は短いですが、1日数回、年に何千回と行いますので、作業時間が減り、それを積み上げるとビジネスへの効果も大きくなります。このような小さな効果をうまく経営者に見せることも大事だと思います。

運用サポートを含めて自社業務に合わせたVDIを選択することがポイント

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