運用サポートを含めて自社業務に合わせたVDIを選択することがポイント
宮原氏: VDIの運用面での課題についてお伺いしたいと思います。Aさんのケースで、Windows® XPからWindows® 7への移行タイミングに合わせたという話がありました。VDI上でWindows® XPを一時的に延命するソリューションなどもありますが、そのあたりはどう対応していますか。
A氏: まず、VDI移行の検証環境の構築と試験についてはスムーズに行うことができました。OSの切り替えでも、今のところ目立ったトラブルはありません。Windows® XPについては、取引先の都合で4月以降、一時的に残る端末があります。銀行の決済関係のアプリケーションがIE6限定というケースです。日常的に業務で使うわけではないので、VDIへの移行はせず、隔離して使うかたちになります。先方の対応待ちという状況です。
B氏: Windows® XP お客様の中にはWindows® XPをもう少し利用したいというケースがあって、部分的に残すことになると思います。VDIはその意味で便利です。特定の環境や特定のアプリケーションだけをクローズドな環境に閉じ込めることができます。やや切り札的な使い方になりますね。
C氏: 3月までにWindows® XP移行プロジェクトを終わらせます。Microsoft® ExcelやMicrosoft Access®のアプリケーション200本あまりを改修しているところで、なかなか大変です。金融機関であるため、セキュリティ懸念のあるWindows® XPを残しておくことはできません。
D氏: ちょうどMicrosoft® Office 2003 を駆逐したところです。Windows® XPはリプレースのタイミングがあり、一部残ります。ホストへの接続端末なのですが、Windows® XP向けライセンスしか提供していないためです。ホストはオープン化を進めていて、それにともなってなくなる予定です。VDIを使う手段もあるのですね。検討してみたいと思います。
板橋氏: 参考までにご説明しますと、延命ソリューションには、VDIに移行してアプリケーションを仮想化する方法や、クライアントへのアクセスをホワイトリスト形式で限定して塩漬けにする方法などがあります。ホワイトリスト形式でセキュリティを確保する方法は、銀行のATMなどでも用いられているものです。
宮原氏: データの保存方法やディスクのバックアップなどについてはどうでしょうか。データは仮想マシンのローカルに保存するのではなく、ネットワーク上の共有フォルダに集約するかたちでしょうか。
A氏: 基本的にはファイルサーバにデータは保存してもらう方針ですが、メールデータをどうするかが議論になりました。ローカルに保存してメールだけで数十GBに達しているユーザーもいます。それも考慮して80GBの仮想ディスクをデプロイすることにしました。バックアップはOS丸ごと取得し、必要に応じてユーザー自身で戻せるようにする予定です。
B氏: 私の会社では、ユーザープロファイルを設定して、データをネットワーク上のファイルサーバに保存するかたちですね。ユーザーにとってはローカルに保存するような感覚で利用できます。
C氏: 個人のファイルについては、ファイルサーバに保存してくださいというパターンですね。
D氏: 我が社でもそうですね。データをバックアップしています。仮想マシンにするとディスクごとスナップショットをとれるのは魅力に感じます。