クラウドとオンプレミスを問わず、企業がITシステムを利用する中で多くの工数とコストを割いているのがITインフラの運用管理だ。Autonomousのコンセプトで“ITシステムの自律化”を目指すオラクルは、ITインフラ管理サービス「Oracle Management Cloud」によってこの課題を大きく解消しようとしている。それがもたらす真価について、アシストの関俊洋氏と日本オラクルの西村克也氏が解説する。
3つの事例が物語るOracle Management Cloudの威力
オラクルは現在、AIや機械学習、自動化のテクノロジーにより、企業IT環境の構築、運用管理、活用の各局面における作業を自律化し、省力化やスピード化、コスト削減、セキュリティ強化を実現する自律型クラウドサービス群「Oracle Autonomous Cloud Platform」の推進に力を入れている。
それらの1つとして提供されているのが、次の4つの機能(サービス)から成るIT運用管理サービス「Oracle Management Cloud」だ。
- Application Performance Monitoring:アプリケーションの性能やユーザー体験を可視化
- Infrastructure Monitoring:クラウドとオンプレミスにおけるITコンポーネントの死活監視などを実現
- Log Analytics:あらゆるログを収集/集約し、機械学習を用いて分析
- IT Analytics:さまざまなITリソースの状況を横断的に分析し、必要となるリソースを予測
日本オラクルの西村氏は、Oracle Management Cloudの特徴として次の2つを挙げる。
特徴①:統合プラットフォームによるシームレスな分析
日本オラクル ソリューション・エンジニアリング統括 シニア・マネージャーの西村克也氏
Oracle Management Cloudの各サービスは独立して使えるだけでなく、シームレスに連携させることでIT環境について複雑な分析が行える。
「例えば、アプリケーションの挙動を監視し、パフォーマンスが低下した場合には、その背後で動作するOSやアプリケーションサーバの挙動を調べ、さらにはそれぞれのログの内容を分析して原因を突き止めるといった一連の作業が1つの画面で行えます」(西村氏)
特徴②:機会学習(統計的分析機能)を活用
Oracle Autonomous Cloud Platformの他のサービスと同様、Oracle Management Cloudも機械学習の機能をベースにしており、異常値(アノマリー)検知やパターン認識と相関分析、トレンド&フォーキャスト分析などが同機能によって効率化および高度化されている。
これらのサービスと特徴を備えるOracle Management Cloudが、企業のシステム運用管理をどう支援するのかを3つの事例を基に紹介する。