アプリケーションモダナイズ成功の本質はDevOpsにあり

SB C&S株式会社 ICT事業本部 ICT事業戦略・技術本部 技術統括部
テクニカルマーケティングセンター
ビジネス開発課 担当部長
三ツ木恒幸 氏
SB C&S株式会社
ICT事業本部 ICT事業戦略・技術本部 技術統括部
テクニカルマーケティングセンター
ビジネス開発課 担当部長
三ツ木恒幸 氏

 企業のデジタル変革を支援するため、パブリッククラウド環境への対応、モダンアプリケーション向けKubernetes環境の整備などに取り組み、変革を続けているヴイエムウェア。その協業パートナーとして、開発から構成管理・自動化、プラットフォームなど、豊富な製品をとりそろえているディストリビューターがSB C&S株式会社(以下、SB C&S)だ。同社ではDevOpsを「ビジネスの価値を最大化することを目標とし、迅速かつ高品質なソフトウェア開発を実践する継続的な組織活動」と定義している。20年以上のエンジニア経験を持つ同社の三ツ木恒幸氏に、DevOpsが求められる背景やアプリケーションのモダナイズを成功するためのポイントについて聞いた。

記録のためのシステムから、顧客志向のシステムへ

 ITシステムは、業務の効率化やコスト削減のためツールから、デジタル変革によるビジネスの差別化手段へと、その役割が変化してきている。熾烈な競争に勝ち残るためにはデジタル活用が必要不可欠となっており、時代の変化に応じ、柔軟で良質なソフトウェアを開発し続けることが求められている。

 ITシステムの変遷を見ると、1980年代のメインフレームにはじまり、1990年代にはクライアント・サーバー型、2000年代はWebアプリや仮想マシン基盤、2010年はクラウドが登場してきた。

 「このあたりまでは、大きなシステムを動かすSoR(System of Records:記録のためのシステム)志向が強かったのですが、2015年あたりからコンテナが登場し、SoE(System of Engagement:顧客とのつながりのためのシステム)へと流れが変わりました。変化に素早く対応するためにモダンアプリケーションが必要になり、コンテナやマイクロサービスを次々とデプロイして改善し続ける環境が必要になってきたのです」と語るのは、SB C&Sの ICT事業本部 ICT事業戦略・技術本部 技術統括部テクニカルマーケティングセンター ビジネス開発課で担当部長を務める三ツ木恒幸 氏だ。

システムの役割は、ビジネスの価値を高める方向に変わった
システムの役割は、ビジネスの価値を高める方向に変わった

ビジネスの価値を高めるDevOpsとヴイエムウェアのカバレッジ

 SB C&Sは、数々のIT商材を取り扱うディストリビューターだ。SoEのニーズの高まりにあわせ、DevOpsの実践を推奨している。DevOpsは、ソフトウェアを迅速に開発・テストするため開発担当者(Dev)と運用担当者(Ops)が連携した組織体制による開発手法のこと。開発担当者は生産性を高め、運用担当は信頼性を高めたいと考えており、そのための俊敏性や正確性を得るべく、多くの手作業の自動化を求めている。これを実現するのが、迅速な開発・テストに応えられるコンテナ技術だ。ヴイエムウェアも「VMware Tanzu」(以下、Tanzu)によってKubernetesベースのコンテナプラットフォームを充実させ、エンタープライズ向けに展開している。

 コンテナのメリットやヴイエムウェアの変革について三ツ木氏は、「従来のモノリシックなアプリケーションは、ホストOSの上に展開されるため、実行環境のOSと密に結合しています。この場合、動作環境の追加が大変でした。コンテナは、コンテナエンジンの上にアプリケーションを展開するので、OSへの依存度が低いです。ヴイエムウェアの技術であるVMware vSphereはハードウェアに依存しないで仮想マシンをいくらでもデプロイできるという考え方ですが、コンテナはそのアプリケーション版ととらえることができます。より粒度が細かくなっただけで、ヴイエムウェアが目指しているところは変わっていないとも感じています」と自身の考えを述べる。

 コンテナの登場以降、さらに粒度の細かい概念であるマイクロサービスも登場した。単一機能のアプリケーション。全体で大きな目的を果たすための細かなアプリケーション群が連携するシステム構築の考え方だ。そのメリットは、機能追加や変更を小さなアプリケーション単位で行えるため、素早い対応が可能なこと。一方で、細かすぎて障害の原因も多くなる傾向にあるため、アプリケーション間の依存関係や動作の観測もしなければならない。ヴイエムウェアではその点も考慮し、Kubernetes環境の可視化を行うWavefrontを買収し、「VMware Tanzu Observability」というサービスとして展開している。

 エンタープライズでKubernetesなどのコンテナ環境を使う場合、自前で配備しようとするのは負担が大きいため、Tanzuのようなプラットフォームの利用が推奨される。三ツ木氏は、「VMware Tanzuなら必要なものが全部あります。エンタープライズグレードのコンテナサービスは選択肢が少ないのですが、VMware Tanzuが登場しましたので、現在はこれが最適な選択肢の1つだと考えています。また、Java 開発のデファクトフレームワークであるSpring をVMwareが持っているのも大きいですね。導入は低コストでできますし、アプリケーションも依存しにくいですので、比較表を作って検討するという時間があれば、まずは使ってみて判断したほうが早いと思います」と語った。

ツールの提供や開発だけでなく、内製化も含めてサポート

 DevOps を推進するSB C&Sが提供するのはツールだけではない。「People」「Process」「Technology」の3要素がからみ合わないとDevOpsは実現しないというのが同社の考えで、コンサルティングなどを含めた総合的なサービスを提供できる点を強みとしている。ヴイエムウェアとはDevOps領域でも強い関係を持っており、アジャイル開発のノウハウも持ち合わせている。システム内製化やDevOpsの成功をサポートするため、各種製品のトレーニングや導入支援、ワークショップの提供をしている。モダンな開発・運用体制の構築を支援するコンサルティングサービスである「VMware Tanzu Labs」も同社を通じて提供可能となっている。

 ユーザー企業でのシステム内製化の現状について三ツ木氏は、「最近では、エンドユーザーの情報システム部門の方々にもコンテナなど詳しい方も増えてきた感覚があります。システムインテグレーターからエンドユーザー企業に転職される方も多いような気がします。コンテナではなく、ローコードやノーコードツールを使って社内でシステムをどんどん作っていく動きもありますね。ただし。やはり受託開発モデルは根強いです。実はヴイエムウェアは新しい技術に投資していますが、古い基盤のものを否定しているわけではなく、レガシーなアプリケーションも動かす基盤も提供します。しかも、ロックインするのではなく、外部のクラウドなどとも連携できます。レガシーもモダンも全部ひっくるめて安心して使える基盤はヴイエムウェアしかないでしょう」と説明する。

 DevOpsの実現をサポートするSB C&Sがその先に見据えているのがデータの活用だ。素早い開発検証の体制ができたら、自社の情報資産を最大化するためのデータ連携やデータ分析が盛んになることが予測される。また、最近よく聞かれるDevSecOpsという、セキュリティを加えた概念も注目しているという。今後の取り組みについて三ツ木氏は次のようにコメントした。

 「これからは、データ活用を中心に据えた製品を増やしていく計画を持っています。ヴイエムウェアは、『Any Cloud、Any App、 Any Device』というコンセプトを掲げ、さまざまな垣根を取り払ってパフォーマンスを高めることを目指しています。これは、アプリケーションのモダナイズへの新しい挑戦の領域だと思っており、私たちも自社のサイト『DevOps Hub』で、DevOpsに関する包括的な情報提供しておりますので、ぜひご覧になってください」

提供:ヴイエムウェア株式会社
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