「Windows Server移行ツール」でできる ファイルサーバ 超簡単移行テクニック

実際に移行する場合にはどうすればよい?
サーバ移行のパターン考察

 それでは、実際に既存のサーバを移行することになった場合、どのような移行方法があるのか考えてみたい。

移行方法その1
ベンダーが提供する移行サービスを利用する

 Windows Server 2012は64ビットOSのみを提供している。そして、32ビットOSからのアップグレードインストールはできないため、既存サーバからの移行の多くはアップグレードインストールではなく、OSを新規にインストールすることになる。

 OSを新規にインストールすると、既存のサーバからのアプリケーションの移行やデータの移行作業が生じるため、各ベンダー(SIer)はそれらの作業をまとめて請け負うサービスをパッケージ化して提供している。ベンダーの持つ実績とノウハウを活用できるという点で大きなメリットがある一方、扱うサービス内容だけにある程度の時間とそしてコストを要することを考慮しなければならない。

移行方法その2
管理者が自分で計画して実行する

 Windows Server 2012へのサーバ移行、OS移行、アプリケーション移行、データ移行を管理者が一手に引き受ける方法である。基盤系システムの移行に対し、あまりコストをかけられない中堅・中小規模の企業ではメリットを大きく感じることだろう。

 また、管理者自身による計画なので、社内調整などによる仕様変更があっても、自身で吸収できることもメリットの1つである。

 一方、ハードウェアの選択や移行方法の検討、実施などを、すべてを管理者自身が決定しなければならない。管理者の工数を多く見積もらなければならないことが、この方法の注意点となる。

お一人様管理者でもご安心!
サーバ移行のテクニックを教えます

 管理者自身で移行を計画し、実施することを決定した場合を例に、以前のバージョンから移行するために利用できるツールや具体的な方法を紹介しよう。

 マイクロソフトでは以前のWindows Serverからの移行をスムーズに行えるように、次のようなツールや方法を提供している。

Active Directory/グループポリシーの移行

 同一ドメインにWindows Server 2012ドメインコントローラーと以前のバージョンのドメインコントローラーを共存させ、データベースを同期させる

ファイルサーバの移行

 Windows Server 2012が標準搭載する「Windows Server移行ツール」を利用して、コンテンツとアクセス許可を移行する

Webサーバの移行

 マイクロソフトのWebサイトから入手できる「Web Deploy 3.0」ツールを利用して、コンテンツとWebサーバの設定を移行する

 冒頭に「移行のためのツールや方法」と紹介したが、実際には特殊な手順を踏むようなものばかりではない。例えば、Active Directoryの移行の場合、Windows Server 2008のドメインコントローラーで構成されるドメインにWindows Server 2012を追加すれば、それだけでWindows Server 2012のドメインとなる。

 そして、ドメインのメンバーサーバはWindows Server 2012ドメインのメンバーサーバに早変わりする(実際には、Windows Server 2012のフル機能を利用するためにはWindows Server 2008ドメインコントローラーの削除は必須である)。

 さらに、Windows Server 2012のメンバーサーバを追加して、Windows Server 2008メンバーサーバのファイル共有を、Windows Server 2012に標準搭載されている「Windows Server移行ツール」で移行すれば、これだけでActive Directoryとファイルサーバの移行が完了したことになる。

 ここまでの図を見ていただくだけでもわかるように、特殊な技能を必要とするようなものではなく、日常の運用管理を担当している方でもチャレンジすれば、手が届くものなのである。それでは、ファイルサーバ(共有フォルダー)の移行方法について、もう少し具体的に手順を紹介しよう。

いざ実践! 5ステップでできるファイルサーバ超簡単移行術

提供:日本マイクロソフト株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2013年5月30日
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