Windows Server 2012は、これまでのWindows Server OSからさらにブラッシュアップされた高い性能、信頼性、安定性、安全性などにより、サーバ管理者が安心して利用できる最新のサーバOSだ。しかし、こうしたWindows Server 2012が備えるメリットを継続かつ効果的に、クライアント/サーバを含めたWindowsシステム全体に適用するには、日常の運用管理作業が欠かせない。ここでは、最新の統合運用管理プラットフォーム「Microsoft System Center 2012」によって実現される、低コスト&高効率の運用管理環境について解説する。 (author:国井傑/ソフィアネットワーク、Microsoft MVP for Directory Service)
[1]現状のシステム運用管理における課題
いま、システム管理者は何で困っているのか?
インターネット上にサーバを配置して運用するクラウド・コンピューティング、ユーザー自身が所有するスマートフォンやタブレットを利用して仕事を行う「BYOD(Bring Your Own Devices:私物端末の業務利用)」。
こうした新しいフレームワークは企業がITシステムを展開するに当たり、コスト・メリットや快適性、利便性を与えてくれる。しかし、これらのフレームワークは同時にこれまで以上に管理を複雑にさせる場合もあるのだ。流動的なシステム構成はこれからも進化することが予想されるため、運用管理にかかる負担は増す一方である。
また、企業のITシステムはWindows(マイクロソフト製品)だけで構築されるとはかぎらない。サーバOSではLinuxやUNIX、クライアントOSではMac OSや各種スマートフォン/タブレットOSなど、多様化された環境も増えてきている。
このようなシステム構成において、個別の管理システムや個別の管理手法を実践することは、管理作業自体を複雑化させることにもなる。特に専任のシステム管理者を配置することが難しい企業や組織では、もはや「管理は不可能」と言っても過言ではないだろう。
そのため、システム管理者としての作業を他の業務と兼任を担当していることが多い中堅・中小規模の企業では、システムを安定稼働させるために、状況の変化に柔軟に対応するとともに、一元的な運用管理を実現できる製品が望まれているのだ。そうした現場のニーズに応えるかたちで登場したシステム運用管理製品が、System Center 2012になる。