[2]企業のシステム管理環境を一元化する
運用管理スイート「System Center 2012」
「Microsoft System Center 2012」は、オンプレミス(自社運用システム)、クラウドを問わず、一元的な運用管理が行えるシステム運用管理スイート製品である。System Center 2012は複数の運用管理コンポーネントの集合体であり、次の8つのコンポーネントで構成される。
1.System Center Operations Manager
サーバやネットワークの稼働監視を行うためのコンポーネント
2.System Center Configuration Manager
クライアントとサーバのシステム構成管理を行うためのコンポーネント
3.System Center Virtual Machine Manager
Hyper-Vだけでなく、VMware、XenServerなどの仮想化テクノロジーを一元的に管理するためのコンポーネント
4.System Center Data Protection Manager
Windows環境のOS、アプリケーション、データのバックアップと復元を行うためのコンポーネント
5.System Center Orchestrator
システム運用管理に関わるタスクをGUI(Graphical User Interface)を使って自動化するコンポーネント
6.System Center Service Manager
ITIL(Information Technology Infrastructure Library)ベースのインシデント管理や問題管理などの機能を提供するコンポーネント
7.System Center App Controller
アプリケーションレベルの管理者に、プライベートクラウドとパブリッククラウドの管理を行うためのポータルサイトを提供するコンポーネント
8.System Center Endpoint Protection
System Center Configuration Managerと連動して、ITシステム内のコンピューターに対するマルウェア対策を実施するコンポーネント
以上のように、System Center 2012では企業システムの運用管理に関わるさまざまな役割を一製品でカバーすることで、一元的・統合的な管理環境を提供する。各コンポーネントは個別にインストールすることも可能なので、現状必要なコンポーネントだけを導入して運用することもできる。
そして、System Center 2012は正式に提供が開始された「Service Pack 1(SP1)」によって、Windows Server 2012に完全対応した。System Center 2012 SP1によって、最新のWindows Server 2012の環境を安心して管理できるようになったのだ。
さらに、サーバ管理ではLinuxやUNIX、クライアント管理ではMacOSやiOS、AndroidなどのスマートフォンOSにも対応したことで、特定の製品ベンダーに偏らない、いまの現場の現状に沿ったかたちで、ITシステムの統合的な運用管理が可能になっている。