なぜならストラクチャードASICやユーザープログラミングロジック(UPL)設計が躍進し続けるからである。
インスタット/MDR社の主席アナリストJerry Worchel氏は、「この設計手法は、緩やかに普及しているASIC市場全体にプラスの影響を与える。カスタム仕様MOSセルベース設計は、複雑で低容量の高コスト製品から単純で大容量の低コスト製品まで広範囲なアプリケーションに対応できる。一方旧型MOSセルベース設計は大きな市場シェアを占めているが、ユーザープログラミングロジックとストラクチャードASICの関連製品に次第に水をあけられるだろう」と主張する。
インスタット/MDR社は全米・ヨーロッパ・日本・アジア太平洋を調査した上で、アジア太平洋が最も勢いを増していき、ヨーロッパは停滞状態に陥ると明言する。
その他の調査結果は以下の通りである。
- 世界のマーチャント市場のカスタム仕様・セル設計製品の消費高は、複雑さや機能性に関わらず67億8250万ドル(2003年)から2008年までに107億5960万ドルまで増加し、年平均増加率は9.7%である。
- アジア太平洋地域の消費高はヨーロッパ・日本の約2倍、全米より6.4%増というペースで増加している。又この地域のみが、今後この設計手法の普及をはっきり確認できる。
- カスタム仕様のMOS標準規格セルベース設計製品市場は、カスタム仕様・複雑設計・高性能通信・データ処理インフラストラクチャ・アプリケーションを採用している製品市場と同様消費高に影響を与えている。
インスタット/MDR社の調査レポート「カスタム仕様、セルベース設計ICの消費比較分析:アジア太平洋の台頭」は、中流層のエンドユーザーにおけるカスタム仕様・セルベース設計製品の消費高の比較分析データを、全米・ヨーロッパ・日本・アジア太平洋の4地域別に提供する。又SIA(米国半導体工業界)が決定したエンドユーザー市場レベル、およびその一つ下のレベルのネットワーキングFA(自動化生産)システムやサーバー、携帯電話等のアプリケーションについて地域別の消費高を比較検討している。更にデバイスの機能性、ロジック、アナログ・デジタルLSI受託設計の地域別比較も掲載している。
また知的所有権やファブレスプロバイダの役割といった、サプライヤベース及びその様々なサポーティングを分析している。その上、SIAとWSTS(世界半導体市場)の市場把握の相違についても比較し、サプライヤから見た市場規模の実状を明らかにしている。
◆調査レポート
カスタム仕様MOSセルベース設計:アジア太平洋地域での動向
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