2000年に急成長した通信とインターネット分野の生産高は、その後現地通貨ベースで24%低下して、通信とITに強いイギリスとフランスでは悪影響が出ている。同時期に、エレクトロニクス分野の生産高がフランスで35%、イギリスで39%低下した。自動車と工業分野に強いドイツでもこの時期に生産量が14%低下したが、西欧のエレクトロニクス生産高では全体的にシェアは増加した。
生産高は大幅に減ったが、低コスト地域への移行はプラトー(変動の少ない時期)にはいったという明らかな兆候がある。西欧の生産高は今後も低下して、多品種の製品が作られる。その結果、特に中小規模のCEMのサプライチェーンおよび販売にビジネスチャンスが生まれた。2004年、低コストの地域に生産が移ったが、西欧のエレクトロニクスの生産高は2000億ユーロだった。顧客のニーズに応えるため、より規模の大きいT1のCEMも地域で製造を行っているが、ヨーロッパ全体でのシェアも拡大している。
このような状況の中で、2004年5月にEUが拡大し、25の国々が参加するエレクトロニクス市場が誕生した。新メンバーのハンガリー、ポーランド、チェコ共和国は地域的にも世界的にも、既に製造拠点と市場が確立している。その他の国々も、低いレベルのエレクトロニクス産業を拡大していくと期待されている。
調査結果を以下にあげる。
・クリスマス準備期間中に需要が低下したため、2004年の市場見通しが弱まった。2004年末時点での見通しはまだ不明である。
・2004年第3四半期に開始した在庫調整の効果が市場に現れるのは2005年前半以降である。しかしいずれにせよ落ち込みは比較的短期間に終わり、後半に成長の勢いが増す。西欧のエレクトロニクス市場は、2005年に1.7%と比較的緩やかに成長して市場規模は2500億ユーロとなる。
・2006-2007年に成長が加速して、市場規模は2008年までに2800億ユーロに達する。
「世界のエレクトロニクスデータ年鑑 2005年-Vol.1:西ヨーロッパ」は、1973年以降の欧州と世界のエレクトロニクス業界の動きを追っている。
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世界のエレクトロニクスデータ年鑑 2005年-Vol.1:西ヨーロッパ
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