パケット複製機能付VPNサーバ『alpha W-VPN 1000(アルファ ダブル ブイ・ピー・エヌ セン)』
2.製品開発の経緯
当社は、全国に開発拠点を持つ通信専門のソフトウェア開発会社として、分散開発拠点間のネットワークの効率化に取り組んでまいりましたが、拠点間の通信回線を如何に安くかつ高速にすることができるかが課題でした。
現在提供されている商用のIP-VPN や広域イーサネット の回線使用料は、拠点間の距離が離れるほど、さらに回線速度が高速になるほど高額になります。一方、安価な方法としてインターネットVPN がありますが、インターネットはベストエフォート型サービス であることから品質に不安があります。
このような状況下、当社の研究開発テーマの一つである「インターネット回線の高品質化対応ルータの研究開発 」において、独立行政法人情報通信研究機構(NICT)が開発した技術(特願平11-57007)を使用し、複製したパケットを複数のインターネット回線に送信し、先に到着したパケットを有効にする方式を採用したところ、企業ネットワークに要求される品質を、インターネット回線を用いても実現できることが実証されました。
現在、このパケット複製機能付VPNサーバを、当社のデータセンターと全国に分散した5拠点に設置し、音声パケットを含め安定稼動させております。
この結果、従来利用していた商用のIP-VPNや広域イーサネットと比べ回線使用料で約7分の1、回線速度で約7倍というコストパフォーマンス を得ることができました。
この運用実績を踏まえ、回線の増強とコストの関係に悩む情報システム担当者様のために、パケット複製機能付VPNサーバを「alpha W-VPN 1000」として製品化いたしました。
3.製品の主な特長
■パケット複製機能
パケット複製機能とは、異なるISPに張られた複数のインターネットVPNのすべてに対して、パケットを複製して送信し、受信側では、最初に到着したパケットのみを有効とする機能です。この機能を働かせることで、次の効果が得られます。
(1)パケット欠損率、遅延時間の最小化
冗長化インターネットVPNにおけるパケット損失は、異なるインターネット回線において同時にパケット損失が発生しないかぎり発生しません。また、パケットの伝送遅延時間は、複数のインターネット回線の中で最も小さい時間になります。
(2)無瞬断の回線障害対応
一般に、従来の回線障害対応では、回線障害発生に伴う予備回線への切替等のため、数10秒程度の回線断が発生しますが、パケット複製機能を働かせている場合は、常時、複製パケットを冗長回線に送信しているため、回線障害発生に伴う回線断は発生しません。
※ 本製品の詳細な特徴につきましては、HPよりご確認下さい。
(リンク »)
4.製品価格
価 格:35万円(税別・工事別)
基本セット:alpha W-VPN 1000×1台
(3年間保証)
5.今後の展開
当社製品販売事業の拡大に向け、本製品を使用したネットワーク・ソリューションをお客様にご提供させていただきます。
また、お客様には実際の製品を体感していただくため、本社ショールームにて常設展示するとともに、平成18年10月3日~7日に幕張メッセにて行われるCEATEC JAPAN2006に出展いたします。
用語解説
IP-VPN:通信事業者の保有する閉域IPネットワーク網を利用した仮想私設通信網のこと
広域イーサネット:イーサネット技術を利用して構築された通信網のこと
インターネットVPN:インターネット利用した仮想私設通信網のこと
ベストエフォート型サービス:品質保証がない通信ネットワークサービスのこと
お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。