2005年~2010年における年間平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)5.0%で拡大し、2010年には、IPベースVPNサービス市場全体の売上は2,680億円になると予測しています。内訳は、スタンダードVPNの売上が1,728億円(同1.4%)、ライトVPNの売上が212億円(同25.0%)、インターネットVPNの売上が740億円(同11.8%)に達するとIDCではみています。国内のIPベースVPNサービス市場のうち、スタンダードVPNの収益は、2005年末時点で8割近くを占めていますが、2010年には約65%を維持すると予測されます。
2006年の国内IP-VPN(スタンダード)市場は成熟期にあり、より低廉なライトVPN/インターネットVPN市場セグメントの成長による影響を強く受けています。IDCでは、従来、IPベースVPNサービスをIP-VPNおよびインターネットVPNの2つのセグメントに分類していましたが、アクセス回線に低廉なブロードバンドを利用する形態が一般化していることから、IP-VPNをさらにスタンダード(MPLSベース)タイプとブロードバンドをアクセスに利用するライトタイプの2つに分類しました。
2005年の国内IPベースVPNサービス市場は、従来のスタンダードVPNで接続されていたアクセス回線が、より低廉なライトVPN/インターネットVPNによる接続形態に置き換わる傾向を強めています。このため、2005年のスタンダードVPNおよびライトVPNを合わせた市場全体(従来のIDCレポートによるIP-VPNサービス市場に相当)では、回線数の成長は順調でしたが、収益ベースでは大きく減速し、低廉なライトVPNの伸びにより回線単価が減少する結果となりました。また、インターネットVPNにおいても、順調な成長がみられました。
企業ユーザーの根強いコスト意識は市場に影響を与え続けるとIDCではみています。ネットワーク構築の最適化を実現させるソリューションを提供する上で、低廉なサービスへの移行が進行し、複合的なネットワークサービスの利用が継続すると予測されます。そのため通信事業者は、従来の収益性を損なうことになりましたが、低廉なアクセス回線への移行により、ネットワーク構築の最適化を図るというユーザーニーズに応えながら、顧客囲い込みに注力しています。
「2005年から顕在化し始めたブロードバンド回線を経由した低廉で閉域性を保証したライトVPNは、徐々に市場に受け入れられつつある。また、もう1つの低廉なVPNサービスであるインターネットVPNは、市場投入が早かったため、既に流通分野を中心に導入実績を高めている。こうした要因によりスタンダードな従来のMPLSベースIP-VPN市場の成長が鈍化している。しかし一方、同市場ではアクセス部分の光化が進むことによるバックボーンネットワークの帯域拡大が期待される」とIDC Japanコミュニケーショングループ マーケットアナリストである門脇 博之は分析しています。
今回の発表はIDCが発行した調査レポート「国内IP-VPNサービス市場 2005年の分析と2006年~2010年の予測」(J6060107)にその詳細が報告されています。本調査レポートでは、国内のIP-VPNサービス市場を対象として、最近の市場動向と将来の変化について、低廉なIPベースVPNサービスの影響を考察し、主要事業者の最近の動向など最新情報を提供しています。
(※レポートの詳細についてはIDC Japanへお問合せ下さい。)
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