家庭市場では、需要が引き続き薄型テレビに流れていることや、Windows Vistaの発売が2007年1月に発売されることから、Windows XP搭載モデルの買い控えが影響し、前年同期比7.0%減となりました。ビジネス市場は、リプレイスサイクルの谷にあり、前年並みの0.1%減となりました。
ベンダー・ハイライト
2006年第3四半期には、3社の順位に変動がありました。前期3位の富士通が今期は2位に順位を上げ、前期初めて2位になったデルは、3位となりました。また、前期6位だった日本HPが5位に、前期5位のソニーが圏外の6位となりました。
NECは、順位、シェアを維持しました。しかし、家庭市場での低迷が響き、前年同期比5.7%減となりました。ビジネス市場は大型案件が無かったものの、9月決算の駆け込み需要が堅調であったため、前年同期比0.5%減とマイナス幅は小幅に留まっています。
富士通は、前回3位から2位に順位を上げました。富士通は、昨年よりも値引きによって積極的に獲得する案件を増やし、ビジネス市場で前年同期比3.3%と好調でした。
デルは、前回2位から3位に順位を落としました。しかし、前年同期比20.6%と好調を維持しています。防衛庁の大型案件の納入が今期まで続いているがその影響を差し引いてもおり、二桁成長を持続しています。
東芝は、前期までの成長が一転し、今期は前年同期比が6.5%減となりました。家庭市場、ビジネス市場とも前年同期を下回っています。
今回5位に浮上した日本HPは、前年同期比11.3%減でした。家庭市場は、新製品が好調であったため伸ばしましたが、ビジネス市場は振るわず、前年同期比が13.5%減となりました。
IDC Japan PCsグループマネージャーの片山 雅弘は「第3四半期の出荷台数は、前期の予測値に対して0.4%差で、ほぼ等しい結果であった。家庭市場は前期同様マイナス成長となり、第4四半期はWindows Vistaの影響によりますます買い控えが進むと予測している。各社がマイナス成長のなか、デルが2期連続で二桁成長を遂げたことは特筆すべきである。PCベンダーは、キャンペーン等で値ごろ感を出すなど、落ち込みを踏みとどめる施策が必要である」と分析しています。
2006年第4四半期の見通し
2006年第4四半期の国内PC市場について、家庭市場の落ち込みが大きいことなどから、2006年の市場規模は当初の見方から大幅な変更はありません。
家庭市場においては、マイクロソフトの次世代OS「Windows Vista」のコンシューマー版の発売が2007年に予定されているため、年末商戦においては買い控えが発生し、需要が2007年へと持ち越されることが見込まれます。また、需要変動が例年と異なり、ベンダー各社の出荷計画にも影響が及ぶ見通しです。ビジネス市場では、PCセキュリティへの関心が強まっている一方で、企業におけるリプレース需要の一巡から需要の鈍化傾向がみられます。
今回の発表はIDCが発行するレポート「Japan PC 2006-2010 Forecast and 3Q06 Vendor Shares: Quarterly Model Analysis」 (J6020304)にその詳細が報告されています。本レポートでは、2006年第3四半期の国内PC市場実績と2006年から2010年までの市場予測が掲載されます。
(※レポートの詳細についてはIDC Japanへお問合せ下さい)
本調査は、IDCが実施したPCベンダー調査、ユーザー調査、販売チャネル調査などをもとに、独自の分析を行い算出したものです。ここでいう国内のPC市場には、x86サーバー、デスクトップPC、ポータブルPCが含まれています。IDCではより正確な情報を提供するため、過去の実績を含むデータの見直しを随時行っております。そのため、本発表で用いられる数値はIDCが過去に発表したものと異なることがあります。
(※本リリースはこちらでもご覧いただけます。 (リンク ») )
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