IDCがこのたび実施した「ユーザー企業における自社向け情報システム開発プロジェクトの実態調査」によると、プロジェクト規模が大きいほど、計画時の規模から実績の規模は乖離する傾向にあります。10人月未満のプロジェクトでは、規模実績が計画を10%以上オーバーする割合は15%程度であるのに対し、100人月以上の規模では約25%のプロジェクトで計画値を10%以上超過しています。規模の超過は、費用の増大につながり、品質の低下の原因ともなります。
調査では、こうした乖離は「仕様変更の発生」「当初見積もりの甘さ」が主な原因であることが明らかになりました。メインフレーム上での開発プロジェクトより、オープン環境での開発プロジェクトが主流となっているため、大規模オープン系システム構築におけるシステム仕様管理およびプロジェクトマネジメントが特に重要となっています。
国内主要ベンダーではこうした課題に対応して、オープン系システム構築の方法論整備や、プロジェクトの遂行リスクの管理強化に取り組んできています。「国内ITサービス市場において、ベンダーが競争力を維持するためには、要件定義の確度向上、およびオープン系基幹システム開発スキルの安定的な確保が不可欠である。また、主要ベンダーですでに具体的な取り組みが実施されているように、プロジェクト遂行上の潜在的リスクの可視化を進めることが重要である」とIDC Japan ITサービス グループマネージャーの伊藤 未明は述べています。
今回の発表はIDCが発行したレポート「2006年 国内ITサービス市場主要ベンダーのシステム開発生産性および品質向上の戦略」(J6080106)にその詳細が報告されています。本調査レポートでは、ユーザー企業に対するアンケート調査から、2005年における自社向け情報システム開発プロジェクトの実態と課題の分析を行っています。さらに、国内主要ITベンダー(富士通、日立、NEC、IBM、NTTデータ)の開発生産性および品質向上のための戦略を分析しています。
(※レポートの詳細についてはIDC Japanへお問合せ下さい。)
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