アイピーフレックスは、2007年9月に発表しました「4x4-MIMO信号分離LSI」に引き続き、NTTドコモから提供されたC言語ソースコードを基に、「2x2-MIMO信号分離部」への再設計、および「TURBOデコーダ」の新規設計を行い、前回と同様に低消費電力化を優先目標としてさまざまな最適化手法を適用しました。すなわち、回路化を考慮したCプログラムでの最適化、固定小数点化におけるビット精度の最適化、論理設計レベルでの最適化などであり、さらには低消費電力レイアウト設計サービスを提供しているエイ・アイ・エル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:瀧 和男)の協力により、物理設計(レイアウト)レベルでの最適化も行っています。加えて、業界最小レベルのリーク電流でさらに消費電力が改善された、富士通マイクロエレクトロニクス株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:岡田 晴基)の65nm CMOSスタンダードセルを用いることにより、40mW以下@Vcc=1.0V(コア回路のみ、I/Oバッファセルは除く)を達成しました。
【受信部ベースバンドLSIの概要】
・LSI化回路:受信部ベースバンド処理
(FFT、チャネル推定、MIMO信号分離、TURBOデコーダなど)
・多重方式:2x2-MIMO-OFDM(注4)
・変調方式/伝送レート制御:16QAM/QPSK with PARC(注5)
・周波数帯域幅:20MHz
・データ伝送レート:約100Mbps
・消費電力(コア回路):40mW以下 @ Vcc=1.0V
・LSIデバイスプロセス:富士通マイクロエレクトロニクス 65nm CMOSプロセス
・LSIダイサイズ:8.4mm×4.2mm
【エイ・アイ・エル株式会社について】
エイ・アイ・エル株式会社は、特にシステムLSIを低消費電力化および小型化する設計技術、さらには論理合成を超える高速設計をも可能にする独自技術を開発し、それらに基づく受託開発と独自IPコアの供給で多くの実績を上げています。
【アイピーフレックス株式会社について】
アイピーフレックス株式会社は、動的再構成可能(ダイナミックリコンフィギュラブル)な高性能かつ多機能プロセッサ、これに対応した開発環境ソフトウェアや評価ボード、周辺インタフェース製品を提供しています。アイピーフレックスが開発したダイナミック・リコンフィギュラブル・プロセッサのDAPDNAデバイスファミリと、Software to SiliconコンセプトをベースにしたDAPDNA-FW II統合開発環境を使用すると、短い期間で高性能な製品を開発できるうえ、製品の多様化、アプリケーションの変更や更新へ迅速に対応することができます。アイピーフレックスは、民生機器、画像処理、無線通信機器、高性能演算処理といった、それぞれのアプリケーションに最適なソリューションをパートナ企業と共に提供しています。なお、IPFlex、アイピーフレックス、DAPDNA、Software to Silicon はアイピーフレックス株式会社の登録商標です。その他記載の社名および商品名は、各社の登録商標または商標です。
以 上
●本件に関するお問い合わせ
アイピーフレックス株式会社
≪お客様、および報道関係お問い合わせ先≫
プレスリリース担当:長坂
TEL:03-5436-3861 FAX:03-5436-3862 電子メール:info@ipflex.com
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用語解説
【用語説明】
(注1)3GPP-LTE:国際標準化団体3GPP(The 3rd Generation Partnership Project)でLTE(Long Term Evolution)として規格化された次世代(3.9G)移動体通信仕様。
(注2)MIMO(Multiple Input Multiple Output):送信側、受信側ともに複数のアンテナでデータを送受信して空間多重伝送する、より高速で安定した無線通信技術。
4本ずつの送受信アンテナでMIMO伝送する場合を「4x4-MIMO」、2本ずつの送受信アンテナの場合を「2x2-MIMO」と表現する。
(注3)TURBOデコーダ:データ伝送時に使用する誤り訂正符号のひとつに「TURBO符号」があり、それで符号化されたデータを復号するための復号器(デコーダ)。
(注4)OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing):直交周波数分割多重。
(注5)16QAM(16 Quadrature Amplitude Modulation):16値直交振幅変調、
QPSK(Quadrature Phase Shift Keying):直交位相変調、
PARC(Per-Antenna Rate Control):アンテナごとに変調多値数や符号化率を個別に制御する方式
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