世界のモバイルマーケティングと広告の市場は、アジア地域にけん引されて急成長を遂げている。2011年のアジア太平洋地域の広告費は約77億ドルとなり、世界では160億ドル以上となるだろうと米国調査会社ABIリサーチは予測している。
「2009年の世界のモバイルマーケティングと広告の費用は、2008年比でわずかな増加か横ばいだろう」と、ABIリサーチのシニアアナリストJeff Orr氏は言う。「モバイル広告は、その他のメディアの広告に比べて非常に有望である。キャンペーンコストが安いために、賢くお金を費やして、より大きな効果を得ることができる。」
なぜ、アジアでは、モバイルマーケティングや広告が、他の地域よりも広範囲に利用されているのだろうか。特に、日本や韓国などのブロードバンドを導入している国々では、SMSテキストメッセージング、 広告支援のゲーム、アプリケーションダウンロード、モバイルウェブが、消費者に広く急速に利用されるようになっている。人々は、これらのサービスの利用方法を把握しており、すばやく自身のライフスタイルに取り入れている。新しいものを好む文化的素因を加味すれば、消費者受けのするモバイルマーケティングを理解することができるだろう。
モバイルマーケティングが成功するには、広告キャンペーンに関する斬新なアイデアが必要だ、とOrr氏は言う。「モバイルによる広告宣伝は、従来のメディアやオンライン広告よりも、ターゲットが明確である。また、双方向性が非常に高く、顧客と実際に会話することができ、顧客が直接サービスを購入することも可能である。そのため、キャンペーンの結果を非常に正確に測定することができる。」
モバイル広告のキャンペーンコストが比較的安いとはいっても、不況の影響を受けずにはいられない。広告主やブランドのオーナーが試験的にモバイル広告の予算を立てたとしても、カットされる可能性も大きい。だが、モバイル広告が、マーケティングミックスのより重要で確立された一要素となれば、広告費は確保され、2009年には増加するかもしれない。
ABIリサーチの調査レポート「モバイルマーケティングと広告」は、モバイルマーケティングを定義して、エコシステムにある主要企業と、メッセージング、検索、ウェブ、ビデオ、アプリケーション等の、モバイル消費者と直接コミュニケーションを取るために使用される、人気の高い、多くの新技術チャネルについて詳細に調査している。また、よく買物を利用する消費者に到達する際に、プロキシミティマーケティングと位置情報サービスが、どのような役割を果たしているかについても記載している。
この調査レポートは、「モバイルコンシューマー年間リサーチサービス」の一環である。
◆調査レポート
モバイルマーケティングと広告:印刷物とインターネットが低迷するなかモバイルは上昇
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