立命館大学・ローム・ISID、色素増感型太陽電池(DSC)によるエネルギーハーベスティング方式を実現した屋内測位インフラ「Place Sticker(R)」を開発―CEATEC JAPAN 2011に出展

株式会社電通国際情報サービス

From: JCN Newswire

2011-10-04 13:00

Tokyo, Oct 4, 2011 - ( JCN Newswire ) - 立命館大学(本部:京都市、総長:川口 清史)、ローム株式会社(本社:京都市、代表取締役社長:澤村 諭、以下ローム)、株式会社電通国際情報サービス(本社:東京都港区、代表取締役社長:釜井 節生、以下ISID)の3者はこのほど、エネルギーハーベスティング方式※による稼働が可能で、高精度な屋内測位インフラ「Place Sticker(R)(プレースステッカー)」を開発しました。「Place Sticker(R)」は、スマートフォンなどの携帯端末を保有するユーザーに対して位置情報サービスを提供する技術で、ビル、ショッピングセンターなどの屋内や地下街における測位インフラとして活用を試みていきます。なお、今回の成果は2011年10月4日から幕張メッセ(千葉県幕張市)において開催される、アジア最大級の最先端IT・エレクトロニクス総合展CEATEC JAPAN 2011のローム展示ブース(ブース番号:7F02)にてデモンストレーションを行います。

近年、スマートフォンなどでGPSの利用が一般化し、屋外における様々な位置情報サービスが提供されています。GPSの利用が困難な建物内や地下においても屋外と同様なサービスの需要が期待されており、GPS信号を屋内で発信する方式や、通信用の無線LAN基地局から発信された電波を測位に流用する方式など、様々な測位技術の研究が進められています。しかし、より局所的な場所の測位を必要とする場合においては、十分な精度を得るために多数の発信機を設置する必要があります。そのような場合、発信機の電源増設にかかるコストが高いなど、実用化には多くの課題が残されています。

そこで立命館大学、ローム、ISIDは、測位技術とエネルギーハーベスティングの組み合わせに着目し、屋内測位インフラの確立と普及を目指す共同研究開発として「Place Sticker(R)」プロジェクトを実施しています。「Place Sticker(R)」は、他の位置測位技術で不得意とされている1メートル以内の測位及び電源のない場所での駆動について解決する技術として今後実用化を目指してまいります。

「Place Sticker(R)」は、屋内測位インフラとして以下の要件を実現しています。

(1)高精度な測位を可能とする

「Place Sticker(R)」は、無線LAN基地局方式を採用しており、現在普及しているスマートフォンで稼働します。また、IEEE802.11に準拠した無線LANのビーコンを低出力で送信することにより、従来より狭い間隔で設置できるため、これまで無線LAN基地局方式では実現が厳しかった3メートル以内の測位を可能としています。国土交通省の「平成22年度移動支援サービス技術研究支援事業」において、大阪・梅田周辺地下街で実施した実証実験では、10mおきに「Place Sticker(R)」を設置し、3mの測位精度を実現しました。今後は、1メートル以内の測位精度を目標として開発を進めてまいります。

(2)低運用コスト

「Place Sticker(R)」は、通信インフラとしてではなく屋内測位インフラとしてのみ機能させることにより、低出力のビーコン送信に限定し、低消費電力化を実現しました。また、ロームによる色素増感型太陽電池(DSC)の室内光下での発電効率の改善により、屋内においてもエネルギーハーベスティング方式による駆動を可能とし、外部からの電源供給を不要にしました。その結果、これまで無線LAN基地局方式で必要だった電源施設工事のコストを省き、電気代不要で稼動させることが可能となりました。

なお、CEATEC JAPAN 2011のローム展示ブースでは、「Place Sticker(R)」を約3m間隔で33個配置し、ブースの大部分において測位可能な環境を提供します。「Place Sticker(R)」は、配置レイアウトに応じてビーコン送信の出力を調整することが可能で、配置間隔を狭めることにより測位精度は1mを目標としています。配置した33台のうち、3台はロームの最新シースルーカラーDSCで動作します。

立命館大学とISIDは、産学連携活動の一環として、2009年からユビキタス環境に関する共同研究を実施しています。「Place Sticker(R)」はその枠組みで研究開発が始まりました。今回のプロジェクトで立命館大学は測位アルゴリズムの開発を行い、またISIDは「Place Sticker(R)」のプロトタイプ開発、アプリケーション作成、及び位置測位サービスインフラの構築を行っています。ロームは、将来のエネルギーハーベスト時代に対応するため、屋内でも発電が可能なデバイスとして2009年から色素増感型太陽電池(DSC)の開発をスタートし、室内光下における発電効率の改善と製造技術の確立に取り組んでいます。今回のプロジェクトでは、先進的なDSCの高効率化、ならびに自立電源モジュールをはじめとする電源モジュールの開発、及び「Place Sticker(R)」の実装を行っています。

3者は今後、エネルギーハーベスティング方式による屋内測位インフラ「Place Sticker(R)」を活用した測位技術のさらなる向上および一層の低コスト化に取り組み、実用化に向けて研究開発を進めてまいります。

【用語説明】
※エネルギーハーベスティング方式
我々の周囲の環境から室内光発電や振動発電などにより、その場でエネルギーを収穫(harvest)して駆動させる方式。

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<本リリースに関するお問い合わせ先>

立命館大学 広報課
TEL:075-813-8300
FAX:075-813-8147

ローム株式会社 広報IR室
TEL:075-311-2121
FAX:075-311-1363

株式会社電通国際情報サービス 経営企画室 広報担当
TEL:03-6713-6100
FAX:03-6713-9903

概要:株式会社電通国際情報サービス

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