横浜・三溪園ゆかりの富岡製糸場、世界遺産に! ― 今秋、世界遺産登録記念のシンポジウムを開催 ―

横浜市

From: Digital PR Platform

2014-06-27 15:52


 このたび世界遺産に登録された「富岡製糸場」が、国指定名勝「三溪園(横浜市中区本牧三之谷58-1)」の創設者・原三溪により所有・経営されていた時期があることをご存知でしょうか?
 古美術コレクター・芸術のパトロン・数寄者・社会事業家など、さまざまな顔を持っていた原三溪ですが、実業家として関わった諸事業の中でその主軸として置いたのが先代・善三郎(原家初代)から引き継いだ生糸の売込み(のちに貿易)と製糸でした。三溪が富岡製糸場の譲渡を三井家から受けたのは明治35(1902)年のこと。以後、その経営は昭和13(1938)年までの36 年間に及び、片倉工業株式会社に次ぐ長い経営期間となりました。 
 これは、設備や蚕種の改良、更生・衛生面といった労働環境の整備、個々の養蚕農家や組合への指導や連携強化などを重ね、経営の安定化に努めたことによります。
三溪園の造園は、三溪のこの富岡製糸場入手のころから始められます。富岡製糸場が生んだ富は、まさに三溪園をとおして日本文化の保存・継承、そしてあらたな創造というかたちで結実したといえます。

 今秋、「富岡製糸場」の世界遺産登録記念のシンポジウムを原三溪市民研究会、横浜美術館との共催で行います。原三溪がこの製糸場にいかに関わり、どんな役割を果たしたのか、原三溪の人となりと同製糸場とのつながりについて考えるシンポジウムです。
 ぜひ周知のご協力およびご取材をお願いいたします。

◆富岡製糸場世界遺産登録にともなう記念シンポジウム 「富岡製糸場と横浜の原三溪―36 年間の経営と継承―」
日時: 2014 年10 月11 日(土) 14:00~16:30
会場: 横浜美術館 レクチャーホール
参加費: 無料
定員: 先着200 名(12:30 よりホール入口にて整理券を配布します。)
主催: 原三溪市民研究会 横浜美術館 三溪園

 富岡製糸場の世界登録遺産は、三溪が経営した明治末期から昭和戦前期にかけ、地域の養蚕農家、養蚕の教育機関、蚕種を保存する貯蔵施設と協力しあって、生糸産業の技術革新に取り組み、海外へ良質な生糸を大量に輸出して、世界のファッション界に貢献したことなどが高く評価されたものです。
 生糸貿易商の三溪は、なぜ富岡製糸場を手に入れたのか。手腕はどのように発揮されたのか。富岡製糸場は、なぜ世界の製糸業界を牽引するほどの技術革新を達成できたのか? 知られざる原三溪の人となりと富岡製糸場とのつながりについて、考えたいと思います。

<プログラム>
第1部 ・講演1 世界遺産と原時代の富岡製糸場 (富岡製糸場総合研究センター学芸員 岡野 雅枝)
     ・講演2 原合名会社の近代経営学 (東京外国語大学名誉教授・原三溪市民研究会顧問 内海 孝)

第2部  パネルディスカッション

◆富岡製糸場の所有者の変遷
  1872(明治 5)年 官営
  1893(明治26)年 三井家
  1902(明治35)年 原合名会社
  1939(昭和14)年 片倉製糸紡績株式会社(現・片倉工業株式会社)
  1987(昭和62)年 富岡製糸場の操業停止、閉業。以後も「貸さない、売らない、壊さない」の姿勢を堅持。
  2004(平成16)年 富岡市
  2005(平成17)年 片倉工業株式会社より建物は無償、土地は有償で譲渡を受ける。同年、「旧富岡製糸場」として国指定史跡となる。
  2006(平成18)年 1875(明治8)年以前の建物が、重要文化財となる。
  2007(平成19)年 「富岡製糸場と絹産業遺産群」として、世界遺産暫定リストに記載される。
  2014(平成26)年 世界遺産に登録される。


【三溪園について】
 三溪園は、明治時代末から大正時代にかけて製糸・生糸貿易で財をなした横浜の実業家0・原三溪(本名 富太郎)が、東京湾に面した“三之谷”と呼ばれる谷あいの地に造りあげた、広さ175,000m2(53,000坪)の日本庭園です。明治39年(1906)年に一般に公開された外苑と、三溪が私庭としていた内苑の2つの庭園からなり、京都や鎌倉などから集められた17棟の歴史的建造物と四季折々の自然とがみごとに調和した景観が見どころとなっています。
 三溪は、芸術家や文学者などの文化人たちと広く交流したことでも知られ、三溪園は美術・文学・茶の湯など近代日本文化の一端を育んだ場所でもあります。学術上・芸術上・そして鑑賞上優れていることから、平成19(2007)年には国の名勝に指定され、庭園全域も文化財として位置づけられました。

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