スターガルト病治療薬候補「エミクススタト塩酸塩」の臨床第2a相試験、 最終被験者最終来院(LPLV)を完了

窪田製薬ホールディングス株式会社

From: 共同通信PRワイヤー

2017-12-04 08:45

2017年12月4日

窪田製薬ホールディングス株式会社
(コード番号 4596 東証マザーズ)

スターガルト病治療薬候補「エミクススタト塩酸塩」の臨床第2a相試験、最終被験者最終来院(LPLV)を完了

 窪田製薬ホールディングス株式会社(以下「当社」)は、当社100%子会社のアキュセラ・インク (米国)が実施中である、スターガルト病の治療における「エミクススタト塩酸塩」(以下、「エミクススタト」)の効果を評価するための臨床第2a相試験(*1)において、予定通り最終被験者の最後の来院(LPLV, Last Patient Last Visit)を終えたことをお知らせいたします。

 本試験は、多施設共同無作為化二重盲検試験で、スターガルト病患者に対するエミクススタトの薬理作用、安全性および忍容性を評価することを目的に、米国で実施しました。22名の被験者を2.5mg、5mg、10mgに割り当て、1ヶ月間1日1回夕方にエミクススタトを経口投与いたしました。

 薬理作用においては、網膜の中で光を感じる細胞のうち光感度の高い杆体細胞の働きの変化を調べるため、網膜の機能を検査する網膜電図を用いました。杆体の反応は、網膜電図ではb波で示されます。エミクススタトは視覚サイクルにおいて重要な役割を果たす酵素であるRPE65を阻害して杆体を休ませることで視覚サイクルを抑制する働きが確認されていることから、本試験はスターガルト病患者に対して、杆体b波の振幅が投与1ヶ月後にどれくらいの割合で抑制されるかを調べるために実施しました。

 今後のステップとしてはデータベースを固定し、データ解析を行った後、臨床試験の結果も含めこれからの開発方針についてお知らせしてまいります。

 眼科医であり、当社の代表執行役会長、社長兼最高経営責任者である窪田良博士は、「スターガルト病は、日本国内では厚労省が指定する目の難病の一つで、米国では最も頻度の高い若年性の黄斑変性症で、希少疾患に指定されています。スターガルト病はアンメットメディカルニーズであり、未だ有効な治療法がありません。失明を防ぐ薬剤開発を目指す弊社としましては、1日も早く患者さんの病気の進行を抑制する薬を世の中に送り出せるよう、開発に取り組んでまいります。」と述べています。

 尚、本件の連結業績への影響は軽微でありますが、今後の業績に重要な影響が生じることが明らかになった場合には、速やかに開示いたします。

◆スターガルト病について
 スターガルト病は、徐々に光受容体が損傷し、視野の欠損、色覚異常、歪み、ぼやけ、中心部が見えにくいなど様々な視力低下の症状が生じる遺伝性疾患です。典型的なスターガルト病は小児期から青年期にかけて発症しますが、中には成人期まで視力低下を自覚しない患者もいます。スターガルト病の約95%の症例は、網膜に局在するABCA4遺伝子の異常に起因していると考えられています(*2)。

 スターガルト病は、8千~1万人に1人が罹患すると言われており(*3)、米国における推定患者数は4万人以下と推定されます(*4)。現在、スターガルト病に対し症状の進行を抑制する治療法は存在しておらず、アンメット・メディカル・ニーズ(*5)として対応が急がれています。

◆エミクススタトについて
 眼球の奥にある網膜には、脳に映像を認識させるために光を電気信号に変える働きをする「視覚サイクル」と呼ばれる仕組みがあります。この視覚サイクルは、明るい光や強い光にさらされると有害代謝産物を生成します。これが長期にわたり消化されないまま蓄積されると、視覚サイクルの働きに支障をきたすだけではなく、網膜自体が損傷され、視力低下あるいは失明にいたると考えられています。

 網膜には、こうした有害代謝産物の前駆物質を分解する細胞に輸送する働きをするABCA4という遺伝子があります。スターガルト病はこのABCA4遺伝子の異常により、網膜にビタミンA由来の有害代謝産物が過剰に蓄積され、網膜内の細胞が損傷し最終的には視機能障害をきたすと考えられています。

 エミクススタトは、視覚サイクルに不可欠な酵素であるRPE65を抑制することで、視覚サイクルを調節し、ビタミンAの代謝率を低下させます。これにより、スターガルト病の発症に関与すると考えられているビタミンA由来の有害代謝産物の産生が低下するため、網膜の機能維持に有用であると理論づけられています。

 エミクススタトは、スターガルト病の新規治療薬候補としてFDA(米国食品医薬品局)からオーファンドラッグ認定を受けています。(2017年1月6日付当社プレスリリース『「エミクススタト塩酸塩」のスターガルト病治療に対するFDAオーファンドラッグ指定のお知らせ』をご参照ください。)


*1:エミクススタトは、臨床第1相試験(健常人を対象とした、安全性について調べる試験)を終了しているため、臨床第2a相試験から実施
*2:National Eye Institute. (リンク ») 2017年11月20日のデータ
*3:Retinal Pharma & Biologics Market, Market Scope 2015
*4:Market Scope社が 2015年に発行した「Retinal Pharma & Biologics Market」と「UN World Population Prospects 2015」をもとに、米国のスターガルト病患者数を自社で算出
*5:アンメット・メディカル・ニーズとは、いまだ治療法が確立していない疾患への医療ニーズ

                                 以上

◆窪田製薬ホールディングス株式会社について
 当社は、世界中で眼疾患に悩む皆さまの視力維持と回復に貢献することを目的に、イノベーションをさまざまな医薬品・医療機器の開発および実用化に繋げる眼科医療ソリューション・カンパニーです。当社100%子会社のアキュセラ・インク(米国)が研究開発の拠点となり、革新的な治療薬・医療技術の探索および開発に取り組んでいます。当社独自の視覚サイクルモジュレーション技術に基づく「エミクススタト塩酸塩」において糖尿病網膜症、スターガルト病、加齢黄斑変性への適応を目指し研究を進めております。また、白内障や老視(老眼)の薬物治療を目的とした「ラノステロール」の研究開発および網膜色素変性における視機能再生を目指す「オプトジェネティクス」に基づく遺伝子療法の開発を実施しております。同時に、加齢黄斑変性、増殖糖尿病網膜症、糖尿病黄斑浮腫の治療を目指し、「バイオミメティックス(生物模倣技術)」の研究開発も進めております。また、PBOSなどのモバイルヘルスを含む医療デバイスの研究開発も手掛けております。
(ホームページアドレス: (リンク ») )

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