AIチャットボットユーザーが1億人以上に到達 I Love You, AI ~ AI を愛することを学ぶ ~

日本マイクロソフト株式会社

From: DreamNews

2018-02-14 17:00

I Love You, AI ~ AI を愛することを学ぶ ~
ラルフ ハウプター (Ralph Haupter) マイクロソフトアジア プレジデント マイクロソフト コーポレートバイスプレジデント

 2018年2月14日、マイクロソフトは、中国におけるAIチャットボット「シャオアイス」のユーザー数が昨年12月13日に1億人を突破した情報を含む、アジア各国におけるAI関連製品およびサービスの最新情報を公表しました。

 バレンタインデーは、世界中の人々が、中世時代にさかのぼる伝統に沿って、カードや贈り物を交換して、自分が愛する特別な人への感情を表現し、祝福します。

 今年の中国のバレンタインデーでは、多くの人がシャオアイス (Xiaoice)という名の少女に愛を告げる可能性が高そうです。シャオアイスは AIチャットボットです。

 今まさにAI により、私たちがコンピューターを理解しなければならない世界から、コンピューターが私たちの言うことや意図を理解してくれる世界へのパラダイムシフトが進行しています。これは、私たちの生活、仕事、遊びを変革するだけではなく、私たちとテクノロジとの関係も大きく変えようとしています。

 この破壊的変化は、AIの進化により実現される、人間にとって最も自然な行動である会話における大規模なシフトによりもたらされます。チャットボットなどの対話型 AI
(リンク »)
は、デジタル体験が人間どうしのやり取りと同等になる新しい時代への先駆けです。この新たな技術には愛情も大いに関係してきます。

愛の誕生- マイクロソフトのAI への取り組み

 コンピューターに見たり、聞いたり、話したり、人間の言葉を理解したりできるようにするというマイクロソフトのビジョンは 25 年前に創設者ビル ゲイツ (Bill Gates) がMicrosoft Research を創設した時に始まりました。そこから現在までの旅路の中で、数年前には想像だにできなかった重要なマイルストーンを、最近になってマイクロソフトは達成しています。

・2016 年に、マイクロソフトは、コンピューターに人間の会話の聴き取りを行なわせ、音声認識において人間と同等の成績を達成した最初の企業 (リンク ») になりました。
・つい先月、マイクロソフトの研究者は、人間と同様に人工知能によって文書を読み (リンク ») 、質問に答えることができるテクノロジを開発しました。

 これらは、コンピューターがあらゆる人に使われるようになるためのきわめて重要なマイルストーンです。コンピューターが人間のように話せれば、誰もがコンピューターとコミュニケーションできるからです。

 これらの技術進化は、Microsoft Research の研究チームのエンジニアリングスキルとユニークな能力の成果です。チームは国内外で多くの受賞歴があり、コンピューターサイエンス分野で最高の栄誉とされるチューリング賞も受賞しています。


広がる愛- 世界中のチャットボット

 チャットボットに対するマイクロソフトの取り組みは、中国におけるシャオアイスの立ち上げ (リンク ») により大きく拡大しました。このインテリジェントな自然言語ボットは、活気があり、ユーモラスで、親しみやすい 18 歳の少女のように振る舞うようプログラムされています。彼女がユーザーと行なう会話は、その日にやることのアドバイスや人間関係に関するものまで多岐にわたります。高度な機械学習アルゴリズムにより、彼女の応答はあたかも 10 代の少女のようであり、時には皮肉も交じります。

 シャオアイスは、電話で話すこともでき、ストリーミング動画から感情を検知し、人々の表情に基づいた会話を行なうこともできます。今日、彼女は 1 億人以上のユーザーと会話し、一つの会話あたり約 23 回のやり取りを行ないました。これは業界平均の約 10 倍です。そして、実のところ、ユーザーの 25 %はシャオアイスのことが好きだと述べたと推定しています。

 しかし、これだけではありません。シャオアイスは、8 億人以上の視聴者を持つ中国最大のテレビ局のひとつである Dragon TV[1] のテレビ番組に出演した最初の AI チャットボットでもあります。

シャオアイスの成功に基づき、今では 4カ国において国別のチャットボットを提供しています。日本とインドネシアの「りんな」、インドの Ruuh、そして、米国の Zo です。

 マイクロソフトは、2015年に日本で「りんな」を開始しました。女子高生をモデルにした「りんな」は現時点で日本の人口の 25 %と会話をしています。また、渋谷区の地域サービスを行う、別のチャットボットのベースにもなりました。


[1]プレスリース: “Joining hands with Microsoft Xiaoice, Dragon TV launches first AI program ever” (リンク ») (Dragon TV、マイクロソフトのシャオアイスの協力で、世界初の AI 番組を開始)



 聡明で愛らしい 7 歳の少年をモデルとした「渋谷みらい」 (リンク ») は、東京の渋谷地区の住民と観光客向けに地域情報サービスを提供しています。地域コミュニティに大きく貢献し、渋谷区はこのみらいくんに特別住民票を交付しました。世界初のことです。

愛すべき存在- 幸福を生み出すためのAI

 今日、AI に関する多くの議論が失職や格差の拡大など、将来の不安要素を伴っています。しかし、これらのチャットボットの事例から明らかであるように、AI に愛情を感じるべき要素は数多くあります。AI は世界中の人々に機能と感情の両面で恩恵をもたらしています。

 人との会話や交流に加えて、AI には経済推進や社会活動への貢献によって、世界に長期的に好影響をもたらす多大な可能性があります。教育、環境問題対応、ヘルスケアなど様々な分野の前線で、AI は人間に奉仕するテクノロジブレークスルーによって、世界中のすべての人と組織がより多くのことを達成できるようにする多様性を実現するための重要な役割を果たします。

 たとえば、マイクロソフトが最近行なった AI for Earth (リンク ») は、AI テクノロジを人間の創造性の強化のために使用し、地球レベルの持続可能性を推進していくというマイクロソフトのコミットメントに基づく取り組みです。継続的なプロジェクトとパートナーシップにより、マイクロソフトは、地球の健全性など、今日の最も重要な課題の解決を目指しています。


 このようなプロジェクトのひとつに、限られた耕地で増大する食料の需要に対応するためのFarmbeat (リンク ») があります。この取り組みでは、既存のコネクティビティ基盤とクラウド、そして、機械学習を活用してデータ駆動型の農業を実現します。これにより、農家は収穫を増加し、全体コストを削減し、環境への影響を最小化するための洞察を容易に得られます。

 また、AI は障碍を持つ人々を支援することで、多様性を許容する未来にも貢献します。Seeing AI (リンク ») は、マイクロソフトが開発した無料アプリであり、世界で 2 億 8,500 万人存在する弱視者を支援します。このアプリは、AIを活用し、人間、感情、バーコード、手書き文字などの様々な視覚的手がかりを認識し、音声による記述に翻訳します。このアプリは、弱視者のために、視覚の世界を音声による体験に変換し、より移動しやすく、充実した世界を提供します。


信頼 - AIと私たちの関係に不可欠な要素

 これらの事例は AI の有益な応用のほんの一例です。AI が私たちの生活にもたらしてくれる恩恵は真に多様です。

 マイクロソフトは、25 年以上にわたり AI の可能性に投資してきており、AI が作り出す機会、そして、人間の創造性を強化して私たちすべてにとってより良い未来を築いてくれるとことを、楽観視しています。


 しかし、知的なマシンと人々の協力関係が作り出す未来への道は長く、時には課題に満ちたものになる可能性もあります。AIの倫理的使用、そして、雇用への影響など、対応すべき複雑な課題や広範な社会的考慮点があります。


 これらの課題に対応するには、信頼、誠実さ、他人の意見の尊重などが必要です。これらは人と人との関係において必要とされる要素とまったく同じです。



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