メタデータ、未来のAI医療の礎となる乳がんのリンパ節転移の有無判定AIを開発

メタデータ株式会社

2019-03-28 18:00

メタデータ株式会社(所在地:東京都文京区;代表取締役社長:野村直之)は、深層学習による、乳がんリンパ節転移有無判定AIを公表いたします。2016年度より、厚生労働省科学研究費プロジェクトの共同研究パートナーとして、メタデータ社は東京大学およびインスペック株式会社と共に、病理デジタル画像・人工知能技術を用いた、病理診断支援ツールを研究開発してまいりました。このたび実用精度をクリアし、AIの判定結果を元画像にオーバーラップ表示し、インターネット回線を介して高解像度デジタル病理画像とその判定結果をAIサーバとの間で簡便に送受信できるプロトタイプシステムを、2019年4月以降、必要機材を備えた研究拠点での実験のため、利用申し込みを受付開始いたします。
■背景
 病理検体の画像を見て悪性腫瘍の転移等を見つける病理医の診断は、患者の生死、予後の健康を左右します。このため、慎重を期し、その判断が誤ることのないようダブルチェックが推奨されていますが全診療科の中で充足率が最下位の病理医は全国的に不足しています。東京都内でさえ、病理医が1名ないし不在の病院が多数あり、一人病理医には大きな負担とプレッシャーがかかっていました。地方によっては、病理診断が行われなかったり、外部機関に依頼することで診断に時間がかかったりする問題点が指摘されています。
 たとえば女性のがん罹患率第1位の乳がんは、わきの下のリンパ節に転移することが知られています。少し前までは、乳癌の手術ではわきの下のリンパ節をとる手術がさかんに行われていました。わきの下のリンパ節をとった患者さんは、しばしばひどく腕がむくんだり(リンパ浮腫)、運動障害を起こし、日常生活に支障をきたすことが知られていました。しかし、最初に転移をきたす乳房周囲のリンパ節=センチネルリンパ節(みはりリンパ節)で、転移の有無を手術中に迅速に診断しがんの転移を認めない場合には、多くの患者さんでの下のリンパ節をとる手術を省略することができます。これにより不必要な手術をなくし、手術後でも支障なく日常生活を送ることが可能となることが知られています。
 このように乳がんのセンチネルリンパ節転移の有無を、より多くの施設で、手術中に迅速かつ安全に判定できるようにすることは、医療の質の向上という観点からも大きな意義があります。

■乳がんリンパ節転移有無判定AIの概要
 パスイメージング株式会社( (リンク ») )、合同会社医知悟( (リンク ») )および株式会社 メタ・コーポレーション・ジャパン( (リンク ») )の協力の下、セキュアなネットワークを通じ、十分なGPUリソースを使った高速な判定が可能です。
 具体的には病理組織デジタル画像スキャナーFino(パスイメージング社)で術中迅速診断用の病理スライドガラス標本を読み込ませ、取り込んだ病理デジタル画像を、医知悟社のiCOMBOXを経由してジグソーパズルのピースにしてセキュアかつリアルタイムにAIセンターサーバー自動送信してもらい、今回共同研究で開発したAI自動判定プログラムで、瞬時に判定を行います。これをTMAPViewerAI(株式会社 メタ・コーポレーション・ジャパン)で読み込ませることによって、転移の部位を図に表して判定結果をオーバーラップ表示させ、依頼元の医療機関のデジタル病理画像上に描出します。

■ご試用のご案内
 研究目的で、医師の診断に用いないことを条件に試用が可能です。
セキュアなネットワークを介して乳がんの転移判定が実行できるシステムの完成例をご覧いただくことができます。
 ご登録はこちらから(無料): (リンク »)

用語解説

■メタデータ株式会社について
 メタデータ株式会社は、2005年12月にデータ統合、インターオペラビリティの推進のため、人工知能によるメタデータ自動抽出技術等を開発する応用ソフトウェア会社として設立。5W1H抽出によるコンテンツ連携や個人情報の自動匿名化、評判分析(ネガポジ・感情解析)、深層学習による専門画像分類や自然言語処理技術をAPIの形で提供するとともに、意味による自動分類やポジショニングマップ生成の可能な高度テキスト・アナリティクス製品、xTech等数理最適化エンジン等を開発し、SaaS、クラウド向けアプリケーションとして提供してきております。
 代表取締役・野村は、MITマサチューセッツ工科大学・人工知能研究所の研究員時代に概念体系WordNetの理論と活用研究に貢献。その後の、WordNetをベースに1400万枚の写真に体系的な意味ラベルを付与したImageNetの完成によるディープラーニングの劇的精度向上にも、間接的な貢献を果たしています。
近年は、機械学習型AIの最大のボトルネック「正解データ作り」を強力に支援するタイプのAIを開発し、一般概念として “AI for AI”(その当社版の呼称がMr.Data)を提唱するとともに、RPAとの組み合わせを精密に考察、設計し、“AI for RPA”、“RPA for AI”の企業向けソリューションを提供しています。

■本件に関するお問い合わせ先
メタデータ株式会社 (リンク »)
担当:野村 nomuran@metadata.co.jp
TEL:03-3813-5447  FAX:03-3813-5447

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