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ローザンヌ(スイス)、2019年5月29日/PRニュースワイヤー/ – スイスのビジネススクール、IMDが毎年発表するIMD世界競争力ランキング ( (リンク ») )最新版では、シンガポールが2010年以来初めて、世界で最も競争力のある経済国の地位に返り咲きました。米国は首位から陥落。一方、経済的な不確実性が、欧州諸国の順位を下げました。
日本は、25位から30位に順位を下げました。経済の停滞、政府の債務に加え、ビジネスの効率性の低下が主因です。
特にビジネスの効率性の分野では、調査対象63か国中、46位となり、昨年の36位から大幅に順位を落としました。
特に、「生産性と効率性」「経営慣行」「姿勢と価値観」といった領域での低下が目立ちました.
これは、グローバル化とデジタル化が加速する経済社会における日本の準備度に関する企業心理の低下を示すものです。
一方、持続可能性に関する長期的な基準においては、日本は「持続可能な開発」で一位、「環境関連の技術」で2位にランクされました。
シンガポールは、技術的インフラの先進性、スキルの高い労働力の調達の容易さ、ビジネスに向いた入国管理法、新規事業設立のプロセスの効率性などが寄与する形で、首位に上り詰めました。香港特別行政区は、その低税率、整った事業政策環境、事業資金の調達のしやすさにより2位につけています。
本ランキングからは、ドナルド・トランプ大統領の税制諸改革の第一波がもたらした当初の自信は米国内では消えたように見えます。世界最大の経済国である米国は、依然としてインフラや経済活動の水準において世界をリードしていますが、その競争力は、燃料価格の上昇、ハイテク輸出の減速、ドル価格の変動により打撃を受けました。
このランキングをまとめているIMD世界競争力センター ( (リンク ») )の所長、アルテューロ・ブリス ( (リンク ») )IMD教授は次の様に述べています。「国際的な政治状況や貿易関係が急激に変化し、世界市場の不透明さが高まったこの一年、諸制度の質こそが、さらなる繁栄に向けた取り組みを統合する要素になってきたようです。国の制度的枠組みの強さが、企業が投資やイノベーションに取り組むための基盤となり、その結果、市民の生活の質が高まるのです」
多くのエコノミストが、国の長期的な経済の健全性には国の競争力が極めて重要であると考えています。国の競争力は、企業が持続可能な成長を実現することを助け、雇用を生み、究極的には市民の福祉を向上させるからです。
1989年に始まったIMDの世界競争力ランキングは、調査対象の63か国それぞれに関して、235の指標をまとめて算出されます。ランキング算出では、失業率、GDP、健康・教育への国の支出などのハード・データと、社会的結束や分離の度合い、グローバリゼーション、腐敗などのテーマに関する、経営幹部やマネジャーを対象としたアンケート調査からなるソフト・データの両方を、幅広く考慮しています。
スイスは、その経済成長、安定したスイスフラン、質の高いインフラにより5位から4位に順位を上げました。
今年最も順位を上げたのはサウジアラビアで、26位から13位に上がりました。
上位10の国は、シンガポール、香港特別行政区、米国、スイス、アラブ首長国連邦(2016年には15位)、オランダ、アイルランド、デンマーク、スウェーデン、カタールです。
ベネズエラは、インフレ、資金調達の悪さ、経済力の弱さによりランキング最下位に留まったままです。
―関連画像はAP Images( (リンク ») )より入手できます―
IMDビジネススクールについて:IMDは、スイスに根差し、世界に展開するビジネススクールです。リーダー育成と組織変革に特化し、組織と個人に持続的なインパクトを生み出します。経営幹部教育の分野で、世界トップクラスの評価を維持しており、日本でも多くの先進企業のリーダー育成に携わっています。
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