AIでデータ利活用を促進 医療やヘルスケア向けの新機能搭載 匿名加工情報作成ソフトウェアの新バージョンを9月に販売

NTTテクノクロス株式会社

2020-06-15 11:00

NTTテクノクロス株式会社(以下、NTTテクノクロス 本社:東京都港区芝浦、代表取締役社長:串間和彦)は、自治体・医療機関・健康保険組合などが保有しているパーソナルデータの利活用を促進するため、匿名加工情報作成ソフトウェア「tasokarena(タソカレナ)」に医療やヘルスケア向けの機能を追加した新バージョンを2020年9月から販売します。
■背景
 パーソナルデータから特定の個人を識別できないように加工した匿名加工情報*1は、本人の同意なく利活用できるため、膨大なデータを必要とする新薬開発や臨床研究の効率化など、医療やヘルスケア分野において利活用の期待が高まっています。しかし、匿名加工情報の作成には、医療やヘルスケアのデータ分析に関する知見と匿名加工に関する知見の両方が求められます。そのため医療分野の現場担当者のみで匿名加工情報を作成するには負担が大きく、本格的な利活用が加速していないのが現状です。
 NTT研究所が開発した匿名化技術*2を活用したtasokarenaを2018年7月から販売しているNTTテクノクロスは、これまでの医療やヘルスケアにおけるデータ利活用の実績と知見をもとに、あらゆるユーザーが簡単に匿名加工情報を作成できる新機能を提供します。

■特長
 tasokarenaはパーソナルデータの特性や利用目的に応じた匿名加工情報の作成を支援するソフトウェアです。新バージョンには、加工技法の組み合わせ(加工ルール)について検討を支援するAI機能と、医療・ヘルスケア向けの拡張機能を追加しました。

(1)AI機能により加工ルールの検討を支援
 tasokarenaの補助ツールに入力・設定したパーソナルデータの内容から、個人を特定できるかの危険性をAI機能が判別し、そのデータに対して適用を検討すべき加工ルールが提案されます。これにより、数十種類ある加工技法からどの技法を適用すればよいかをゼロから検討する手間が削減され、匿名加工情報を扱った経験が少ない医療の現場担当者など、あらゆるユーザーの負担軽減につながります。

(2)手間なくレセプトデータの匿名加工が可能
 自治体・医療機関・健康保険組合などの共通仕様になっているレセプトデータ*3をtasokarenaで読み込み可能にする変換ツールを提供します。レセプトデータのフォーマットはレコード識別情報の値によってレコード項目数や記録内容の形式が異なるため、匿名加工情報を作成する場合には、事前にユーザーによるデータの形式を合わせるなどのクレンジング処理が必要でした。変換ツールを使用することでユーザーの手間が削減されるほか、変換後のレセプトデータから作成した匿名加工情報を再び元のレセプトデータのフォーマットに戻すことが可能です。これにより、既存のレセプトデータの分析システムでも匿名加工情報を利活用できます。

(3)医療やヘルスケアに特化した加工技法の追加
 投薬日のデータなど日付の間隔を保ったまま加工する技法を追加しました。これまで投薬の順序を維持した状態で日付をランダム化することは可能でしたが、「投薬の順序を維持するだけでは新薬開発などには活用しづらい」「日付は基準日を基にした加算を行いたい」という声が製薬会社などから寄せられていました。現場の声を反映した加工技法の追加により、医療やヘルスケアにおける匿名加工情報の利活用を促進します。

(4)マスキングツールで情報共有の安全性を向上
 同一事業者内での情報共有における安全性を高める目的として、自由記述欄に含まれる個人情報を削除するマスキングツールを提供します。自由記述欄の医師の所見や患者の診療記録などに含まれる氏名や住所に関する個人情報は、ユーザーの手作業によるマスキングが必要なため、大きな負担になっていました。マスキングツールは自然言語解析により、文章の中から氏名や住所などを自動で判別し、削除を可能にします。これによりユーザーの作業負担を軽減しながら、情報共有における安全性の向上を実現します。

■価格(税別)(予定)
 ・スタンダード版(GUI版) 60万円~/年
 ・エンタープライズ版(スタンダード版+自動実行/データ連携機能) 180万円~/年
 ※年間サブスクリプションライセンス

このプレスリリースの付帯情報

tasokarenaの利用イメージ

用語解説

*1:匿名加工情報
 2017年5月施行の改正個人情報保護法により、個人情報を「匿名加工情報」に加工し一定の条件を満たすことで、本人の同意なく柔軟な利活用が可能になりました。「匿名加工情報」とは、特定の個人を識別することができないように加工して得られる個人に関する情報であり、当該個人情報を復元して特定の個人を再識別することができないようにしたものです。

*2:NTT研究所が開発した匿名化技術
 NTTセキュアプラットフォーム研究所が開発したPk-匿名化技術。データの一部分を確率的に書き換えるランダム化の処理と、元の状態を推定する再構築という処理により、理論的にk-匿名性を満たしつつ、元のデータの統計的性質をなるべく保った有用性の高いデータを作成します。

*3:レセプトデータ
 レセプト(診療報酬明細書)は、医療費の請求明細のことで、保険医療機関・保険薬局が保険者に医療費を請求する際に使用するものです。電子レセプトとは、厚生労働省が定めた規格・方式(記録条件仕様)に基づきレセプト電算処理マスターコードを使って、CSV形式のテキストで電子的に記録されたレセプトのことを指します。

*「tasokarena」はNTTテクノクロス株式会社の商標です。
* 記載されている商品名・会社名などの固有名詞は一般に該当する会社もしくは組織の商標または登録商標です。

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