東日本電信電話株式会社 福島支店(以下、NTT東日本)、株式会社NTT e-Drone Technology(以下、NTTイードローン)は、災害時に通信インフラが被災した場合に備えて、通信インフラの早期復旧を目的として3種類のドローンを活用した災害対策訓練(以下、本訓練)を実施しました。
1.背景・目的
通信インフラは、災害発生時における一刻を争う被害状況の把握や人命救助・物資搬送を支えるとともに、通常の社会・経済活動を取り戻すために必要不可欠なインフラとしても重要な役割を担っています。
NTT東日本は災害発生時に被災した通信インフラの早期復旧にむけてドローンの活用を進めてきました。また、今年2月からNTTイードローンが事業開始し、NTT東日本の災害対策用ドローンの開発・製造・運用を担うことになりました。
本訓練を通じて獲得した知見や課題をふまえて、今後の災害対策用ドローンの開発・選定・配備や運用体制の強化に努めてまいります。
加えて、災害対策用ドローンを飛行させるにあたって連携が必要となる自治体や公的機関等に本訓練の模様等をフィードバックし、災害発生時における情報共有や災害対策用ドローンの運用についての意見交換を行ってまいります。
2.実施概要
実施日:2021年6月2日
場所:福島県南相馬市原町区 南相馬市復興工業団地内
実施事項:1.VTOL(垂直離着陸機)型ドローンによる広域被災状況把握(実証)
2.小型空撮ドローンによる局所被災状況把握(訓練)
3.通線ドローンによる光ケーブル通信復旧(訓練)
3.各社の役割
NTT東日本 本実証訓練の企画・統括
NTTイードローン 本実証訓練の運用支援
※VTOLの運用は株式会社World Link & Companyと連携
4.本訓練の全体像
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5.訓練模様
訓練会場となった南相馬市復興工業団地には訓練に関わるNTT東日本グループ社員のほか、視察目的の方も会場に足を運ばれていました。また、新型コロナウィルス感染防止の観点から、現地だけでなくWeb会議システムを通じた視察にも対応し、総勢100名以上が関わる訓練となりました。地元自治体や官公庁関係、複数のメディア関係者にも見学いただき、災害時のドローンの活用に関する関心の高さが覗えました。
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訓練当日の様子
■VTOL型ドローンによる広域被災状況把握【実証】
激甚災害における広域の被災状況を速やかに把握するため、航続距離100km以上のドイツ製のVTOL(垂直離着陸機)型ドローンを用いて南相馬市原町区沿岸約6kmを飛行し、搭載したカメラで地上の様子を撮影しました。飛行中のFPV映像(※)を会場のモニターに投影し、リアルタイムに状況を把握する試みを実施しました。
今後は、機体に搭載された超高解像度デジタルカメラ(1億画素)で撮影された写真と、録画された4K品質のFPV映像を用いた、被災状況把握・分析の検証と、運用面の課題整理を行うなど、導入に向けた検討を進めてまいります。
※FPV:First Person View(一人称視点)
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VTOL型ドローンの飛行の様子
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モニターにリアルタイムで配信された南相馬市原町区沿岸の映像
■空撮ドローンによる局所被災状況把握【訓練】
VTOL型ドローンによって集めた広域の被災状況データを基に、被害が大きいと想定される地域へ、局所的な被災状況を把握するために使用する小型空撮ドローンの運航手順やフライトの操作性の確認を実施しました。
当日はNTT東日本 福島支店の社員による3名体制でのフライトが実施され、安全にも十分配慮したフライトを実施しました。
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NTT東日本社員によるフライト前の安全確認の様子
■通線ドローンによる光回線復旧【訓練】
橋梁の流失等により光ケーブルが寸断された場面を想定し、ドローンを用いて河川の対岸へ光ケーブルを渡す訓練を行いました。上空から作業場所などを確認した上で、通線するためのリード線を狙ったポイントに投下します。当日は河川対岸を模した投下位置に、正確に投下することに成功し、現場での実用性を確認することができました。
今後は東日本エリアにおける配備数を増やしたうえで、高いスキルを有するNTTイードローンのパイロットが運用を担う予定です。本訓練を通じ、発災後の準備から派遣・実施に至る手順を確認しました。運用ルールやマニュアルの整備に活かしていきます。
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リード線を対岸へ運搬する通線ドローン
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訓練で使用された機体:左からANAFI WORK(Parrot製)、EC101(NTT e-Drone Technology製)、Wingcopter 178HL(Wingcopter製)
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