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「理論値生産」を応用した一筆書きの導線レーン
当初計画の2.7倍速で接種を実現
6月末から本社および浜北工場で始まった、従業員対象の新型コロナワクチン職域接種。本社会場では当社診療所の医療スタッフが連日午後の3時間、特設会場で接種業務にあたっています。
「シンプルな導線と進み具合を常に数字でモニターできるので、正確かつ迅速な接種ができている印象です」。そう話すのは、会場で活躍する看護師の一人。その言葉どおり、接種に訪れた従業員がスムーズに流れていくその光景は、効率が高い生産ラインを連想させます。
「じつは接種会場のレイアウトや運営、管理等には、当社独自の改善手法『理論値生産』や『スマートファクトリー技術』が活かされています」と生産革新技術部の藤田晴之さん。当初計画されていたのは3時間で180人の接種でしたが、現在はその2.7倍以上、3時間で500人を超える接種が可能になっています。
理論値生産とは、本質を追求し、皆で理想状態の「ありたい姿」を描き、現状と理想のギャップを埋めていく改善手法。すべての作業から「価値」「準価値」を見出し、それ以外はすべて「無価値」として改善の可能性を大きくし、無価値作業を徹底的に排除することで、作業効率を飛躍的に高めています。
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最も重視しているのは、医療スタッフのストレスフリー化
医療スタッフ最優先の接種現場を
まず藤田さんらが取り組んだのは、接種の工程をつぶさに観察・分析することでした。受診票の確認や受付、腕まくり、移動や順番待ち、問診、本人確認、接種、患部保護、経過観察などを「価値」「準価値」「無価値」に分類し、座っては立ち、移動してまた座るといった無価値行動を排除した「一筆書きの導線レーン」を採用しました。
「接種という目的において、『価値』と定義されるのはワクチンが体内に接種される5~10秒間のみ。本人確認や経過観察など必要な医療行為は『準価値』に分類し、それ以外を『無価値』としました」(藤田さん)。「価値」「準価値」に関わる行動を狭いエリアに集約し、スムーズな流れを生み出した生産革新技術部のメンバーは、いまも会場の分析を続けながら医療スタッフの負荷軽減の改善を繰り返しています。
「目指しているのは、医療スタッフのストレスフリーです。看護師さんたちと日々意見交換しながら、より良い接種の現場を共に作り上げてきました。普段、一緒に仕事することはない生産スタッフと診療所を、One Team, One Yamahaで結びつけ、感染拡大のリスクの抑制に貢献していきたいと思います」(藤田さん)。診療所スタッフからの「一緒に企画や運営を重ねたことで、やっとヤマハ発動機の一員になれた気がする」という言葉が、One Teamであることを裏づけていました。
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現場に立ち、さらなる改善を目指す生産革新技術部の皆さん
■新型コロナワクチン職域接種の開始について(リリース)
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■広報担当者より
「生産現場に流れているのはモノ。一方、接種を受けるのは人。そそくさと動く人もいれば、じっくり確認してから行動する人もいる。それだけに難しい面もあるが、勉強になる」と藤田さん。医療現場と生産現場のタッグにより、職域接種は順調に進んでいます。
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