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2020年に新型コロナウイルス感染症が国内で確認されてから、様々な予防対策が行われてきました。一方で、変異株の出現に伴い、重症化リスクの高さや感染予防対策の有効性は変化しつつあります。
オミクロン株に感染した個人がどのような行動を取っていたのか、そして、どのような感染予防行動が有効であったのかを明らかにすることは、今後の感染対策を考える上で極めて重要です。この度、東京財団政策研究所では、新型コロナ第7波の時期に感染した個人が取っていた行動およびその頻度と感染リスクとの関連について解析を行い、結果の考察をReview(論考)として公表いたしました。
[Review概要]
1. 2022年9月から10月にかけて全国28,630人(16歳から82歳)の男女を対象に実施されたアンケート調査データを用い、直近2カ月の新型コロナウイルスへの感染と感染予防・感染リスク行動との関連について解析を行った。
2. 新型コロナ第7波において、25歳未満は65歳以上と比較して1.9倍感染リスクが高かった。さらに、医療従事者であること、家族と同居していること、基礎疾患があることが有意なリスク要因として確認された。
3. オミクロン株BA.5が主流であった第7波において、ワクチン接種を4回受けていた人と比べ、受けていなかった人(0~3回接種者)は感染リスクが1.7倍から2.5倍高かった。
4. 感染リスクが有意に低かったのは、不要不急の外出を控えていた人と、清潔でない手で目・鼻・口を触ることを避けていた人達であった。月数回以上、居酒屋やバー、スポーツ観戦、性風俗店、縁日など地域の行事に出掛けていた人達は、出掛けなかった人達より、それぞれ1.2倍、1.3倍、1.8倍、1.3倍感染リスクが高かった。夕食時に店内を利用していた人達は、その頻度にかかわらず、利用しなかった人達より1.4倍から1.5倍感染リスクが高かった。
5. これまで励行されてきたマスクの装着、手のアルコール消毒、手洗い、ソーシャルディスタンス等は、感染リスク回避に有意な差が見られなかった。オミクロン株の特性に合わせ、感染予防効果が限定的だとされる行動制限は徐々に解除していくべきだと考えられる。
[研究プログラム]
「ヘルス・メトリクスを用いた政策インパクトのモニタリングと評価に関する研究」
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「健康危機に対するヘルス・レジリエンスの構築に関する研究」
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「ポスト・コロナ時代における持続可能かつレジリエントな医療・看護・介護システムの構築に関する研究」
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[執筆者]
中村 治代 東京財団政策研究所研究員
田淵 貴大 東京財団政策研究所主席研究員
徳田 安春 東京財団政策研究所主席研究員
渋谷 健司 東京財団政策研究所研究主幹
[研究プログラム関連成果一覧]
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◇◆東京財団政策研究所の方向性◆◇
戦後75年が過ぎ、国内外を問わず、社会の大きな転換が進んでいます。この大転換は、戦後の政治・経済・社会の体制から本格的に脱皮し、市民一人ひとりが独立した人間として自らの人生と社会の充実、国家の再生、平和の維持に携わる新しい時代を日本にもたらしています。また、この新たな時代を創るための政策研究・実践のイノベーター(革新者)として、戦後の体制からの独立した政策シンクタンクが必要とされています。
当財団の研究部門は、この大転換期が求める日本再生のイノベーターを目指します。
◇◆取り組む分野◆◇
国際情勢と歴史認識への冷静な視座のもと、下記5領域で約30の研究プログラムを並行して進めています。
I. 経済・財政、環境・資源・エネルギー
II. 健康・医療・看護・介護
III. 教育・人材育成、雇用・社会保障
IV. 科学技術、イノベーション
V. デジタル革命、デジタル化による社会構造転換
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所在地:〒106-6234 東京都港区六本木三丁目二番一号 六本木グランドタワー34階
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プレスリリース提供:PR TIMES (リンク »)
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