はじめに
前回に続いて、2026年に公開された論文「Managing and Securing Google’s Fleet of Multi-Node Servers」に基づいて、Googleのデータセンターにおけるサーバー構成管理、特に、CPUやメモリーを搭載したメインボードに加えて、GPUやSmart NICなど、多数の外部コンポーネントを持つシステムに対して、初期化やファームウェアアップデートを安全に実行する手法を紹介します。今回は、アリーナの構成を抽象化した「グラフ構造モデル」の活用について説明します。
アリーナの構成モデル
前回の記事では、サーバーを構成するコンポーネントは複数の独立した「アリーナ」に分解されており、それぞれのアリーナに対して、管理ネットワーク経由で制御するコントローラーが用意されていることを説明しました。この時、アリーナ内のリソースや複数のアリーナを統合的に管理するには、これらの構成や依存関係を正確に把握する必要があります。特に、ソフトウェアを用いて管理を自動化する上では、構成情報を適切にモデル化したデータベースが必要です。
そこで、Googleのデータセンターでは、アリーナに含まれるリソースやアリーナ間の関係を「エンティティ」と「リレーションシップ」からなるグラフモデルとして定義したデータベースを用意しています。図1は、「メインボード」と「プラグインカード」の2つのアリーナを含むグラフモデルの一部を示した例になります。
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