台風による太陽電池発電所での電気事故 3件に1件は第三者の物件への被害が発生

独立行政法人製品評価技術基盤機構

From: 共同通信PRワイヤー

2026-08-25 11:30

~敷地外へのパネル飛散や土砂流出に注意!~

 

【表: (リンク ») 】

 

太陽電池発電所での電気事故発生状況(分析結果)

 

 全国の自家用電気工作物における、自然災害に起因した電気事故は、2020年度から2025年度の6年間で332件報告されています(事故件数は2026年5月時点の報告数であり、今後変動する可能性があります。)。

 電気工作物別に事故件数を見ると、太陽電池発電所での事故が261件と突出して多く発生していることがわかります(図1)。太陽電池発電設備は設置場所が屋外であり、設置面積が広いことから、天候の影響を受けやすく、自然災害に起因した事故が発生しやすいことが考えられます。

 

【画像: (リンク ») 】

[図1] 電気工作物別 自然災害事故の発生件数(2020~2025年度)

 

 太陽電池発電所での電気事故について、自然災害の要因で分類し、地震以外の件数を月別に事故発生状況で示します(図2)。この結果から、全体に占める台風事故の割合はそれほど高くないものの、9月は台風に起因した事故が最も多い時期であることがわかります。9月については特に台風への被害に警戒しましょう。

 

【画像: (リンク ») 】

[図2]太陽電池発電所における自然災害事故の月別発生状況(2020~2025年度)

※図2では、自然災害のうち季節性が明確でない「地震」以外の243件が対象。 台風により発生した雷、風雨、水害、山崩れの電気事故は「台風」として集計した

 

 次に、太陽電池発電所における電気事故のうち、第三者の物件に被害を与えた事故※の割合を示します(図3)。台風に起因した電気事故のうち、3件に1件以上(36.0%)が敷地外へのパネル飛散や高台からの土砂流出などにより、第三者の物件に被害を与えたことがわかります。一方で、台風を含む自然災害に起因した電気事故全体で見ると、第三者の物件に被害を与えたのは10件に1件以下(約7%)となっており、台風では第三者の物件に被害を与える割合が高いという傾向が見られます。

 

【画像: (リンク ») 】

[図3]太陽電池発電所における電気事故のうち、第三者の物件に被害を与えた事故の割合及び太陽電池発電所の事故に占める物損等事故の割合(2020-2025年度)

※電気関係報告規則第三条で3号に該当するような事故。構外へのパネル飛散や土砂流出など、第三者の物件に被害を与えた事故を指す。

 

 また、参考として図4に、太陽電池発電所における台風事故発生件数の年度推移を示します。台風の発生状況や規模は年によって異なり、予測できないものですので油断せず、日頃から対策をしっかり行うことが重要です。

 

【画像: (リンク ») 】

[図4]太陽電池発電所における台風事故件数の年度推移(2020~2025年度)


 

 

太陽電池発電所における近年の台風事故事例

 

 台風により発生した太陽電池発電所での具体的な事故事例と、被害状況・事故原因について紹介します。

 

事例1 小売施設の屋上に設置された太陽電池パネルの損壊

【表: (リンク ») 】

 

事例2 竜巻による太陽電池パネル及び架台の飛散・破損事故

【表: (リンク ») 】

 

事例3 太陽電池パネルの敷地外への飛散

【表: (リンク ») 】

 

事例4 河川氾濫によるパワーコンディショナ(PCS)の水没・出火

【表: (リンク ») 】

 

 

太陽電池発電所への立入検査の結果について

 

 NITEでは2021年度より太陽電池発電所などを中心に電気事業法に基づく立入検査を実施しています。2021年度は17事業場、2022年度は59事業場、2023年度は50事業場、2024年度は58事業場、2025年度は40事業場の延べ224事業場の太陽電池発電所への立入検査を実施しました。ここでは、台風被害が発生するリスクが懸念される指摘事例について紹介します。

 

立入検査での指摘事例

 立入検査において、法令に違反するため設置者の対応が必須とされた指摘事項の中で、台風への備えに関連する事例は以下のとおりです。

 

・太陽電池パネルと固定金具の隙間が多数確認された(発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令(以下、「太技省令」という。) 第4条)。

・ナットの脱落及びボルトのゆるみが確認された(太技省令 第4条)。

・横材(パネル受け材)の一部に損傷およびパネル押さえ金具の一部に脱落が確認されたため、物件に損傷を与えるおそれがないように施設されているか確認できない。(太技省令 第4条)。

 →太陽電池パネルを固定する金具や、架台の接合部のボルトが緩んでいないか点検し、ボルトの増し締めを適宜行うことで、パネルの飛散や架台の破損等の事故リスクを低減できます。

・保安規程に定める防災体制が整備されていなかった(電気事業法 第42条第4項)。
 →事故に備え、事前に非常時の設備の運用方法や連絡体制を整備しましょう。

 

特に太陽電池パネルを固定する金具や架台の接合部のボルトなどに異常があると、事故の原因になるおそれがあるため注意してください(図5)。

 

【画像: (リンク ») 】

[図5] 太陽電池の架台のボルトの緩み例(イメージ図)


 

 

台風事故リスクを低減するための対応ポイント

 

 台風による太陽電池発電所での被害を軽減するためには、気象情報の収集や連絡体制の整備、設備の点検実施など、様々な観点で対策いただくことが大切です。

 以下に、台風の接近に備えてあらかじめ講じておくべき対策と、実際に台風が通過した後の対応について、基本的なポイントをまとめていますので、ぜひご活用ください。

 

 

台風接近への事前対策

【表: (リンク ») 】

 

台風通過後の対応

【表: (リンク ») 】

 

 

 

参考情報

参考リンク

※「2026年度夏季の自然災害に備えた電気設備の保安管理の徹底について」(経済産業省)

(リンク »)

 

※「建築物における電気設備の浸水対策」(経済産業省)

(リンク »)

 

※「災害・防災関連情報」(経済産業省関東経済産業局)

(リンク »)

 

※「台風接近に伴う対策のお願い」(中部近畿産業保安監督部近畿支部)

(リンク »)

 

※「破損・浸水した太陽電池発電設備による感電事故防止について(注意喚起)」(経済産業省) (リンク »)

 

※「台風情報」(気象庁)

(リンク »)

 

 

詳報公表システムについて

 

 詳報公表システムは、電気事業法に基づく電気工作物に関する全国の事故情報(詳報)が一元化された国内初のデータベースです。2020年度からの事故情報について順次公開を行っております。本システムは、電気事業者をはじめ、どなたでもご自由にお使いいただけます。事故情報を条件やキーワードで簡単に検索することができ、抽出されたデータはCSVファイルとしてダウンロードすることも可能です。

 

< 詳報公表システム >

  (リンク »)

 

【画像: (リンク ») 】 [図6] 詳報公表システム概要

 

NITE 電力安全センターについて

 NITE電力安全センターは、経済産業省(原子力発電設備等以外を所掌)からの要請を受け、電気保安行政(電気工作物の工事、維持及び運用における安全を確保するため行政活動)を技術面から支援するために、2020年5月、電気保安業務の専従組織として発足しました。現在、NITEがこれまで培ってきた知識や経験を活用し、経済産業省や関係団体と連携しながら、電気保安の維持・向上に資する様々な業務に取り組んでいます。

 

< NITE電力安全センターの業務紹介 >

(リンク »)



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