昨日、エンバカデロ・テクノロジーズは、「iOSアプリ開発に対応したRAD Studio XE4が記録的な成長を継続 - 日本、ブラジルなどの市場では前年比100%の売上増を記録」 (»リンク) というプレスリリースで、4月に販売開始したRAD Studio XE4が高い人気を博していることを発表しました。
RAD Studio XE4は、従来のWindows、Macのクロス開発に加えて、iOS向けアプリの開発をサポートしており、単一のコードで複数のデバイスに対応できるネイティブアプリケーションを開発できることが特長です。iOS向けの開発が可能になったということで、従来からモバイルアプリ開発に携わっている開発者に注目されているのかと思うと、実態はそれだけではないようです。
ここ数年、スマートフォンやタブレットの普及は急激に進んでおり、2013年時点で、タブレットの出荷台数は、ノートPCを上回ると言われています。スマートフォンやタブレット向けのアプリは、これまでどちらかというとエンターテイメント系だったり、ソーシャルネットワーク系で、いわゆる企業向け開発とは違うセグメントのソフトウェア開発で活発でした。
しかし、ここにきて多くの企業が、タブレットの活用を本格化してきており、これまでWindows PC向けに業務アプリケーションを開発してきた受託開発企業でも、タブレット対応をどのようにしていくか、本格的に検討しなければならない状況にあります。
しかし、現状のスマートフォン、タブレット向け開発では、プラットフォームごとに異なる言語やツールを用いる必要があり、何よりも、Windows PC向けの開発のような効率的な環境が揃っていなかったといえます。これまでと異なるプログラミング言語用い、これまでよりも効率性で劣るツールを使わなければならない。覚えることが増える上に、仕事量も増えるわけです。
複数のプラットフォームで利用できるソリューションとしてHTML5が注目されていましたが、パフォーマンスやセキュリティの問題から、先行する米国で、採用をやめてネイティブに回帰するのがトレンドになっています。FacebookアプリがHTML5をやめて、ネイティブ化し、ユーザービリティを改善したのは記憶に新しいでしょう。
RAD Studioに搭載されているDelphiは、元々Oracle用のクライアントアプリケーション開発ツールとして設計されました。もちろん、接続できるデータベースは、現在ではOracleだけでなく、DB2、MS SQL Server、Sybase、MySQLなど多岐にわたります。これらのデータベースに接続して、データを検索、表示、更新するような、一般的な業務アプリケーションをすばやく開発できることから、広く企業向け開発で使われてきました。習得が容易なことから、開発が専門ではない企業内の情シス部門でも使われています。また、マイクロソフトのVisual BasicやC#などとも、開発のやり方が近いことから、両方を使ったり、開発プロジェクトによって使い分けたりしている企業もあります。
こうした部門で、今何が起きているかというと、タブレットやスマートフォン対応に関する調査です。先行しているところでは、すでに開発に着手しているところもあります。
RAD Studioを用いれば、従来のWindows PC向け開発と同じ手法で、iPhone / iPad向けアプリを作成できます。しかも、Windows PCとMac向けとコードを共通化できるのです。また、企業向け開発で必須となる、データアクセスなどについても、部品化された機能を使って簡単に実装できます。そして、今後、マルチデバイス対応のラインナップにAndroidも加わります。
モバイル対応には、これまでにないスキルと労力がかかります。とはいえ、多くの企業は、モバイル対応のために2倍の開発リソースを確保したり、専任のエンジニアを雇うことができない事情もあります。そんな開発企業が、従来の開発スタイルで、Windows、Mac、iOS、そして今後Androidにも対応するネイティブアプリを開発できるツールに注目するのは、必然かもしれません。
とある開発者が、このようにコメントしていました。「Windows、Mac、iOS、Androidに対応するツールは、MicrosoftもGoogleも出せないですよね。」
RAD Studioのモバイル開発に関する情報はこちら (»リンク) をご覧ください。
企業ブログ
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従来の企業システム開発者が今「RAD Studio XE4」に注目する理由
2013-06-12