MRAM

用語の解説

MRAMとは

(エムラム,マグネティックRAM,磁気RAM,不揮発性磁気メモリ,磁気抵抗ランダムアクセスメモリ,Magnetoresistive RAM,Magnetic RAM,)
MRAMとは、メインメモリなどに用いられるRAM(Random Access Memory)の一種で、磁力(磁気抵抗効果)を用いてデータを記憶する仕組みをもったメモリのことである。
MRAMでは、ごく薄い強磁性体が絶縁体を挟んで3層構造となっている「磁気トンネル接合」を素子として用いている。 この素子の両端の磁性体における磁界の向きが、互いに同じか、あるいは逆を向いているかによって、素子に電気を流した際の抵抗値が異なってくる。 MRAMでは、磁界を制御し、抵抗値の強弱を「0」と「1」のデジタル信号として扱っている。 従来、メモリとしては主にDRAMやSRAMが利用されてきた。 DRAMはコンデンサに電荷を蓄えることにより、SRAMはフリップフロップ回路の仕組みによって、データの記憶を行っている。 しかし、DRAMもSRAMも、通電状態でなければ記憶が続かず、電源を切るとデータが消失してしまう(揮発性メモリである)という難点があった。 MRAMは磁気ディスクや磁気テープなどと同様に、磁気的にデータを保持するため、通電状態にかかわらずデータの保存が可能であるという利点を持っている。 また、高速なデータの書き込みが可能で、書き換え回数もDRAMやSRAMと同程度まで可能であるため、不揮発性メモリとして現在使用されているフラッシュメモリが持っている読み出し速度の遅さといった難点を克服することができるとされている。 MRAMをコンピュータのメモリとして搭載できれば、PCの起動は高速化され、不意に電源が落ちてもデータが失われることがなくなるなど、これまでのコンピュータの扱いを劇的に変えることができるといわれている。 2008年6月現在、半導体メーカー各社がそれぞれ量産化に向けた研究開発を進めている。 ちなみに、MRAMにスペルのよく似た「MROM」は、あらかじめデータが書き込まれた読み出し専用の記憶装置である「マスクROM」のことである。

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