アジア太平洋地域の他の国々と同様に、韓国の保険加入者の多くが退職の時期を迎えています。このような状況の中、保険の適用が拡大するにつれて保険金詐欺が行われる可能性が膨らみつつあります。韓国の金融監督院 (Korean Financial Supervisory Service) によると、2006年に検出された保険金詐欺の数は2005年と比較して46.4パーセント増加しました。その他にも、保険金に関する不正行為、紛失カードの不正利用、脱税といった金融犯罪は多様化、複雑化しつつあります。
資産評価額64兆ウォン(約8兆円)、売上げ22兆ウォン(約2兆7千億円)、保険加入者1千万人を擁するサムスン生命保険は、この問題に積極的に対処するため、保険金詐欺自動検出システム(IFDS)を新たに開発して韓国国内に導入しました。従来の保険金詐欺防止システムは多くを手作業に頼り、事故処理責任者が不正の疑われる案件を自らの判断で処理していたため、人為的ミスの可能性が増える要因となっていました。新開発のシステムにはILOG JRulesを始めとして、SASのStatistics Data Miningシステム、HandySoftのBPM Suite、TiMaxのWAS(Webアプリケーションサービス)が利用されています。
ILOG JRulesの導入によりサムスン生命保険では、過去の保険金詐欺処理で積み上げた知識をビジネス・ルールに変換し、それをBRMSにより管理、実施することによって、結果として保険金詐欺の発生を減らすことができると考えています。
サムスン生命保険、保険金支払担当部門のシニア・マネージャ、ドンチュル・パク(Dongchul Park)氏は、「BRMSを活用して1日の請求査定10,000件を行った結果、査定期間が2週間から1日に短縮しました。現場担当者は新しい業務規則をリアルタイムに適用できます。アイログBRMSの先進的機能を深く知れば知るほど、このすばらしいテクノロジへの感銘が深まります」と述べています。
サムスン生命保険はアイログのBRMSを使用することで、保険金詐欺検出の履歴、保険事故案件の数、保険契約の数を追跡するなど、800 種類の異なる要素に基づいて科学的かつ系統だった調査と分析を行っています。不正な請求は分離されて、現場担当者による徹底的な検査が行われます。保険金詐欺検出の新しい手法が開発されると、ルールの形で集中リポジトリに入力され、最終的に、総合検査プロセスの中で検査担当者の手により新しいルールが適用されます。系統だった高速な検査プロセスを設けることができたサムスン生命保険では、保険金詐欺に関するエキスパートの活用も進展させることができると考えています。その他にも、検査条件の変更に伴うルールの変更や追加が、IT担当者ではなく業務担当者自身の手で、1日以内で行うことができるようになりました。これには、以前はプログラムの中に手作業でハードコードして2週間かかっていました。
アイログのBRMSを技術基盤とするIFDSは、アイログの韓国代理店であるKSTECにより6か月で設計、開発されました。
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