データセンターの最適な温度環境と省エネルギー性を両立する空調気流制御製品「アイルキャッピング」の販売を開始  ~免震機能を備えたアイルキャッピング ヘッドキャップ工法~

株式会社NTTファシリティーズ

From: valuepress

2008-11-19 15:00

 株式会社NTTファシリティーズ(代表取締役社長 森 勇、以下、NTTファシリティーズ)は、データセンター向け空調ソリューション「ACORDIS(R)(アコーディス)」※1(2006年日本建築学会賞技術賞受賞)の新ラインナップとして、アイルキャッピング※2ヘッドキャップ工法の設計・施工・販売を2008年12月より開始いたします。


 NTTファシリティーズでは、FMACS(R)シリーズ、FTASCL(R)シリーズなどの空調機製品、耐震二重床開口パネル、アイルキャッピングなどの気流設計・制御技術、室内配管無火気工法などの空調システム施工技術、空調監視・保守などによるIT装置用空調総合ソリューション「ACORDIS(R)(アコーディス)」を提供しています。

 ミック経済研究所の調査によると、データセンターの消費電力は今後5年間で倍増すると予想されており、データセンターのグリーン化の観点から、空調システムの高効率化は極めて重要な課題です。アイルキャッピングは、この要求に応えるソリューションであり、まさに次世代空調システムの主要なコンポーネントとなり得ると考えます。

 アイルキャッピングとは、ラック列間の通路を壁や屋根で区画し、IT装置への給気(低温)とIT装置からの排気(高温)を物理的に分離して効率的な空調環境を実現する気流制御技術です。

 NTTファシリティーズでは2006年にアイルキャッピングの特許を取得し、個別にこの設計業務を提供してきましたが、これまでの導入実績に基づく設計ノウハウの蓄積と実大規模実験結果の検証・知見を基にした標準工法の開発により、データセンターやサーバルーム用にラック間を屋根で覆う工法(以下、ヘッドキャップ工法)を開発し、提供することが可能となりました。更に、NTTファシリティーズのヘッドキャップ工法は免震機能を備えており、お客様のIT装置に対する震災リスクを最小限にすることができます。

 なお、本製品は、日東工業株式会社(取締役社長 山本 博夫)と共同で開発したもので、同社にて製造します。

 また、本製品の模型を、2008年11月21日の「DatacenterDynamics Tokyo 2008」(場所:ヒルトンホテル 東京)で、NTTファシリティーズブースにて展示いたします。



【アイルキャッピング ヘッドキャップ工法の導入メリット】

(1)省エネルギー

 現在のデータセンターの標準的な空調方式である、二重床吹出横吸込方式または二重床吹出天井吸込方式と比較して、アイルキャッピング設置により空調風量を必要最小限にできるため、空調機の送風機動力を約50%削減※3することができます。
 高発熱なIT装置が導入されたデータセンターでは、アイルキャッピングに加えてNTTファシリティーズ開発製品のFMACS(R)シリーズ(IT装置用床置型空調機)、FTASCL(R)シリーズ(IT装置用ラック型空調機)でタスクアンビエント空調※4を構築すれば、一般電算用空調機と比較して65%もの省エネルギー※5を実現することが可能です。

(2)空調停止時の室温上昇抑制

 既存のデータセンターでは、万が一、停電により空調機が停止しても、発熱密度が低いためエンジン等の予備電源から電力供給されるまでの間に室温が上昇してIT装置の運用温度の上限を超過することはありませんでした。しかし、近年、IT装置の高密度化・高発熱化が進むにつれ、空調停止後の室温上昇が急激になり、停電により空調機が停止した場合、予備電源から電力供給し空調が再開される前にIT装置の運用温度の上限を超過するケースも見られるようになりました。
 アイルキャッピングを採用した室内では、空調機が停止してもコールドアイル内が囲まれているため、IT装置の排気の回り込みが抑制されます。これにより、高発熱密度のデータセンターであっても室温上昇が緩やかになり、その速度はアイルキャッピングを採用しないケースと比較して半分以下に低下させることができます。(図1参照)

(3)免震機能を考慮した構造 (特許申請中)

 アイルキャッピング(ヘッドキャップ工法)はIT装置収容ラックと物理的に接続されるため、地震時に構成部材がラックに悪影響を及ぼす危険性が考えられます。また、アイルキャッピング内は通路及びIT技術者の作業スペースのため、震災リスクに備える性能を確保することが重要です。
 NTTファシリティーズは、建物内設備の設置に関する高度な耐震技術を有するため、豊富なデータベースとノウハウを基に、このヘッドキャップ工法でも免震機能を考慮しました。製品化にはNTTファシリティーズが保有する3次元振動台において振動試験を行ない、阪神大震災クラスの地震時でも良好な空調環境を継続するとともに近接ラックに悪影響を与えないことを確認し、提供いたします。



【今後のラインナップ拡充】

 データセンターでは室内の形状や大きさ、ラックの配置や形状、空調方式などが物件ごとに個々に設計されています。また、IT装置が既に稼動している室内ではアイルキャッピングの施工に慎重な対応が必要であり、導入に際しては様々な条件や制約が考えられます。多様化するご要望にお答えするため、NTTファシリティーズではヘッドキャップ工法に加え、複数のアイルキャッピング工法の開発を進めております。



【注釈・用語説明】

※1 ACORDIS(R)
 「ACORDIS(R)(アコーディス)」はNTTファシリティーズの登録商標です。

※2 アイルキャッピング
 「アイルキャッピング」は商標登録出願中です。

※3 空調機の送風エネルギーを約50%削減
 NTTファシリティーズ調べ。空調方式を二重床吹出横吸込空調方式とし、二重床開口パネル設計を実施していない場合に適正な温度環境を実現しようとした場合、空調機の風量を大幅に増加させる必要があります。しかし、同じ空調方式でアイルキャッピングを設置し、二重床開口パネル設計を実施した場合はIT装置の排気の回り込みが生じないため、最低限の風量で適正な温度環境を実現することができます。この試算結果は両者において適正な温度環境を実現するために必要な風量を比較した場合、アイルキャッピングを採用することで空調機の送風機動力を約50%削減することができます。

※4 タスクアンビエント空調
 NTTファシリティーズが提案しているデータセンター向けの空調方式です。室内の発熱負荷をアンビエント(全体)とタスク(局所)に分けて空調することにより、空調システムを高効率化し省エネルギーを実現することができます。一般に、データセンターでは、ブレードサーバなどが設置され発熱負荷の大きいエリアと、そうでないエリアが混在しています。これらを一律に冷却すると発熱負荷の大きいエリアに合わせて空調するため、そうでないエリアは過剰な冷却となり余分なエネルギーを消費します。本方式では、発熱負荷の大きいエリアにタスク空調機を配置し、その他のエリアはアンビエント空調機で処理させるため、消費エネルギーの無駄をなくすことができます。

※5 一般電算用空調機と比較して65%もの省エネルギー
 NTTファシリティーズ調べ。


【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社NTTファシリティーズ
広報室 小保方(おぼかた)・友部(ともべ)
TEL:03-5444-5112

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